仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

グッドナイト&グッドラック

2021年10月09日 | ムービー
『グッドナイト&グッドラック(原題Good Night, and Good Luck.)』(2005年/ジョージ・クルーニー監督/アメリカ・フランス・イギリス・日本)を見た。
物語は、「第二次世界戦争が終わり、東西冷戦の時代。アメリカでは、ジョセフ・マッカーシー上院議員が中心になって推し進める"マッカーシズム"(赤狩り)が市民の生活を脅かしていた。法的な手続きを無視して共産主義者の排除を推し進めようとするだけでなく、自分の意にそぐわない者も攻撃するマッカーシー上院議員。しかし、誰もが自分も標的にされることを恐れ、マッカーシーの手法を公式に批判することはないのだった。そのような風潮の中、CBSテレビのエドワード・R・マロー(デヴィッド・ストラザーン)、フレッド・フレンドリー(ジョージ・クルーニー)、ジョー・ワーシュバ(ロバート・ダウニー・Jr)、シャーリー・ワーシュバ(パトリシア・クラークソン)らのチームは、火曜夜のテレビ番組 "See it Now"で、マッカーシズムと対決していくのだが・・・」という内容。
議員との対決姿勢を鮮明にしたのは1953年、デトロイトの地元新聞の「ミシガン州空軍予備役マイロ・ラドゥロヴィッチ中尉が、父親と妹が共産主義者だという告発を元に除隊勧告を受けたことに対し異議を申し立てた」という小さな記事を取り上げたことと、1954年に放映された『See it Now / A Report on Senator Joseph McCarthy(ジョセフ・マッカーシー上院議員についてのレポート)』という特別番組で、放送前や放送後の局内における様々なやり取りが面白い。
本作品はドキュメンタリードラマなのだそうで、作品中に登場するマッカーシー上院議員や議会の様子は、1950年代の実際の映像が使われているのだが、古い画像ではあるものの、作品自体がモノクロ作品なので違和感なく見られてしまう。
登場人物達が手から煙草を離さず、室内を始終煙が漂っている様子も、時代を感じさせる雰囲気だ。
(^_^)
全体的にヘビーな展開の中で、ワーシュバ夫妻が登場する場面が幾分息抜き的なエピソードであるのだが、自由の国であるはずのアメリカの大手マスメディアが社内結婚を禁止し、人員削減の際には二人に自発的な退職を促すというのもなかなかに興味深い展開だった。


トロピック・サンダー / 史上最低の作戦

2018年04月05日 | ムービー
『トロピック・サンダー/史上最低の作戦(原題Tropic Thunder)』(2008年/ベン・スティラー監督/アメリカ・イギリス・ドイツ)を見た。
物語は、「シリーズ作品"スコーチャー"に主演して人気だったものの第6作が不評だったタグ・スピードマン(ベン・スティラー)、1人6役を演じたコメディ作品"ファッティーズ"で人気を博したジェフ・ポートノイ(ジャック・ブラック)、5度のオスカーに輝くカーク・ラザラス(ロバート・ダウニー・Jr)らが出演する新作映画は、ジョン・テイバック(フォーリーフ/ニック・ノルティ)原作の、ベトナム戦争における人質救出作戦を描いた作品だったが、400万ドルをかけたシーンでカメラを回すことができず、撮影開始後5日目にして制作は早くも1か月遅れ。イギリスの新人監督デミアン・コックバーン(スティーヴ・クーガン)は、個性が豊かすぎる俳優達に指示することができず、プロデューサーのレス・グロスマン(トム・クルーズ)に指示された大道具係の男に殴られる始末で・・・」という内容。
追い詰められた監督はフォーリーフの提案通り、俳優達をヘリコプターでジャングルに運び、あらゆる場所に設置したビデオカメラで隠し撮りしようとするのだが、これが大誤算で、かつてフランス軍が設置したらしい地雷を踏んで爆死してしまう。
ところがタグは、これを特殊撮影による演出だと信じて疑わないのだから困ったものだ。
目の前で人間が木っ端みじんに吹っ飛んだのだから分かりそうなものなのに。
(^_^;)
顔を変えてまで役柄になり切ろうとするカークのほうが、まともな感覚の持ち主だったようで、タグはどんどんと深みにはまっていく。
人間というのは、焦ると正確な判断ができなくなってしまうものなのだろう。
ただ、レスに限っては、焦ってるわけでもなく、極めて打算的な思考をしてしまうので、ビジネスマンとしてではなく、人間として正確な判断ができない人のようだった。
「テロリストと取引はしない」というのには大賛成だが、かなり残念な人間のようだ。
もし、現実社会にレスのような人がいたりすると大変だ。

