小泉政権下(2001年~2006年)の構造改革の結果として、さまざまな社会問題が表面化している。
安全性より経済性を優先し、労働者のことより大企業を優先した当然の結果といえるだろう。
よくよく考えると短絡的な規制緩和は、結局、規制強化に繋がるとともにコストは余計にかかるのである。
「改革が成功した」だとか、「小泉人気は相変わらず凄い」など、マスコミは何時になったら、こういった負の結果を認め、軌道修正するのだろうか。
一番の被害者である20~30代の若者が相変わらず小泉を支持しているのもマスコミの影響によるところが大であろう。
それにしても安倍総理の「美しい国、日本」を叫ぶ姿が痛々しい。
耐震偽装問題(2005年)
→ 阪神震災で多くのビルが倒壊し、建築確認の強化が行われるべきとこ
ろを、 逆に規制緩和(建築確認 機関の民営化)したことにより起こった
偽装事件である。
事件の背景には、バブル崩壊後の不良債権の処理を急いだことにある
と、経済コラムマガジンの管理人さんもおっしゃっているとおりだと思う。
生き残りをかけてマンション建設に参入した、地方の建設業者が事件
の主役である。
偽装牛肉・偽装表示問題(2002年、2007年)
→ 不良債権の処理を急ぐあまりに、より厳しくなったデフレ経済。これに追
い打ちをかけるようにBSE騒動が起きた。
雪印食品はもとより、日本ハムといったトップメーカーでさえもが、偽装
を行い、補助金をだまし取ろうとした悲しい事件であった。 これも企業が
生き残りを賭けた偽装事件だった。 もちろん、このころ「ミートホープ
社」はどこ吹く風で絶好調だったのだろう。
また最近、大阪において「中国米」「屑米」をブランド米として袋詰めす
る女社長も登場した。
偽装請負・派遣(2004年~)
→ 日本経団連が「規制改革委員会」「経済財政諮問会議」を活用して推進
を図った若年労働力の商品化施策。
この結末が偽装請負・派遣である。 御用学者「八代尚宏」などは、国際
競争力を理由に派遣・請負制度を是認する前に、円高を阻止するよう
な規制緩和を推進しなければならないのに、日本経団連に肩入れし、
安易なリストラ、日雇い派遣の活用を推進した。
全国初の「PFI方式」刑務所開所(2007年5月地元の山口県美祢市で!)
→ 仕事を奪われ犯罪を犯す人が激増し、刑務所が足りない状況がある。。
一方で、工業団地を造成し工場誘致をするものの、円高と構造改革不
況に泣く自治体が地元にある。
こうしたことが全国初の民間ノウハウを活用した刑務所の誕生となっ
てしまった。
罪を犯して刑務所に入った方が良いと考える者が如何に多いことか。
治安は悪くなる一方で、警察法の改正や警察官の増員も必要となっ
てきている。
経済性を優先した為に起きた各種事故
◆大阪万博公園ジェットコースター事故(2006年5月)
理由はただ単に利益を優先したから!
◆シンドラー社エレベータ事故(2006年06月)
行政や公共機関の施設に多いシンドラー社エレベータは「安かろう悪か
ろう」の典型ではないのか。行政は性能より価格を優先した入札を
求められていることが問題。
橋梁やトンネルも、価格を優先した入札により、実は危険が一杯なので
はないか!
◆JR尼崎脱線事故(2005年4月)
安全より利益を優先したことは間違いないだろう。過密ダイヤで儲ける
ためにはカーブでも減速は出来ないのだろう。
過疎地の赤字を都市部の利益で埋めるため、過密ダイヤは醜く なった
のだろう。
◆埼玉市営大井プール事故(2006年7月)
財政再建を求められる自治体は多くの施設を「指定管理者制度」等によ
り民間委託する例が多くなっている。
この事故も、価格を優先した入札により、「安かろう悪かろう」の管理と
なった結果と言えよう。
当該事故を引き起こした業者は、委託の委託、つまり再委託をしていた
のである。