医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

追悼 笹井芳樹先生に捧ぐ

2014-08-11 17:01:37 | 社会問題・生活


科学者の死  (小野昌弘Facebookより)
たった一人の男の死体に ごそごそと群がった人々は

殺したのは誰? と口々に騒いだ。
僕が自分で殺したのだと 死体の君は か細い声で言った
その瞬間、ここぞとばかりに 
息の荒いため息と シャッター音が
やかましく鳴り響いた。
挫折を知らなかったからね、と羨んだ声が言った
最近疲れていたようだから、と物知りぶりな声が付け加えた
我々の行動のせいだったかもしれないね、と神妙な声が反論した
しかし皆がしめしあわせたように 乾いた目で無理に口元だけへの字に結んでいた
必死で笑みを 抑えるかのように
そして彼らはそそくさと 次の獲物を探しに出かけた。
しかし 私は知っている
科学者の君は 殺されたのだ。
君はどこまでも長く真っ暗な科学の回廊を歩き続け
六道を渡り 修羅の世界を生き抜いてきた
いったい世の中の幾人に これだけのことができるか?
だから私は知っている 
君を殺すことができたのは 弱いもの以外にはありえないと。
危険が迫ったとき 皆、逃げ足だけは早かった。
口ごもった無意味な呟きが飛び交い
ある者は 言葉の剣に頼り
また別の者は 責任は無いといいながら雲隠れした
詭弁を弄すことを厭わず、理性が無いことを恥じないものは 見境なく逃げた
皆自分が助かることしか考えなかった。
そして君は陸の孤島に残った。
それはたった一人の科学者としての宿命だったのかもしれない
草一本すら生えない 荒野の中で
全ての人の内なる敵に 君は一人きりで臨んだ。
この狂った社会では
目を見開いてなお正気でいることは あまりに難しい
知性の光は 蒙昧の暗がりに隠れ
科学の力は 迷信の網に絡めとられ
人間の誇りと尊厳は あざ笑いの音にかき消される。
君は死んだ。
優秀な頭脳が 低劣な情念に破れた。
これは 一人の科学者の敗北ではない
科学者そのものの敗北であり 理性の感情に対する敗北だ。
しかしそれでも この戦いは終わらない。
君がこうして殺されたことを 私たちは忘れない。
理性が感情に打ち勝ち
知性が蒙昧を晴らし
科学が迷信を一掃し
人間の誇りと尊厳を取り戻し 下劣な笑いが恥じ入って消えるまで
私たちは 戦いをやめない。
追悼 笹井芳樹先生に捧ぐ

小野昌弘:現職ユニバーシティカレッジロンドン上席主任研究員。専門は、システム免疫学・ゲノム科学・多次元解析。関心領域は、医学研究の政治・社会的側面、ピアノ。京大医学部卒業後、皮膚科研修、京大・阪大助教を経て、2009年より同大学へ移籍。札幌市生まれ。

心停止:82分後に蘇生 愛媛の62歳男性、低体温療法で回復

2014-08-11 16:59:31 | 医療と介護
毎日新聞 2014年08月10日 東京朝刊
 愛媛県八幡浜市立八幡浜総合病院は9日、今年2月に心筋梗塞(こうそく)で心停止した同県西予市の会社員の男性(62)が82分後に蘇生し、その後低体温療法を受けて回復したと発表した。上村重喜・同院長によると、通常の体温で心停止が60分を超えると救命はほぼ不可能といい、「心停止82分間からの回復は国内最長ではないか」と話している。
 上村院長によると、男性は2月4日午前7時半ごろに背中の痛みと吐き気を訴え救急車で同病院へ。到着直前の午前9時47分に心停止したが、心臓マッサージや電気ショックなどにより同11時9分に鼓動を再開した。同県東温市の愛媛大付属病院で、体温を低温に保ち段階的に上げる低体温療法を続けた結果、男性は2月10日に意識を回復し3月末に退院。後遺症はなく、通常の生活を送っているという。【渕脇直樹】

