「小さな政府(小泉構造改革)」=格差社会

格差問題を中心とした考察 ※コメント、トラックバックは受け付けません

総理大臣になって欲しい政治家~「麻生太郎氏」~ その2

2007年07月10日 | 麻生太郎

麻生氏が説明するマクロ経済学は、リチャード・クー氏「デフレとバランスシート不況の経済学」と同様であるが「合成の誤謬」の説明などは、麻生氏独特の表現方法である。

総理大臣になって、こういった語り口で国民に語りかけていただきたいものである。


麻生太郎オフィシャルウェブサイトの論文
(2007年3月号『資産デフレ不況(二)』)
より引用すると  

◆企業が金を借りず、返済を優先する。これを経済界の用語では「利益
   の最大化をはからず、債務の最小化をはかる」といいます。つまり企
   業は貸出し金利が限りなくゼロに近いくらいに低くても、銀行から金を

   借りて設備投資をしない。利益が出たら、これまでの借入金の返済
   を優先させたということです。結果、何が起こったか。壮大な「合成の
   誤謬」
が発生しました。

合成の誤謬・・・あまり聞き慣れない言葉だと存じます。
   簡単に言えば、よいことだからといって、皆で一斉にやったら、結果
   は必ずしもよいことにはならないという意味です。

   麻生太郎が酒も煙草もゴルフも選挙もヤメタとします。医者もほめる
    し私の体も喜ぶ。妻も赤飯炊いて喜ぶでしょう。
    しかし同じことを日本人が全員でやったらどうなるか。

   全国の酒屋、煙草屋、ゴルフ場、飲み屋、歓楽街が軒並みツブレル
   ことは確実で、失業者は溢れ、結果として不況になる。一人でやる
   ことは問題なくよいことでも、1億2千万人が一斉にやったら大問題
   です。

◆企業が借入金を銀行に返済するのは当然ですが、全企業が一斉に
   借入れより返済を優先
したら、まず金融業は成り立たなくなる。借り
   手の主たる企業が金を借りず、預金する個人が今まで通りだったら、

   銀行商売は成り立ちません。企業の借入金返済が年間20兆も25
   兆円も行われ、個人預金が5兆も10兆も入ってきたら、その25兆か
   ら35兆円がデフレ圧力となるわけです。そうなれば30兆円前後の

   金を借りてくれる人がいなければ、デフレによる大恐慌になります。
   1920年代末にアメリカで起きた大恐慌も、昭和初期の高橋是清蔵
   相下の大不況もデフレ下の不況だったんです。

◆ 今回の場合は、政府がその30兆円の金を国債として借りて来られ
    たから、日本の不況はこの程度で済み、GDPもこれだけのデフレ不
    況下で500兆円を維持できました。

マスコミが何と言おうと、国債で民間資金を年間30兆円吸い上げ続
    けたのは正しい選択だった・・・と後世の経済学者は書くと思います
    が、今現在、こんな異論を言っているのは私の他はあまり知りませ 
    ん。

◆ 今の経済状況は極めて難しいハンドル操作を求められているので
    す。
    安易に財政再建を優先させて、国債の借入れを単純に減額すれば
    景気上昇が持続するなんて単純な話ではないことを「異論」として申
     し上げます。