M101、通称「回転花火」 Photo by かんと氏
いかに通称とはいえ「回転花火」というのはどうだろう。メシエが聞いたら笑うだろうか。シャルル・メシエ、18世紀フランスの天文学者で星雲、星団の目録「メシアカタログ」を作成した彼は、元来は彗星の研究者であり、20個以上の彗星の発見者として名を高めた。
Mは彼の姓の頭文字で、同カタログには103の天体が掲載されたが、その後に別の人の手も加わり110に増え、M110はメシエの功績をたたえて彼の名が付けられた。フランス語では穀物番を意味するのだとか。
星座にしてもそうだが、奇妙な名前が多い。例えば三角座、コップ座、かみのけ座等々、全部で88の星座の中にはもっと奇抜な名前もあるはずだ。
そもそもわれの銀河でも英語では「Milky Way」、それをわれわれは「銀河」と呼ぶが、この方が名付け方として余程優れた感覚ではないかと思う。うしかい座の主星「アークトゥルス」も熊の番人という意味らしいが、これを日本人は「麦星」と呼んだ。麦の穂が熟する時期に天頂に目立つ星だったからだという。素晴らしい。この春、毎晩のように天竜川の河畔からこの星を眺めたのは、麦秋と言うには少し早い夜桜の美しいころだった。
メシアカタログが作られたのは18世紀、北半球からの夜空が対象だったが、その後観測の対象空域は南半球にも及び、彼の時代には思ってもみなかった観測技術の進歩で、カタログは「NGC」、「IC」、「Sh-2(シャープレス)」などができ、NGCに付された番号は2000番を越え、さらに増加するだろう。なにしろ宇宙は無限と言っても良いのだから。
本日の知ったかぶりは、前にも参考にした「星の歳時記(石田五郎著)」などにお世話になりました。
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