布屋忠次郎日記

布屋忠次郎こと坂井信生の日記

イラクからの空自撤退

2008-10-04 23:50:07 | ニュース
これも9月前半のニュースだから、かなり時宜を逸したBLOGですが。町村官房長官(福田内閣当時、と付さないといけないね)が9月11日の会見で、空自をイラクから年内に撤収させる方針を表明しましたね。
陸自がサマワから(現地の皆さんからとても惜しまれながらも)無事撤収したあとも、空輸活動を継続していた空自。
正直なところ、「陸自の人道支援」は支持した坂井も「空自の多国籍軍支援」(しかもイラクを侵略した米軍を中心とする占領軍)には大いに疑問符。なのだけど。
航空自衛官をイラクに送ったのも私たち有権者なのだから、とにかくご苦労様と言いたい。…という言い方をすると、義務と責任からそう言ってるようだけど、心からお疲れ様でしたと思うし、航空自衛官が一人も撃たれず、一人をも撃たずにこれたことを喜んでいます。
とにもかくにも、無事任務完了するということです。アフガン沖に展開している海自が、日本国内の政治闘争のために一時撤収を余儀なくされたような、日本人として諸外国に対して非常に恥ずかしかった事態もありましたけど、それとは違って、多国籍軍のイラク駐留根拠とされている国連決議が今年末で期限切れを迎えることによる、堂々の撤収ですから。

誰ですか「アフガン沖からも撤収しろ」などと言ってるのは?はっきり指摘しておきますが、海自のアフガン沖からの撤収を主張してる人は(本人が意識しているかどうかにかかわらず)中国共産党政権のシンパですから。海自が撤収したら、中共は確実に「日本が手を引くなら、じゃあうちがやりますよ」と出てきます。それによって「日本はテロとの戦いから逃げ出したが、私たち(中国)はテロと戦います」と国際社会にアピールできる。そのようにアピールして実際に行動している限り、ウイグルなどの独立運動に対する弾圧も「テロ鎮圧」と主張し続けることができる。さらに、日本のタンカーは実際にアフガン沖の多国籍軍に守ってもらっている(武装テロリストからの攻撃を何度も阻止してもらっている)というのに、日本が退いて中国が出るなら、日本の石油輸入も中国の軍事的プレゼンスの影響下に組み込まれることになる。
海自がアフガン沖から実際に撤収した場合に、どれだけ中国共産党に都合のいい話になるかということです。

ただし!アフガン沖での海自艦による給油支援は当然かつ絶対に継続するべきとして、アフガニスタン本土での自衛隊活動はまた別の話。
少なくとも、日本政府が「アフガニスタン復興支援策」として検討していた自衛隊のアフガン本土派遣を見送ったとたんに、ブッシュからの特使に「ロシア以外の主要国で部隊をアフガンに出していないのは日本だけだ」なんて言われる筋合いはないんだ。
日本は(少なくとも表向きは)日本の判断で、イラクに復興支援のために陸自を派遣したのであって、治安維持のためでさえなかった。サマワ市民から感謝されたのも、香田さん事件のときにイラク中から犯人への弾劾と日本への哀悼がよせられたのも、陸自が米軍等と違って「占領軍」ではないって伝わっていたからこそだと思う。
しかしアフガンではアメリカは今も戦争を継続中だし(その点だけでもイラクとは状況が違う)、さらに戦火を拡大しようともしている。911事件で殺された人数よりはるかに多くのアフガニスタン市民が米軍に殺されてもいる。そんなところに自衛隊を上陸させられるわけがない。もし陸自が上陸するなら、同盟する友として米軍を制止する側にまわらなきゃならないよ。

まあそれでも、イラク復興支援のために陸自を送る小泉政権を日本の有権者が選んだように、アフガン本土に自衛隊を送ろうと言い出す政党がいてそれを日本の有権者が選ぶなら話は別だけど。
民主党はこのごろ何かと言うと「先の参院戦で多数の議席を得て支持された」というけど、それだったらイラクに自衛隊を送ったときの自民党は衆院選で圧倒的多数の支持を得ていたわけです。「今の民主党が比較にならないほどに有権者から議席を託されていた自民党」がやったことを否定する民主党って、何なんですかね。

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