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『フリーター、家を買う』

2010-11-12 | つんどく本 〆(.. )
フリーター、家を買う。


久しぶりに本のおはなし。


書評というのは、読んだ人それぞれの自由であるし
感じるところは、みんなそれぞれでいいと思う。

しかし、この本。
Amazonの評価がてんでばらばら。すごいなぁ。


ニノが主演でドラマをやっていますね。これが原作。
ドラマが面白そうだなー、見ようかなーとか思っているときに
本屋さんで偶然発見した原作。

知らなかったんだけど、最近いろいろ読んでいる有川浩さんの本、ということで
思わず(単行本なのに!)買っちゃった本でした。


ドラマを見ている人は分かるかもしれないけれど、
ストーリーは、意外と暗い。

25歳。そこそこの人生を送って、そこそこの私大を卒業し、そこそこの会社に就職。
だけど、会社の雰囲気に馴染めず、3ヶ月で退社。
就職活動も本格的にせずに、ふらふら。父親との諍いも絶えない毎日が続く。
そんな折、母親が重度の鬱病にかかってしまう。
父親は、その病気を受け入れられず、心が弱いからだと責め立てる。
主人公は、なんとかしなければと奮闘し、家族の再生に向かって立ち上がる。


今週のドラマを見ると、まぁ、また何だか新たなストーリーが展開されそうな予感。
だけど、小説はまったく話が違います。もうちょっと単純。そして良い子。


そう、単純なだけに、最後の方は物足りない気はするけれど、
この方が書くストーリー展開や言葉の選び方が好きだから、私は良いと思う。

他の人の書評に「リアルじゃない」と書かれているものが多かったけど
小説って、どこまでリアルを求めればいいんだろうねぇ。

鬱病とか精神疾患をもつ患者、それを取り巻く家族。
そういったものをテーマにすることは、理解を広く持たせるためにも重要な意味合いがある。
だからこそ、「おはなし」の仲だからと言って、間違ったことを書いてはいけない。
そうは言っても、果たして本当にその「リアル」を小説の中にしっかり入れたら、
どれだけの人が、受け止められるのだろう。
娯楽小説としての位置づけであるのなら、間違った知識を植え付けない程度なら
多少、非リアルでもいいんじゃないかと思ってしまう。
小説を読む人というのは、そこを暗黙知で理解して、受け止めるはずなんだから。
リアルばかりを望むなら、ノンフィクションを読めばいい。

小説を読むことで「現実」から離れることができる。
それが楽しくて読んでる人もいるわけで。
ファンタジーまで突拍子なく離れていなくても
プチリアル、そこら辺で起こりそうで起きない出来事、そんなテーマが小説の醍醐味じゃないか。


まぁ、逆に言えば、その暗黙知がないと、小説や漫画に書かれていることを鵜呑みにして
いろんな誤解を生じさせてしまうということもあるのかもしれないよね。

恋愛ゲーム、とかさ(笑)
いや、別に自由ですけど。


次は「ストーリー・セラー」を読もうと思います。
あとこの前、川端康成の「伊豆の踊子」を読みました。
文豪の書く文章というのは、、、正直、読みにくいっすよね。
えぇ、れっきとした文学部卒ですけどなにか?

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