オンリー・ユー

2016年08月16日 | ムービー
『オンリー・ユー(原題Only You)』(1994年/ノーマン・ジュイソン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「小学校の教諭をしているフェイス・コルヴァッチ(マリサ・トメイ)は、幼い頃に兄ラリー(フィッシャー・スティーヴンス)と遊んだ占い盤で名前が示された"デイモン・ブラッドリー"を運命の人と信じていたが、大人になっても目の前にその彼が現れることはなく、足専門の医者ドウェイン(ジョン・ベンジャミン・ヒッキー)と婚約をした。しかし、結婚式まで10日と迫った日、転送されたドウェイン宛ての電話を取ると、相手は"デイモン・ブラッドリー"と名乗る男だった。これから飛行機でイタリアへ向かうと言うその"運命の男"に一目会うため、試着していたウェディングドレスを着たまま空港へと向かうフェイスだったが・・・」という内容。
寸での差で間に合わなかったフェイスは、搭乗を終了して滑走路に向かっている飛行機に何としてでも乗せてもらおうと粘るが、空港職員は絶対に彼女から目を離さず、警備員をも呼んであらぬ行動をとらないよう厳重に監視するが、これは当然の行為だ。
さて、先日(2016年8月5日)、新千歳空港国内線で「保安検査場で乗客の女性が金属探知機を通らずに搭乗待合室に立ち入った。出発前の旅客約1,000人の保安検査をやり直すことになった」という事件があったのだが、詳細は「女性が検査場でスマートフォンの画面上に表示されたチケットを端末機器にかざした際、バーコードが読み取られなかったので、職員が"少々お待ちください"とその場を離れた隙に、その女性が金属探知機の脇を通っていなくなった」ということだったらしく、運航が再開されるまでに計11便以上が欠航し、159便に最大で約3時間の遅れが生じたとのことだったらしい。
世界中でこれだけテロ事件が騒がれているこの現代社会で、この空港職員のあまりに危機意識を持ち合わせないこの対応はおそまつ過ぎる。
この映画でも見て勉強してもらいたいものである。
(^。^)
ベニスに到着したフェイスと兄嫁ケイト(ボニー・ハント)は、自分が"デイモン・ブラッドリー"だと名乗る男(ロバート・ダウニー・Jr)と出会えるものの、恋に盲目のあまりいろいろ付け込まれてしまう。
のめりこむのもほどほどにした方が良さそうだ。
(^_^;)

アイアンマン3

2014年10月30日 | 映画サークル
ましけ映画サークル10月例会(2014年10月28日)は、小○企画の『アイアンマン3(原題Iron Man 3)』(2013年/シェーン・ブラック監督/アメリカ)だった。
2009(平成21)年4月例会の長○見企画で『アイアンマン(原題IronMan)』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)を見ているし、2012(平成24)年5月の長○見企画でも『アイアンマン2(原題Iron Man 2)』(2010年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)を見ているので、これで(現在のところは)シリーズ完全制覇である。
(^_^)
物語は、「1999年の大晦日。トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、彼の大ファンだというAIMのアルドリッチ・キリアン(ガイ・ピアース)から研究所への勧誘を受け、話を聞く約束をしたものの、植物学者マヤ・ハンセン(レベッカ・ホール)と過ごしていて、彼との約束をすっぽかしてしまった。それから14年。自分の会社は恋人のヴァージニア・ペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロー)にまかせきりで新型アーマーの開発に没頭していたトニーは、友人のハロルド・ハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー)がマンダリン(ベン・キングズレー)率いる"テン・リングス"というテロリストの活動に巻き込まれてしまったことをキッカケに、"いつでも受けて立つ"と、マスコミを通じて自宅の住所を公表してしまい・・・」という内容。
要塞に住んでいるわけではないのだから、いくら天下無敵のアイアンマンとはいえ、テロリストに自宅の住所を教えてしまってはダメだろう・・・。
(^_^;)
この映画の中で起きる戦いの半分くらいは、トニーが自ら招いた自業自得の災難なような気がして、周囲の人達が可哀想に思えてくるくらいだ。
前作『アイアンマン2』と本作の間に『アベンジャーズ(原題Marvel's The Avengers)』(2012年/ジョス・ウィードン監督)という作品があるが、作品世界の時系列ではその物語もきちんと踏まえているらしく、劇中の台詞に話が出てくる。
そして、『アイアンマン』のシリーズは一応この第3作目で完結らしいが、予定されている『アベンジャーズ』の続編には再び主要キャラとしてトニー・スタークが登場するようなので、正確には完結とはいえないのだろう。
主人公は結構な年齢なのだが、何だかずっと続きそうな物語だ。
(^。^)


