入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「春」(66)

2021年05月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 気持ちの良い朝、来る時正面に見えた仙丈岳の雪はすっかり少なくなり、その反対側、中アの西駒や空木はまだそうでもないが、経ヶ岳の雪は全く消えていた。
 開田の田植えの進み具合を目にしながら、田植機のなかった「お田植え」のころを、しきりと思いだした。今はどうか知らないが、田植えが始まる前日には熊手の親分のような物で苗を植えるための筋を付けた。そして田植え当日は4,5人が横に並び、一人が4本くらいの列を担当しながらその熊手の親分が付けた跡に苗を植えていった。今では考えられないことだが、半世紀前ならそれが普通のやり方だった。
 機械が普及して人の出は減り、土地の整備が行われた水田地帯は1枚毎の田が大きくなった。今朝も、そういう田を見てきたが、あれを人力ですると考えたら気が遠くなると思ったものだ。しかし、昔の田はもっと小さかったにしても、あの地域の水田の総面積は昔とあまり変わらないはずだから、実際は人力だけで気の遠くなるような田植えの仕事を、毎年まいねんずっと繰り返してきたことになる。
 あの広大な田を、手だけで植えて、手だけで刈った時代、その米の尊さはもう伝わらないかも知れない。



 ざっと数えて30頭以上はいる。昨日仕掛けた罠の中に入った鹿の頭数で、一矢ではなく、さて幾矢を報いたことになるだろうか。以前にこの罠で41頭を捕獲したことがあったが、今回が恐らく2番目に多い捕獲数になる。一昨日、小入笠の中腹にいた群だろうか。
 車が通るたびに群れが右往左往して、中には囲いめがけて頭から突進する鹿もいる。前から唱えている勝手な自説だが、群れをつくる動物は、仲間のために自己犠牲を敢えてするというこれも一つの例だろうか。牛は牧柵の有刺鉄線切ることはまずないが、鹿はよく切る。それが意図的な行動なのか偶然なのか、長いこと前者を疑っている。
 とにかく、この時季にこれだけ獲れれば、有害駆除の目的を果たしたことにはなるだろう。「この時季」の意味の説明は控え、本日はこの辺で。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする