「皇室典範を考える会」というのが設立された。まずはその声明を抜粋する。
[首相の「私的」諮問機関というその位置付けや、専門家不在の委員構成に疑問を抱いたものの][「高い識見を有する人々」が参集した有識者会議が、皇位継承という日本の国の根幹に関わる事柄について、国民の間の多様な意見を十分に視野に入れ、慎重なる検討を行うものとの期待があった][ここにきて私たちは、有識者会議の議論の内容と方向について強い疑念を抱かざるを得ません。][改正にあたっては、よほど慎重の上にも慎重に対処すべきであります。有史以来の皇室の伝統を継承し守ってゆくいう姿勢こそが、何よりの大前提であります。][もとより私たちは、男系男子による継承を絶対のものとして主張するものではありません。しかし、女性天皇・女系継承の是非のみを議論する前に][まずなすべき事柄が多々あるのではないかと考えるものです。]
さて、これに対する報道を見てみる。
毎日新聞。http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/koushitsu/news/20051022k0000m010019000c.html
[小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が11月末の最終報告取りまとめに向けて意見集約に入るのを前に、男系男子による皇位継承の継続を求める学者らが21日、「皇室典範を考える会」(代表・渡部昇一上智大名誉教授)を結成、国会内で記者会見を開き声明を発表した。声明は「有史以来の伝統を守る姿勢が大前提」として、有識者会議に旧皇族の皇籍復帰を検討するよう要請。今後、集会を開催するなど世論に呼びかけるとともに、国会議員へも働きかける考えだ。]
朝日新聞。http://news.goo.ne.jp/news/asahi/seiji/20051021/K2005102102240.html
[首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が、母方だけ天皇の血筋に属する女系天皇も容認する方針を固めたと伝えられるなか、これに反対する学者、文化人が21日、「皇室典範を考える会」(代表=渡部昇一・上智大名誉教授)を結成し、慎重審議を求める声明を発表した。6日に会見した小堀桂一郎・東大名誉教授らの「皇室典範問題研究会」とも連携して、今後、集会を開き関係方面に働きかけていくという。
声明は「(男系継承という)有史以来の皇室の伝統を継承し守っていく姿勢こそが大前提」とし、国民の理解が深まるまで慎重に審議するよう求めている。
会に名を連ねたのは渡部氏のほか国語学者萩野貞樹、評論家屋山太郎、元労働団体役員宇佐美忠信、評論家岡崎久彦、作家工藤美代子、評論家田久保忠衛、国際政治学者中西輝政、埼玉大教授長谷川三千子、数学者藤原正彦の各氏。]
読売新聞。http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/shakai/20051021/20051021ic22-yol.html
[皇位継承のあり方について検討している小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」の議論が「女系天皇」容認に傾いているとして、慎重な論議を求める大学教授や評論家らが21日、「皇室典範を考える会」(代表=渡部昇一・上智大名誉教授)を設立した。
発起人は渡部氏のほか政治評論家の屋山太郎氏、数学者の藤原正彦氏、外交評論家の岡崎久彦氏ら。]
声明が「もとより私たちは、男系男子による継承を絶対のものとして主張するものではありません。」というとおり、この会は「はじめに結論ありきではなく、慎重の上にも慎重な議論を」というものであるのは、まともな読解力がある人なら読み取れるだろう。
ところが毎日新聞は「男系男子による皇位継承の継続を求める学者ら」と読者を誘導する。女系天皇論者が国民の男女平等意識を利用しているのに乗っかったものだ。
朝日新聞は、声明が「(男系継承という)有史以来の皇室の伝統を継承し守っていく姿勢こそが大前提」としていると。これも読者を誘導している。声明は「男系継承という伝統」とは言わないことで「何が皇室の伝統なのか」というところから国民的議論を行うべきだといっているのだから。
つまり毎日も朝日も、「首相の私的諮問機関が『女系天皇』に進みだしたところで、反対意見が出てきた」と報道しているわけだ。しかし声明はそうではなく「首相の私的諮問機関が『女系天皇』に進みだしているが、もっと議論するべきだ」としか言っていない。
あるいはメンバーは「男系男子」論者かもしれないが、だとしたらなおさら彼らは「私たちがどう考えるかではなく、とにかく議論を深める必要がある」という公正なスタンスに立っていることになる。
そう考えると、読売の報道だけが、自社の主張に読者を誘導しない客観的な報道であるといえる。
ちなみに、首相の私的な諮問機関に過ぎない有識者団の吉川弘之座長は記者会見で「国民の代表という意識で議論してきた。改めて国民の意見を聴くことは考えていない」と、何か勘違いしているような発言をしている。
首相は国民が(間接的に)代表に選んだが、吉川弘之なる人物を含め諮問機関の誰一人として国民の代表ではない。
