能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

ジャパンテント in 舳倉島 2日目

2009年08月20日 | エコツアー能登
翌日は野外授業。舳倉島の自然観察や暮らしなど総合的な環境を学びました。

当代一流の権威の先生から現地で野外調査の実際をお聞きすることができるとはなんというぜいたくでしょう!
楽しく学ぶ。これはまさに私が目指しているエコツアーの舳倉島版ともいえ、その点でもたいへんよい経験でした。

舳倉島は能登沖50キロに浮かぶ離島です。
海の浸食で海岸段丘となった周囲5キロ・最高地点14メートル余の
平らで小さな島に百人が暮らしています。
溶岩の島ですが、井戸が掘れるほど水が確保できたところです。

島の西は海食崖の荒磯で風が強いので人が住んでいません。

集落は東側に集中していますが、冬は強風のため半分の人が島を離れて
輪島に移ってしまうという特異な共同体です。

生業の中心の海女は高齢化が進んでいますが、最高齢92歳の方を筆頭にみなさんお元気。鍛え方が違うんでしょう。


資源管理は共同体で決めています。撒き餌を禁止し、漁期を設定し、小さなものは海に戻します。
島の移動手段は徒歩と三輪自転車のみ。車は診療所の一台だけです(そのかわり各家で船を所有しています)。
灯台の灯りも渡り鳥の時期は光度を落として鳥の激突死を減らします。
使い終わった漁具の縄を屋根に敷いて重しに使っています。

小さくて有限な島の環境で人が持続可能に暮らすための自主的な決めごとです。
和製マーメイド「海女」が暮らしてきた離島の文化風土は今、再評価され注目を集めています。

診療所の先生は「お金は全然使わないけれど不自由は感じません。村の方との語らいも多く充実していますよ」
とおっしゃっていました。自給と物々交換の部分が今でも多いのでしょう。島民は全員知り合い同士です。

一日一便の連絡船の入出港が島全体の生活リズムになっている他はゆっくりとした時間が流れていました。
留学生たちの心にもこの体験は深く刻み込まれたことでしょう。

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