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路は桃源に入りて深くして更に深し♪

歌舞伎『ワンピース』を観劇する☆

2016-03-30 01:53:12 | お芝居
先だてのメモ…ろくなもんじゃないですね。

スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)『ワンピース』
2016.3.16@松竹座

かねがね坂東さんちの巳之助くんをね、観たいな~~~と思ってて。
でも、経済的にも時間的にも精神的にもちょっと余裕がなくて、3月に入っても行こうかウダウダ迷ってたんですけど。
ある日、唯一行ける回のチケットが、しかも最前列が、ポロッと1枚だけ販売されてたので、これはもうおまい行っとけや☆って歌舞伎の神様の思し召しかと思い、
サクッとお買い上げて行って参りました~。
や~、神様の思し召し、さすが☆
行って良かった♪大いに楽しませて頂きました♪♪

そもそもののてぃはですね、原作(漫画ならびにアニメ)をほとんど知らない人間でして。
ジャンプで連載が始まった当初、弟が購読してたもんで便乗拝読はしてたんですけど。
確か、ゾロとかナミとかが出てきた辺りで弟がジャンプ本誌を徐々に買わなくなっちゃって、そのままののてぃもフェイドアウトしたんですよにー。
だもんで、初期も初期で知識止まっちゃってまして。
以前、團ちゃんが主題歌(&チョロっと声優)を務めはった映画を観に行ったりはしたので、なんとなく主要キャラの名前とビジュアルは知ってたものの、
今回出てきてた登場人物の大半は(麦わら海賊団&シャンクスさんを辛うじて除く)存じ上げないままの観劇でしたの。

でもね!そんなののてぃでもね!
それぞれのキャラクター及びバックボーンがざっくり掴めて、概ね話の流れについてけちゃう安心親切設計☆な脚本と、
魅力的な役者さん達による魅力的な役作り&すこぶる真摯な姿勢で取り組まれる演技や立ち廻り☆のおかげで、
ワーワーキャッキャッと楽しめちゃう、とっても素敵エンターテイメントだったのですよ♪♪
まぁもともと、ああいう少年漫画ノリ、嫌いじゃないですしね☆
「夢!冒険!友情!!」みたいなね(^ー^* )フフ♪
そういう世界観にウルっと来ちゃえる感覚、いつまでも失くしたくないなーと思いますし、まだちゃんと自分の中にその感覚が残ってるって確認できたのも嬉しかったです♪


やーもうとりあえず、何が素晴らしいって役者さん達ですよね!
主人公ルフィを演じる猿之助さん。
これまで『ベニスの商人』くらいでしかまともに拝見したことないので、彼の"ニン"が一体どういうものなのかほとんど存じ上げないのですが、
きっとルフィ的なキャラクターは、ご自分の中にはあまりお持ちじゃないのではないでしょうか。
にも関わらず、ちゃんと真っ直ぐで快活な少年してらして素晴らしい☆
ルフィにゾッコン惚れ込むハンコックという女王さま?役も兼任してらして、二人が一緒の場面は早替わりで両方を演じはるのですが、これも凄かった!
よくもまぁあれだけの段取り、忘れずできるもんですね!途中で間違って違うキャラでポロっと表出ちゃったりしないんですかね??
悠仁くんの作った軽快なポップスの流れる中、ジャニィズもビックリのアイドルテイストな宙乗りも披露。
思わず全力で手振っちゃったよね。あれののてぃこんなに猿之助さん好きだったっけか?とか思いながら。

お目当ての巳之助くん。
去年の東京公演の際、彼がエライ褒めちぎられてるのをチラホラ目にしていたのですが、なるほど納得。
あれだけの役への没頭ブリ、そりゃ評判も上がるわ。
演じてはったのは、ゾロ・ボンクレー・スクアードの3役。
ののてぃ、どのキャラクターもロクに知らない(というかゾロさん以外一切見たことない…)まま観てましたけど、あぁきっとこのまんまなんやろなーと。
なんか、無条件にそう信頼できちゃう迫真の演技っぷりでねー。
特にボンちゃん役!あのエキセントリックなキャラクターに全く無理が感じられないってスゲーなと。
二幕ラストでたった一人花道に残り、オカマ道の何たるかを叫びもって踏みしめる孤独と強さに満ちた六方なんてきっと、巳之助くんにしか出来ない表現ではないでせうか。
喋り方なんかも、アニメとそっくりなんだそうで。
あの発声、相当のどに負担かかりそうなんですけど(ご本人いわくそうでもないとか)、ここまで枯らすこともなく持続されてて素晴らしい。
スクアードとか、アレ(主に頭頂部)よく見るとたいがいなビジュアルやと思うんですが、苦悩する姿が不思議なくらい切なカッコイイおっちゃんに仕上がってましたし。
ゾロはもう、原作に1ミリも違わぬ男前☆
立ち廻りの前に手ぬぐいをじっくり頭に巻くシーン、巳之助くんが自ら提案されたそうですが、まさしくゾロ!って感じでした。
元々原作のファンでそれぞれのキャラの特徴をよく掴んでるにしたって、それをそのまま演技に投影できるポテンシャルに心底感心しちゃいますた☆