[首相の「私的」諮問機関というその位置付けや、専門家不在の委員構成に疑問を抱いたものの][「高い識見を有する人々」が参集した有識者会議が、皇位継承という日本の国の根幹に関わる事柄について、国民の間の多様な意見を十分に視野に入れ、慎重なる検討を行うものとの期待があった][ここにきて私たちは、有識者会議の議論の内容と方向について強い疑念を抱かざるを得ません。][改正にあたっては、よほど慎重の上にも慎重に対処すべきであります。有史以来の皇室の伝統を継承し守ってゆくいう姿勢こそが、何よりの大前提であります。][もとより私たちは、男系男子による継承を絶対のものとして主張するものではありません。しかし、女性天皇・女系継承の是非のみを議論する前に][まずなすべき事柄が多々あるのではないかと考えるものです。]
さて、これに対する報道を見てみる。
毎日新聞。http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/koushitsu/news/20051022k0000m010019000c.html
[小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が11月末の最終報告取りまとめに向けて意見集約に入るのを前に、男系男子による皇位継承の継続を求める学者らが21日、「皇室典範を考える会」(代表・渡部昇一上智大名誉教授)を結成、国会内で記者会見を開き声明を発表した。声明は「有史以来の伝統を守る姿勢が大前提」として、有識者会議に旧皇族の皇籍復帰を検討するよう要請。今後、集会を開催するなど世論に呼びかけるとともに、国会議員へも働きかける考えだ。]
朝日新聞。http://news.goo.ne.jp/news/asahi/seiji/20051021/K2005102102240.html
[首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が、母方だけ天皇の血筋に属する女系天皇も容認する方針を固めたと伝えられるなか、これに反対する学者、文化人が21日、「皇室典範を考える会」(代表=渡部昇一・上智大名誉教授)を結成し、慎重審議を求める声明を発表した。6日に会見した小堀桂一郎・東大名誉教授らの「皇室典範問題研究会」とも連携して、今後、集会を開き関係方面に働きかけていくという。
声明は「(男系継承という)有史以来の皇室の伝統を継承し守っていく姿勢こそが大前提」とし、国民の理解が深まるまで慎重に審議するよう求めている。
会に名を連ねたのは渡部氏のほか国語学者萩野貞樹、評論家屋山太郎、元労働団体役員宇佐美忠信、評論家岡崎久彦、作家工藤美代子、評論家田久保忠衛、国際政治学者中西輝政、埼玉大教授長谷川三千子、数学者藤原正彦の各氏。]
読売新聞。http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/shakai/20051021/20051021ic22-yol.html
[皇位継承のあり方について検討している小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」の議論が「女系天皇」容認に傾いているとして、慎重な論議を求める大学教授や評論家らが21日、「皇室典範を考える会」(代表=渡部昇一・上智大名誉教授)を設立した。
発起人は渡部氏のほか政治評論家の屋山太郎氏、数学者の藤原正彦氏、外交評論家の岡崎久彦氏ら。]
声明が「もとより私たちは、男系男子による継承を絶対のものとして主張するものではありません。」というとおり、この会は「はじめに結論ありきではなく、慎重の上にも慎重な議論を」というものであるのは、まともな読解力がある人なら読み取れるだろう。
ところが毎日新聞は「男系男子による皇位継承の継続を求める学者ら」と読者を誘導する。女系天皇論者が国民の男女平等意識を利用しているのに乗っかったものだ。
朝日新聞は、声明が「(男系継承という)有史以来の皇室の伝統を継承し守っていく姿勢こそが大前提」としていると。これも読者を誘導している。声明は「男系継承という伝統」とは言わないことで「何が皇室の伝統なのか」というところから国民的議論を行うべきだといっているのだから。
つまり毎日も朝日も、「首相の私的諮問機関が『女系天皇』に進みだしたところで、反対意見が出てきた」と報道しているわけだ。しかし声明はそうではなく「首相の私的諮問機関が『女系天皇』に進みだしているが、もっと議論するべきだ」としか言っていない。
あるいはメンバーは「男系男子」論者かもしれないが、だとしたらなおさら彼らは「私たちがどう考えるかではなく、とにかく議論を深める必要がある」という公正なスタンスに立っていることになる。
そう考えると、読売の報道だけが、自社の主張に読者を誘導しない客観的な報道であるといえる。
ちなみに、首相の私的な諮問機関に過ぎない有識者団の吉川弘之座長は記者会見で「国民の代表という意識で議論してきた。改めて国民の意見を聴くことは考えていない」と、何か勘違いしているような発言をしている。
首相は国民が(間接的に)代表に選んだが、吉川弘之なる人物を含め諮問機関の誰一人として国民の代表ではない。
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