東大、医師に「3万円」の緊急オペ手当

2014-08-11 16:56:50 | 社会問題・生活
今改定の加算倍増を踏まえ、8月から支給


m3.com  2014年8月7日(木)  橋本佳子(m3.com編集長)

東京大学医学部付属病院は、この8月から、医師を対象に、新たに「緊急手術等手当」の支給を開始した。時間外や休日に、緊急の手術や処置(いずれも1000点以上)に従事した医師に、3時間以上の場合には1回3万円、3時間未満の場合には1回1万5000円、自然分娩にも時間外であれば1万5000円をそれぞれ支給する。
 支給対象は、手術・処置に参加した全医師。常勤医、非常勤医を問わず、大学院生や研修医なども含まれる。内視鏡を用いた処置や、カウンターショックなどの緊急処置には、1000点を超すものが多いため、外科系医師だけでなく、内科系医師も、「緊急手術等手当」の対象になる。
 「緊急手術等手当」の支給開始は、2014年度診療報酬改定で、時間外や休日に緊急手術・処置を実施した場合の「休日・時間外・深夜加算1」の新設を受けた対応(『「夜間や休日の手術」、医師の負担軽減』を参照)。加算額は従来の2倍で、「予定手術前日の当直免除」のほか、「医師への手当支給」が施設基準だ。この基準は非常にハードルが高いため、「休日・時間外・深夜加算1」の算定病院は全国でもごく少数であり、東大病院での手当支給は注目される動きだ。
 東大病院副院長で、小児外科教授の岩中督氏は、「今改定は、消費税率引き上げ分が完全に補てんされていないことなどから、東大病院にとっては、マイナス改定だった。2014年度の病院予算は、赤字予算を組まざるを得ない状況。それでも、時間外の業務に当たる医師の労に報いるため、手当の新設に踏み切った」と説明する。
 岩中氏は、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の会長補佐で、手術委員会委員長を務め、「医師への手当支給」を要件とする点数の新設を厚生労働省に要望した経緯がある。ハードルが高いながらも、自院で率先して、手当支給に踏み切ったわけだ。
 「緊急手術等手当」の支給の有無は、標榜診療科単位で決まる。人員が少ないなど、「予定手術前日の当直免除」をクリアできない科では、手当は支給されない。2013年度の東大病院の医業収入は、約420億円。これを基に試算すると、「休日・時間外・深夜加算1」の算定で、少なくとも年間1億2000万~3000万円の収入増になると試算される。うち約8割を手当の原資とし、残りは人員不足の診療科での人員増に充当する方針だ。
 前2回の改定、医師は恩恵受けず
 2010年度と2012年度の2回の診療報酬改定の特徴の一つは、外保連の手術試案に基づき、手術料が大幅にアップした点だ。しかしながら、このアップ分は、現実には病院の赤字補てん、医療クラークの配置、医療機器の更新などに優先的に充当され、個々の医師の手当として還元した病院は少ない(『「宿直中の診療」手当支給、大学の6割にすぎず』を参照)。
 東大病院でも、医師の手当としては、以前から、宿日直手当(2万円)、夜間診療手当(外科系1万円、内科系5000円)、緊急コール手当(病院外にいて呼び出された場合に1万円)などを支給していた。麻酔科医に対しては、約2年前に、「麻酔業務手当」を新設した(例えば、毎週月曜日、月4回麻酔業務に従事した場合は、常勤医5万円、非常勤医4万円など)。しかし、2回の改定後、外科医らの手当の新設は、見送られていた。
 診療報酬改定に先立ち、各学会は厚労省に要望を提出するのが恒例。日本外科学会と外保連が今改定に先立って要望した一つが、「医師への手当支給」を要件とする点数の新設だった。
 「休日・時間外・深夜加算1」の施設基準は、緊急入院患者数の実績などのほか、(1)病院勤務医の負担軽減・処遇改善策の実施、(2)静脈採血、静脈注射、留置針によるルート確保は原則として医師以外が実施、(3)同加算を算定する全診療科で、予定手術の術者および第一助手について、前日の当直を免除(ただし、年間12回まで当直可)、(4)休日・時間外・深夜の医師への手当支給――などを満たすことが求められる。
 東大病院、標榜診療科を見直し
 この8月からの「休日・時間外・深夜加算1」の算定開始に先立ち、東大病院では、就業規則の見直し、標榜診療科の見直し、各診療科における当直体制の見直しなどの準備を進めた。
 標榜診療科の見直しは、院内の表示に合わせて変更したという意味だ。外科系であれば、胃・食道外科、大腸・肛門外科、肝臓・胆のう・膵臓外科、血管外科、乳腺・内分泌外科、臓器移植外科、呼吸器外科、女性外科に分かれていたが、医療法上は従来、「外科」と一括して標榜していた。
 「休日・時間外・深夜加算1」の施設基準で、満たすことが難しいのが、「予定手術前日の当直免除」だ。各診療科で、工夫し、勤務体制の見直しを進めたほか、実績管理のため、新たに「在室時間及び手当申告書」も作成した。
 各診療科で工夫の仕方は異なるが、小児外科などでは、大学院生を手術前日の当直担当に充てることなどを検討している。少ない診療科でも、5人から10人は、大学院生が在籍しているという。東大病院では、約2年前から、大学院生を「病院診療医」として、雇用契約を結び、診療や研修医の指導などに従事した際には、給与を支給する体制にした。それ以前は、時に無給で診療に当たるケースもあったという。この「病院診療医」制度を導入していたため、当直担当も可能になった。
 「在室時間及び手当申告書」は、1カ月単位で医師別に記入する。勤務開始・終了時間、うち診療に従事した時間、超過勤務時間、宿日直や緊急手術・処置の実施の有無を把握するのが目的だ。
 「3時間」を指標に手当の額を決定
 「緊急手術等手当」の新設に当たって、議論になったのは、その額の設定の仕方。手術・処置に要する時間、難易度、診療報酬の多寡などに応じて、手当の額を設定すべきという意見が上がった。例えば、休日加算の増分は、100万円(10万点)の手術であれば80万円だが、10万円(1万点)であれば8万円であり、病院収入への貢献度は異なる。
 しかし、「手術の難易度は、同じ診療科内で比較することは可能だが、他科との比較は難しい。また診療報酬も、100万円の手術であっても、材料費が高額で、赤字の場合もある」(岩中氏)などの理由から、一番公平な「時間」という指標のみで、「緊急手術等手当」を設定した。「3時間以上」と「3時間未満」に分けたのは、財源などを勘案した結果だ。
 マイナス改定を強いられた東大病院では今後、収入増とコスト削減を進める方針。「時間外の手術・処置に対して、緊急手術等手当で労に報いることで、医師のさらなる協力が得られ、経営が正のスパイラルになることを期待している」(岩中氏)。

医療費:都道府県に目標 

2014-08-11 16:55:30 | 社会問題・生活

抑制目指し来年度にも−−政府方針


毎日新聞 2014年08月09日 東京夕刊
 政府は各都道府県に対し、2015年度にも医療と介護費に関する1年間の「支出目標」(上限額)を設定させる方針を決めた。医療機関が請求するレセプト(医療費の内訳を記した診療報酬明細書)や特定健診などのデータに基づき算出し、膨らみ続ける医療、介護費の抑制を目指す。11日以降、有識者による専門調査会で具体的な検討を始める。
 税と保険料で賄った12年度の医療費(自己負担分は除く)は35兆1000億円で、介護費(同)は8兆4000億円。団塊の世代が全員75歳以上となる25年度には、それぞれ54兆円と19兆8000億円に膨らむと推計されている。国の財政を圧迫する最大要因と言え、支出目標の設定は6月に閣議決定された経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に盛り込まれた。
 目標設定に当たってはレセプトのほか、価格の安い後発医薬品の普及率▽平均入院日数▽高齢者数などの人口構成−−などの指標を使い、複数の市町村にまたがる地域ごとに「妥当な医療費」を算出。医療費の低い地域を「標準集団」と位置づけ、都道府県が妥当な支出目標を決める。
 国は目標を超えた都道府県に対し、当面はペナルティーを設けない方向だ。ただし原因の分析と具体的な改善策の策定を義務づけ、支出の抑制を促すことになりそうだ。
 議論は、社会保障制度改革推進本部(本部長・安倍晋三首相)の下に設置した専門調査会で始める。算出方法を巡っては、産業医科大学(福岡県)の松田晋哉教授らが開発した、診療科別の入院患者数▽救急車による平均搬送時間▽人口構成−−などを基に地域単位で合理的な医療費を推計するシステムがベースとなる見通しだ。【中島和哉】

笹井氏追い詰めた泥沼 科学界に大きな課題

2014-08-11 16:50:52 | 社会問題・生活

 「表層深層」STAP問題


共同通信社 2014年8月6日(水) 配信

 STAP細胞問題は、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の小保方晴子氏の論文執筆を指導した笹井芳樹副センター長の自殺という最悪の事態を迎えた。疑惑の発覚から半年も解決を引きずり、生命科学のトップ研究者を追い詰めた泥沼の状況は、科学界に大きな課題を突き付けている。
 ▽多才
 「悔しいの一言だ。2000年にCDBができてから順調だったのに、STAP問題ですべてを失い、笹井氏まで失った」。笹井氏とともに幹部職のグループディレクターを務めた京都大の阿形清和(あがた・きよかず)教授は無念さをにじませた。
 笹井氏は京都大医学部を卒業。米カリフォルニア大ロサンゼルス校の客員研究員になり、カエルを使った脳の発生研究で頭角を現した。帰国後は京都大、CDBで胚性幹細胞(ES細胞)を使った組織再生に取り組み、近年は脳の下垂体や目の網膜の立体組織を試験管内で作ることに世界で初めて成功。12年には英科学誌ネイチャーが笹井氏の特集を組むなど、看板研究者の一人だった。
 「非常に頭のいい人。ユーモアもある」。笹井氏を知る研究者は口をそろえる。国際シンポジウム後の懇親会でカクテルシェーカーを振り、話には冗談を交えた。文部科学省の部会では委員を務め、国の幹細胞研究の戦略立案に関わった。CDBでは予算を担当、「管理にも優れていた」(元幹部)と多才ぶりを発揮していた。
 ▽後手
 論文の構成力を見込まれた笹井氏は難航していたSTAP研究のてこ入れに尽力、今年1月末の論文発表にこぎつけた。しかし直後から疑惑の指摘が相次ぎ、理研の調査委員会が4月に小保方氏の不正を認定。笹井氏はデータの正しさを確認しなかった過失責任を指摘され、論文撤回に追い込まれた。
 調査で確認された画像の切り貼り、論文に書いたのとは異なる実験の画像流用に加え、共著者の若山照彦山梨大教授らの独自解析によってSTAP細胞の存在が揺らぎ、理研は6月に調査対象を広げる後手の対応を迫られた。
 理研は4月から進めていた検証実験の結果が出る前の6月末に小保方氏を実験に参加させることを決定、笹井氏も対象となった懲戒手続きは停止され、問題の解決は延びに延びた。実験の中間報告も当初は7月中としていたが、今月後半になりそうだ。
 ▽課題
 笹井氏と共同研究したこともある中辻憲夫(なかつじ・のりお)京都大教授は「間違ったら処分を受けて反省し、本来の活動を再開すればいい。管理に問題があれば改善すればいい。それをせずに実験を進めるなど内部では混乱が深まったのではないか」と話す。
 大量に盗用が見つかった小保方氏の博士論文について、早稲田大の調査委は7月に研究指導や論文審査の貧弱さを指摘、STAP問題の萌芽(ほうが)が研究者の育成にあったことを浮き彫りにした。
 当初は、理研を特定国立研究開発法人に指定する文科省の思惑が、疑惑の解明を中途半端にしたとの指摘が識者からあった。下村博文文科相も小保方氏の実験参加を勧めるなど、政治介入ともみられる動きがあった。
 中辻教授は「せめて今回の混乱と悲劇の結果として、日本の科学政策やガバナンス(組織運営)に少しは改善がなされるよう祈りたい」と主張している。

エボラ出血熱、WHOが緊急事態宣言の可能性

2014-08-11 16:49:52 | 社会問題・生活
読売新聞 2014年8月8日(金) 配信
 【ジュネーブ=石黒穣】西アフリカで感染が拡大するエボラ出血熱への対応を巡り、世界保健機関(WHO)は6、7日の2日間、専門家による電話協議を行った。
 世界的に流行する危険性が高いと判断すれば、WHOのマーガレット・チャン事務局長が8日にも緊急事態を宣言する可能性がある。
 WHOによると、エボラ出血熱による死者は4日までに、ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアの4か国で932人、感染者は1711人に達した。AP通信によると、ナイジェリアでさらに1人の死亡が確認された。
 WHOの協議には、感染者が出ているアフリカ諸国のほか、米仏など約20人の専門家が参加。緊急事態が宣言されれば、発生地域への渡航制限などの措置が勧告される。

理研、再生研存続へ

2014-08-11 16:48:21 | 社会問題・生活
 「解体的」にとどまる STAP、改革骨抜き

共同通信社 2014年8月8日(金) 配信
 理化学研究所がSTAP細胞問題を受けて策定中の改革案で、舞台となった発生・再生科学総合研究センター(神戸市)を存続させる方向で検討していることが7日、関係者への取材で分かった。理研改革委員会(岸輝雄(きし・てるお)委員長)に「早急な解体」を求められていたが、改革案ではセンターの扱いを「解体的再生」にとどめる方針。理研は運営体制の見直しで対応できると判断したとみられ、改革が骨抜きになる恐れがある。
 改革案の方向性は8月中にも固まる見通し。野依良治(のより・りょうじ)理事長の直轄で研究不正防止のための本部を9月に設置し、理事と同数の委員でつくる経営戦略会議(仮称)の新設も検討する。一方、改革の進行をチェックするために改革委が求めた監視委員会は設置しない。
 ただセンターの中心的メンバーで運営に大きな役割を果たした笹井芳樹(ささい・よしき)副センター長が5日に自殺した影響もあり、流動的な面も残る。
 改革委は6月「不正行為を誘発する、組織としての構造的欠陥がある」と指摘しセンターの解体を求めた。
 これに対し理研は、これまでの実績や研究の重要性を考慮。地元自治体や産業界、国内外の科学者らから存続を願う意見が届いていることにも配慮した。その上で、STAP問題を生じさせた運営体制の見直しが必要だと判断した。
 理研広報室は「(解体的再生とは)発生、再生学の研究所を再び立ち上げることを踏まえた表現だと思う」と述べた。
 理研の川合真紀(かわい・まき)理事(研究担当)は7月、センターの改革について「名前を変えたら継続的なことがなくなってしまう」と述べ、名称変更に否定的な考えを示している。
 ※理化学研究所
 1917年に創設された自然科学の総合研究所。2003年に独立行政法人となった。14年度予算は国の運営費交付金を含め約834億円。職員約3400人のうち約2500人が任期制の研究者。埼玉県和光市に本部と脳科学や加速器の研究センターがあるほか、各地に拠点がある。このうち神戸市の発生・再生科学総合研究センターでは人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床研究が進められ、計算科学研究機構にはスーパーコンピューター「京」が置かれている。

医療関係者故意に攻撃か 人権団体、イスラエル非難

2014-08-11 16:46:56 | 社会問題・生活

共同通信社 2014年8月8日(金) 配信
 【ロンドン共同】国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは7日、パレスチナ自治区ガザで軍事作戦を行ったイスラエル軍が病院や医療関係者を故意に攻撃対象とした疑いが濃くなっているとして、非難する声明を発表した。
 ガザの医療関係者らへの聞き取り調査に基づくもので、同団体の担当者は「医療関係者への攻撃は国際法で禁止された行為であり戦争犯罪にも等しい」と批判、国際社会による早急な調査の必要性を訴えている。
 声明によると、救急車だとはっきり分かるように印などが記された車が、イスラエル軍から攻撃を受けるケースが頻発。パレスチナ赤新月社の救急隊員の少なくとも2人が死亡、35人が負傷し、救急車両17台が破壊されたとしている。
 ガザの病院が攻撃を受けた際には、砲撃音が響く中での出産を余儀なくされる女性や、生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて逃げ惑う母親の姿もあったという。
 ガザではイスラエルとエジプトによる境界封鎖のため日常的に医療物資が不足。今回の軍事作戦により事態は悪化の一途をたどっている。

意味なかった!?座高測定 

2014-08-11 16:45:19 | 社会問題・生活

漫然と78年継続 始まりは「胴長健康説」
毎日新聞社 2014年8月7日(木) 配信
 小中学校などの健康診断から座高測定が姿を消す。文部科学省が2016年度から検査項目からの削除を決めたためで、「座高データはほとんど活用されておらず、学校現場から不要だとの声も多い」ことなどが理由だ。足長の結果を出そうと背をかがめて座ったあの座高測定、どんな意味があったのか。【庄司哲也】
 「座高は子どもの発育の研究者には体格変化のデータとして意味があるのでしょうが、子ども一人一人の健康とは直接の関係はありません」。座高測定の削除を提言した文科省の有識者会議の座長、母子愛育会日本子ども家庭総合研究所長の衛藤隆さんは、そう言い切る。
 身長、体重は、測定結果を標準的な数字と比べればその子の発育状態が分かり、児童虐待の発見にも役立つ。だが座高測定の数字を見ただけですぐに何かが分かるものではないという。
 1994年には「服を着たままでは測定の誤差が大きい」として胸囲の削除が決まった。衛藤さんによると、そのころ座高も議題に上がったが「子どもの体形が足長の方向に変化がみられているのに廃止するのは問題」などと統計資料の収集を重視する意見が出て継続された。
 医学的な意義について小児内分泌学が専門の日本女子医大名誉教授の村田光範さんは「座高(上節長)と足の長さ(下節長)の比をみることで、手足が伸びていかない低身長症や発育異常の早期発見にもつながる」と説明する。
 だが、その村田さんも文科省に測定廃止を主張した。「異常を読み取るには専門的な知識が必要で、学校保健で座高測定の結果を活用するのは難しい。養護教員が忙しい現状では身長、体重のデータすら利用されているとは言い難い。座高測定より身長、体重で得られるデータをもっと活用すべきだ」とする。
 そもそも座高測定は日中戦争が勃発した1937年に当時の「学校身体検査」に加わった。名古屋学院大教授(学校保健学)の野村良和さんは「戦時体制に入っていく社会情勢があり、強じんな兵隊を育てるために健康な児童生徒の育成が急務と判断された。当時は胴が長い方が健康と考えられており、その確認のため座高測定が始まったといわれています」と解説する。学校保健の専門家が「体重と座高を計算式に当てはめれば栄養状態の判定が可能」などと根拠不明の説明をしていたという。
 また、座高測定理由の一つとして「適切な高さの椅子や机を選択できる」が挙げられてきた。だが現職の教諭で全国養護教諭連絡協議会会長の濁川(にごりかわ)こず枝さんは「学校現場では学年ごとに同じサイズの机や椅子を使っている」と否定する。
 78年間も続いてきた座高測定について文科省学校健康教育課の担当者は「なぜ座高測定が現在まで続いてきたのかは定かではありません。廃止については度々議論になったが、胸囲や色覚検査が優先され主要な議論にならなかったようです」と話す。野村さんは「得られた結果をどう子供に還元するかという学校健康診断の本来の目的を軽視したまま漫然と続けられてきた」と指摘する。
 測定結果に一喜一憂した座高測定。だが、その割に意味はなかったようだ。