今回初めて舞台に立ってらっしゃるのを拝見した尾上さんちの右近くん。
彼、いいですね!!(今更言うてみた)
ののてぃが勝手に想像してたより、ずっと柔軟で魅力的な役者さんやったよ。(なんかごめんね)
サディちゃんをノリノリで演じてる感じも良かったし、あの女方仕様の声がとても素敵☆
一方マルコを演じてる時はちゃんと男前で、これまた素敵☆
どっちに振れても器用に演じてはるのが印象的でした。
古典での演技もぜひ拝見してみたい☆
ちなみにどうでもええけど、公式HPの出演者のとこ、役名にちゃんと「ちゃん」まで付いててわろた。

市川さんちの右近さんも貫録あってカッチョ良かったなー☆☆
白ひげのキャラクターに説得力を持たせる重厚な演技に泣けた!あまりにもええ父ちゃんっぷりに泣けた!
若手中心の座組の中、やはり格上の存在感を放ってはりました。

ゾロ大好きサンジくん、改め巳之助大好き隼人くん。
無駄に男前でイチイチかっこいいのがいっそ腹立たしいくらいでした。
お水いっぱいかけてくれてどうもありがとう☆( ̄∀ ̄#)
目が合った瞬間のキミのニヤリ顔、忘れないよ。

外部からの出演陣も素敵な方達ばかりでね~。
『ヒストリーボーイズ』以来の浅野さん。
彼のことなので、歌舞伎の舞台でも何かしらやらかしてくれるだろうと期待してはいたのですが。
イワンコフの、あまりに衝撃的なイデタチでのご登場に、今芝居中いっちゃん爆笑してしまいました。
途中、よく分からないアドリブでイナズマ隼人丈を戸惑わせるサマは流石でしたし。
もう一つの役、センゴクではそれはそれは憎々しいキャラクターを好演されてましたし。
なんかもう色んな意味でブラボー!って感じ。
ルフィの宙乗りタイムではニコニコでハイタッチもしてくれたし、大好きだ浅野さん♪

エースを演じた平岳大さん。
何でしょう、見た感じはめっちゃかっこえーし、いかにもヒーロー然としてるんですけど。
ポジション的には悲劇のヒロインそのものやったような。。。
エースってそんな人?ののてぃの捉え方合ってます??
ちょっと真田丸で演じてらした勝頼様を彷彿とさせる感じもあって。
なんか、ヘナチョコののてぃでも全力で守ってあげたくなりました!
んー弱った男前って良いよね。。。(o´д`o)

その他の役者さんも、それぞれの役ドコロをめいいっぱい演じてらして、素敵やったなー☆
そうそう、役名忘れちゃったんやけど、猿之助さんと右近くん以外にもう一人、宙乗りされてた方!
あの方の宙乗りアクション、超カッチョ良かった☆


役者さん達の頑張りもさることながら、舞台演出も素晴らしかったのです☆
とにかくド派手でアトラクティブ♪♪
宙乗りあり!ダンスショータイムあり!銀テに紙吹雪に炎にスモーク、色んなものが降り注いでまぁ盛り上がること!
特に二幕の本水演出は見物でしたねぇ!
ってかののてぃ、本水あるよって情報はチラッとどこぞで見かけてたんですけど、すっかり忘れてて。
全然心の準備できてなかったので、サプライズ感もヒトシオでしたわ。
お席に着いたら、椅子の上にでっかいビニール袋とカッパとビニールシートが置いてあって、思わず「まぢか…」と呟いてしまいました。
だってそのあまりに周到な水避け道具一式と来たら。。。
でも実際、それらを用意してくれててほんまに良かったと思いました。
もうね、尋常じゃない水の量やったんですよ!!
松竹座がステージと座席の距離狭いのもあって、バッチャンバッチャン飛んでくるんですよ!!
また役者さん達がわざとに水しぶきを客席に飛ばしてくるもんやからこれ!!
こんな水量屋内で流してええのかと余計な心配したくなるレベルでした。
でもあれ何ででしょうね。。。
水被るのって、めちゃめちゃ楽しいんですよね♪♪(*≧∇≦*)
最初こそアワアワしてましたけど、途中からキャアキャア喜んじゃいました。(だから狙われるんだよ…)
しかも!あれだけの水量の中で華麗な立ち廻りをされる役者さん達のハンパないカッチョ良さよ☆(*´Д`*)
水も滴るイイ男達をあますところなく堪能させて頂きました☆