アイアンマン 2

2012年05月31日 | 映画サークル
2012年5月29日(火)に開催されたましけ映画サークル5月例会は、長○見企画『アイアンマン2(原題Iron Man 2)』(2010年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)だった。
物語は、「アイアンマンの正体が自身であることを記者会見で認めたアンソニー・トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。物理学者イヴァン・ヴァンコ(ミッキー・ローク)は、その様子をテレビ中継で見ながら惨めな姿で亡くなった父の恨みを晴らしスターク家に復讐するため、スタークが開発したアーク・リアクターを模倣して武器を作った。一方、会社の経営権を秘書のヴァージニア・ペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロー)に譲ったスタークは・・・」という内容。
これは『アイアンマン』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)の続編で、前作は"ましけ映画サークル"の栄えある【仁左衛門賞/2009年・灰色のモアイ像】を受賞した傑作だった。
(^_^)
しかし、「続編は第1作を超えられない」とはよく言ったもので、この作品も前作の楽しさにはマッタク及ばなかった。
前作は40歳代のヒーローにも関わらず何か格好良さを感じた展開があったのだが、今回は見ていてほとんどワクワク感を感じない物語だった。
一番格好良かった登場人物はナタリー・ラッシュマン(スカーレット・ヨハンソン)という女スパイだったが、主役を凌駕するほどの魅力はなかったので、仮にシリーズ第3作が作られるとしてもおそらくまたガッカリな内容になってしまうのだろう。
ちょっと残念なシリーズ第2弾だった。


仁左衛門賞 / 2009年

2009年12月08日 | 映画サークル
12月2日(水)に今月の例会を行い、2009年の予定を終了した"ましけ映画サークル"だが、いよいよお待ちかね(?)【仁左衛門賞/2009年】の選考である。
まず、今年1年間にかかった映画を振り返ってみると、
【1月/守○企画】『バンテージポイント(原題Vantage Point)』(2008年/ピート・トラヴィス監督/アメリカ)
【2月/仁左衛門企画】『ベロニカは死ぬことにした』(2005年/堀江慶監督/角川)
【3月/小○企画】不明
【4月/長○見企画】『アイアンマン(原題IronMan)』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)
【5月/忠○企画】『ブラッド・シンプル(原題Blood Simple)』(1984年/ジョエル・コーエン監督/アメリカ)
【6月/守○企画】『最高の人生の見つけ方(原題The Bucket List)』(2007年/ロブ・ライナー監督/アメリカ)
【7月/仁左衛門企画】『サイレン』(2006年/堤幸彦監督/東宝)
【8月/長○見企画】『パルプ・フィクション1/2(ハーフ)』(1997年/ボブ・コハー監督/アメリカ)
【9月/中止】
【10月/小○企画】『バンク・ジョブ(原題The Bank Job)』(2008年/ロジャー・ドナルドソン監督/イギリス)
【11月/忠○企画】『ミル・マスカラスの幻の美女とチャンピオン(原題Los Campeones Justicieros)』(1970年/フェデリコ・クリエル・ピキリリョ監督/メキシコ)
【12月/守○企画】『運命を分けたザイル(原題Touching the Void)』(2003年/ケヴィン・マクドナルド監督/イギリス)
といった10本で、この中から第1次選考を行うと・・・。
『バンテージポイント』『アイアンマン』の2作品がノミネートといったところだろうか。
(^_^)
そして栄えある(?)【仁左衛門賞/2009年】は、長○見企画の『アイアンマン(原題IronMan)』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)に決定するのだった!!
おめでとう!!ジョン・ファヴロー監督!!
あなたに【仁左衛門賞/2009年・灰色のモアイ像】をお贈りしよう!!
来たる2010年に公開されるという『アイアンマン2』にも期待するぞ。
主演のロバート・ダウニー・Jrもおめでとう!!
かつての(降板だったという)『アリーmyラブ』は残念だったが、見事な復活だ。
今後も沢山良い作品に出演してほしいものである。
さて、これで今年が5回目となった"仁左衛門賞"は、
【2005年】『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年/ローランド・エメリッヒ監督/アメリカ)=守○企画
【2006年】『ショーシャンクの空に』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)=守○企画
【2007年】『トム・ヤム・クン!』(2005年/プラッチャヤ・ピンゲーオ監督/タイ)=小○企画
【2008年】『地獄のモーテル』(1980年/ケヴィン・コナー監督/アメリカ)=忠○企画
【2009年】『アイアンマン』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)=長○見企画
となり、受賞が無いのは"仁左衛門企画"だけになってしまったのだった・・・。
(^_^;)
来年こそは【仁左衛門賞/2010年】を獲得するぞ!!