「守秘義務」異変共有の壁 佐世保殺害、少女への対応

2014-08-11 16:43:10 | 社会問題・生活

朝日新聞 2014年8月8日(金) 配信
 長崎県佐世保市で県立高校1年の女子生徒が殺害された事件。逮捕された少女(16)の異変は事件前から認識されていたが、「守秘義務」が壁となり、関係機関は思い切った対応をとれなかった。個人情報を守る義務と生命の危険性のはざまで、関係機関の判断が問われている。
■医師は
 「このままでは人を殺しかねない」。少女を診察した精神科医が6月10日、県佐世保こども・女性・障害者支援センター(児童相談所)に電話をかけた。
 県などによると、医師は、同市の高校1年の女子が(1)小学生の時に給食に異物を混入した(2)ネコを解体している(3)父親を金属バットで殴って大けがをさせた、と伝えた。医師は名乗ったが、少女の名前や学校名は言わなかったという。
 刑法は、医師が患者から得た個人情報などの秘密について「正当な理由」がなければ第三者に提供してはならない、と定めている。だが、医師の守秘義務に詳しい弁護士は、今回の状況は「正当な理由」にあたると考える。「医師としては精いっぱいだっただろうが、名前を告げても守秘義務違反にならなかったのではないか」と指摘する。
 ある医師は「少女側から守秘義務違反で訴えられれば敗れるのでは」と懸念し、「医師は守秘義務と命を守ることのはざまに置かれている」と漏らす。
■児童相談所は
 一方、連絡を受けた児童相談所は、少女の特定や、警察や保健所などへの連絡などはしなかった。「助言をした」と説明しているが、助言の詳細については明らかにしていない。県幹部は「結果的に放置したと言われても仕方がない」と話す。
 県などによると、児童相談所も守秘義務を意識したとみられる。所長は「のちに相談者から『話さない前提でやりとりしたのに』と批判を招くことも考えられる」と言う。
 ただ、個人情報保護法には、人の生命を守るために必要な場合、本人の同意を得ることが難しくても、個人情報保護の例外だと規定されている。県の条例にも同様の記載がある。
 新潟大の鈴木正朝教授(情報法)は「児童相談所は、どれぐらいの『生命の危険』があったのか判断する必要があった。その確認の初動が遅れた。個人情報の保護は言い訳にしかならない」と指摘する。今回の事件をきっかけに「関係機関は対応の手順と情報提供の必要性と守秘義務の関係についての判断基準を作成すべきだ」と提言する。
 九州地方のある児童相談所の職員は、14歳以上の少年、少女の問題行動の場合、「福祉的な処遇がいいのか刑事的に責任を問うべきなのか判断が分かれることが多く、関与しづらい」と漏らす。親から虐待を受けている低年齢児など「自分の力では解決できない児童の保護が優先されてきた」と話す。
■ほかの選択肢は
 ほかに選択肢はなかったのだろうか。県によると、精神障害者やその疑いがある人ならば、保健所を通じて保護を申請できる。自分を傷つけたり他人に害を与えたりする恐れがあると医師2人が判断すれば、強制的な「措置入院」ができる。
 児童福祉法では、自治体が中心になり、児童相談所や学校・教育委員会、警察、保健所、医療機関などが、問題を抱えた少年・少女について情報交換をする要保護児童対策地域協議会(要対協)の設置が定められている。佐世保市の担当者は「要対協に言ってくれれば何かできたかもしれない」と語った。