ぶっちゃけ、歌舞伎要素はそれほどフンダンではなかったと思います。
せやからもしかするとね、真剣に歌舞伎を愛していらっしゃるお兄様お姉様方の中にはね、あないな子供じみた内容の何が面白いねん!?とかね、
何じゃこのチャラチャラしたお祭り騒ぎは!?とかね、これのどこが歌舞伎じゃ!?とかね、思わはった方もいらっしゃるかもですけどね。
でも、今まで全く歌舞伎に触れ合う機会なく生きてきた客層にその魅力の一端を伝えるまたとない機会になったと思うし、
既に片足突っ込んでる人間をズブズブ引きずり込むにも格好の機会になったのではないでせうか☆(身を以て語っています)
もちろん、話題性さえあれば何やってもええってことでは決してないし。(正直ミクちゃんとのコラボはどこ向かっとんねん感ハンパないし…)
歌舞伎と銘打つ以上、最低限守らなければならない約束事やら型やらはあるかと思いますが。
なんぼ伝統芸能や言うても、演じる役者さんはあくまで現代人。
しかもせっかく才能もアイデアも豊かな方達がたくさんいらっしゃるのに、何百年も前の人の感性で作られた作品のみをただ頑なに守るだけではモッタイナイ!
古典は古典として大事に守って頂く一方、その時代時代の息吹を取り入れた演目もどんどん創作してってほしいな~と思ったりする訳です。
風通し良く、様々な世界と活発に交流・刺激し合うことで、そのうち遠い未来まで愛される新しい古典も生まれちゃったりするのではないかと。

そして、そういった作品においては観客の楽しみ方もまた変わって良いのではないかと思います。
巳之助くんが「音楽と人」での対談で話してはったんですけど。
(ワンピースの歌舞伎化について「大丈夫なの?意外と寛容なのね歌舞伎界」的なことを問われたのに対し)
歌舞伎に対して伝統を守ってほしいとか崇高なものであってほしいと望むのは専らお客さんで、歌舞伎界には実はあまりこだわりはないのだとか。
なるほどなぁ~と思いました。
今回の舞台も、劇中ポップスが流れ、お客さんが総立ちで手拍子&役者さん達とハイタッチ、日頃は聞かれない女性による大向う(というか呼びかけ?)がかかったり、
通常の歌舞伎とはかなり趣きの異なったノリに、きっと眉を顰める方も一部いらっしゃるんだろうなぁと思ったのですが。
でも、間違いなく会場は盛り上がっていたし、大半の観客が楽しんでたと思います。
もちろん、明らか他人の迷惑になる行為は慎むべきやし、シチュエーションを考えて楽しみ方を柔軟に変える姿勢や気遣いは必須だと思いますけど。
あんなことしちゃいけないこんなことしちゃいけないこうやって観るのが正しい!と観客が頭ごなしに否定してしまうのは、ずい分損な話ではないかと。
伝統に固執するあまり、そこから少しでも逸脱するものは許せない認められないというのでは、「今」の歌舞伎を楽しむ機会を逃してしまう。
少々のイレギュラーには目をつむり、ゆったりと構えて楽しむ姿勢を忘れない。
(もし今後末永く歌舞伎愛が続くとして)そういう観客に、ののてぃはなりたい。BYなんちゃって賢治
歌舞伎の歌の字をようやく齧ったばかりのヒヨッコが、生意気にもそんなことを考えたりしました。
え~~~でもだってぇ~~~歌舞伎も歌舞伎役者も千代に八千代に人気モノであってほしいんやも~~~ん【*・з・】*・з・】*・з・】

なにはともあれ。
そもそもは、「カッコイイ」「楽しい」「新しい」が歌舞伎の成り立ちだったはず。
そういう意味で、今回のワンピース歌舞伎は全くもって見事にかぶいてたと思います☆

あ~~~博多行きたい!!!←出た恒例の


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