~前回までのあらすじ~
めでたく石臼を手に入れ、様々な人の知恵と技術を借り、実用レベルまで修復することに成功した農園一行。
ところが、金属製の手回し粉ひき機に比べて格段に向上した製粉能力に、粉ふるいのスピードが追いつかなくなり製粉効率は頭打ちに。
果たして、粉ふるい器の自作へと新たな挑戦をはじめるのだった…。
篩い部分を作って
篩いをスライドさせるレールをつけてみました
~~ここから今回~~~
なんか前回の写真からいきなり制作が進んでますが、水洗いする時のことや、作りやすさなどもろもろ考えて、内箱、外箱セパレートタイプにしてみました。
内箱の壁がそのまま篩いをスライドさせるレールになっています。
あと、篩った粉を容器に移す際にやりやすいように、内箱に坂を作って、中央に竹で粉受けをつけてみました。
設置するとこんな感じです
仮り組みをして、うちにあったフラワー粉で試しに篩ってみると…
おおっ!!これはすごい!!
今までのすべての篩い作業を過去のものにする、異次元のスーパー粉ふるいスピード!!
ちなみに、基本的な構造は、ご先祖様がつくった昔ながらの粉ふるい器を思い出しながら作っています。
上の写真は3月に蕎麦の石臼挽き作業を見せてもらいに行ったときのものです。
さて、おおむねこの方向で良さそうなので、いろいろ改良を加えつつ本組みに取り掛かります
写真が粉ふるい器一式です。
篩網、外箱、内箱、粉受けのそれぞれがバラバラになります。洗う時にもとっても便利です。
外箱の右の余った板のスペースは、手回しユニットの取り付け予定地です。
竹で作った粉受けは趣があってよかったのですが、竹の厚みでやたらと場所をとるわりには、受けられる粉の容量が少ないので自作することにしました。
また、それによって坂の高さをぐっと低くすることができたために、一度に篩える粉の量がだいぶ増えました。
内箱をはめて
粉受けをセットして
篩いを載せて準備完了!
早速石臼で挽いた粉を篩ってみます
おおーとれたとれた
右から
左から粉を落として
粉受けからダイレクトに容器へ。やったー!!
さらに外箱と内箱の間、篩いのスライド部分にロウをぬると、摩擦が低減し、信じられないくらい動きがスムーズに!なんだこりゃ!ロウすげー!!
さて、今回おおいに活躍してくれたのが、この三角形の角材です。
というのも、微粒子である粉を扱う箱を作るというのは、なかなかに精度を要することで、
自分の技量では、機械で裁断でもしないかぎり、いろんなところから粉が逃げてしまうのです。
また、四隅や壁際に溜まってしまう粉を楽に掃き出すための構造もどうしようかと思っていたところ、ホームセンターでこの角材を発見!
このように
壁際という壁際に張り巡らせます。
すると超精密に作らなくとも、かなり粉が言うことを聞いてくれるようになります。
…というか、この角材の存在をはじめから知っていれば、もっと全体的にシンプルに作れたかもしれません。
2代目以降に期待です。
ちなみに内箱の坂の終わりの部分にも、粉受けの外側に粉が逃げないような工夫がされております。
粉受けに溝があるので、すすっとはめ込みます。
粉の出口。多少めんどうでも、丸い穴にした方が断然粉の通りが良くなります。
あとは粉の触れる部分に天然塗料を塗って軽く磨いて、滑りをよくして、ひとまずは完成です!
この時点で、もうすでに今度は石臼の製粉スピードをはるかに上回る篩いスピードになったので、手回し機構はしばらく後回しです。
さて、ようやく収穫した小麦を実用レベルで製粉する設備が整いました。
やっとここまできたけど、またこれから忙しくなるぞー!!
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