「招き入れる力」と「受け入れる力」の美しい共鳴

2014-08-11 02:20:25 | 創作欄
夫の邦彦は長男の哲が生まれた時には、徹夜麻雀で家を空けていた。
いくら準備をして出産を迎えても、想像と違う現実を前に美音子は戸惑った。
深い理由もなくイライラした。
陣痛が始まって午後2時に自分で歩いて徒歩10分ほどの産婦人科へ向かった。
夫に置き手紙をしてきたが、いざとなれば夫の会社に電話をかけるつもりでいた。
夫は産婦人科に姿を見せず、結局、翌日の午前5時30分に美音子が男の子を出産した。
「五体も満足、体重は3650㌘」と告げられ思いのほか大きな赤ちゃんだと美音子は安堵した。
助産婦がバスタオルに包んだ赤ちゃんを見せに来たとき、美音子は何て可愛い顔立ちをしているのだと微笑んだ。
赤ちゃんは夫にも自分にも似ていない、美人の美音子の母親に顔立ちが似ているように思われた。
2年後に次男が生まれた時にも夫は外泊していた。
その日、夫の邦彦は千葉県松戸駅西口近くのスナックで知り合った女とホテルに泊まっていたのだ。
女とは数か月関係が続いたが、女には刑務所から出てきた暴力団関係者の男が居て、500万円もの金を脅し取られた。
スナックの常連客の一人が女の輝恵と邦彦の関係を輝恵の男に告げ口をしたのだった。
邦彦は母親に泣きつき500万円を工面し、輝恵の男から許しを請うたの。
「命まで取らん。払うもの払ったらそれでええのじゃ」男は新松戸駅近くの組事務所まで邦彦を呼び出し金を受け取った。
組事務所内に神棚があり、日本国旗も掲げられていた。
また、横長の額には組織の綱領なども掲げれていた。
「輝恵に聞いたが、おまえさは経済雑誌の記者だってな、いい金儲けの話あったら教えてや。ワイたちも雑誌出しとるんだが、近頃付き合いが悪くなってな広告が減っとるで」とニヤリと笑った。
「本気やで、頼みまっせ!」
左頬に5cmほどの傷があり、左腕の金のブレスレットや指輪を誇示するように突き出す。
右手にはローレックの高級時計がはめてあった。
男には左右の小指が無かった。
若い衆が3人奥のソファーに座り邦彦を睨み据えていた。
組事務所の所在は輝恵に教わりやってきた。

勇気があるかないかで180度人生は変わってしまう

2014-08-11 00:09:48 | 編集スクランブル
★上杉鷹山の改革は、単に巨額の財政の赤字の解消だけではなかった。
「自分さえ良ければいい」という「心の赤字」の克服をめざした。
他人に対してももっと関心を持ち、弱い人、苦しんでいる人に対して優しい思いやりを注ぐことである。
★自助(自ら助ける)、互助(互いに近隣社会が助け合う)、扶助(米沢藩が手を伸ばす公助)の「三助」が一体となって機能するとき、荒れた地域だけでなく、人の心の復興にもつながると「小説 上杉鷹山」の著書・童門冬二さんは説く。
★安心の福祉社会を築く上でも、地域での互いに支え合うネットワークづくりが急務。
★「働く」若者支援で、国、地方自治体、企業、学校などの果たすべき役割や責任を明確にするなど、若者の雇用対策を総合的に進めるための法的な枠組みを整備する。
★若い人が力を発揮して夢を実現できる環境をつくることが政治家の役割。
★全国の空き家数は2008年の前回調査から63万戸増えて820万戸に。
解体費用などを助成する自治体も増えてきたが、更地にすると固定資産税が重くなる。
★多くの分野で労働生産性が低い。
なぜこのような状態になってしまったのか・
抜本的に改善する方法はあるのか。
「稼ぐ力」
今後、成長戦略についてもさらに「成長」させる必要がある。
★科学界の欺瞞と虚偽を鋭く抉った「背信の科学者たち」(講談社)
ガリレオやニュートン、メンデルさえ自説に合うようデータを改変したそうだ。
野口英世は、その論文の多くが、独善に導かれた錯謬とさえ断定している。
★勇気があるかないかで180度人生は変わってしまう。
★君が抱いた希望を導き手として進むのだ―ダンテ
★自身を変えるには、勇気ある行動と堅固な信念が必要。