アイアンマン

2009年04月24日 | 映画サークル
2009年4月22日(水)開催の"ましけ映画サークル4月例会"は、長○見企画の『アイアンマン(原題IronMan)』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)だった。
物語は、「世間からスーパーセレブとして認知されている巨大軍需企業スターク・インダストリーズ社の社長であり天才科学者でもあるトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、新開発したミサイルのデモンストレーションのためにアフガニスタンへと出掛けたが、横流しされた自社の武器を使うゲリラに攻撃され、拉致されてしまう。重傷を負ったもののインセン博士(ショーン・トーブ)に命を救われ、ゲリラに協力するふりをしながら熱プラズマ反応炉"アーク・リアクター"と、空飛ぶ鉄製の装甲"マーク1"を作り上げたトニーは、ゲリラと戦い、洞窟からの脱出に成功するのだが・・・」という内容。
装甲スーツを着て"アイアンマン"になってしまえば、どんな役者であってもさほど違和感を覚えることはないだろうという考えでもあったのか、ヒーローものにもかかわらず、主役を演じた俳優は40歳代と年齢が高い。
しかし、何か年齢を感じさせない格好良さがあって、この配役は大成功といえるだろう。
秘書のヴァージニア・ポッツ(グウィネス・パルトロー)との関係も良かった。
(^_^)
ひとたびアイアンマンになってしまえば、彼は空をマッハの速度で自由自在に飛ぶことができるし、片手で"カメハメ波"のような攻撃もできる。
アメコミから出てきたヒーローということもあるのだが、物語の展開もスピィーディーなので子供たちに大人気だったことだろう。
これは、"ましけ映画サークル"における長○見企画最大のヒット作だ。
(^_^)

ピックアップ・アーティスト

2006年06月28日 | ムービー
『ピックアップ・アーティスト(原題The Pick-up Artist)』(1987年/ジェームズ・トバック監督/アメリカ)を見た。
日夜ナンパ(ピックアップ)に明け暮れるアメリカ青年の話だが、こういった軽いノリの映画には軽いノリの音楽がピッタリなようで、1980年代っぽい曲がたくさん使われていた。
それほど有名な曲が無かったのは製作予算の関係か、単に自分が知らないだけだったのか。
(^_^;)
20年程前の映画なので、登場人物が着ている服や走っているクルマなどには、やはり時代を感じてしまうが、題材自体は時代が変わっても通じる内容である。
懐かしさを感じながらそこそこ楽しく見たのだが、おそらく当時はマイケル・J・フォックス主演のこういった映画が沢山作られていたのだろうから、監督はきっと何か変化をつけたかったのだろう。
物語は基本的にラブコメなので、ハッピーエンドが原則というか普通の流れでは無いかと思うのだが、この映画は少し違っていた。
終盤に映し出された風景は、何か物悲しさを感じさせるのだ。
主人公ジャック(ロバート・ダウニー・Jr.) の台詞も何か時間の経過を錯覚させるような不安な言葉だったし、映画の開始後5分と終了前5分を比較して考えてみると、自分のドキドキ感、ワクワク感の差は非常に大きく感じた。
また、面白かったのはランディ(モリー・リングウォルド) がジャックに、「私の何が知りたいの?」「私のどこが好きなの?」「なぜ?」「どうして?」と質問攻めにする場面。
ランディは大きな借金を抱える飲んだくれの父と2人暮らしの19歳の女性で、ずっと恋人がいなく、人を好きになるということに理由など無いということをまだ知らない。
素晴らしい映画というわけでは無いが、なかなかポイントをおさえた良い脚本だと思った。