民主の敵
先日、「民主党政権は日本をどう変えるのか(1・2)」を読みまして、民主党研究を始めて、野田佳彦衆議院議員の著書を読んでみました。それがこの「民主の敵・政権交代に大儀あり」新潮新書刊です。
自民党、民主党のこと、公務員制度改革や自衛隊の事などが一通り紹介されていました。
その中から気になったところを何ヶ所か。
自民党という政党は15年前、つまり宮沢内閣の時に消滅していると述べています。その後、様々な政党と連立して、政権を保ちますが、今の自民党はかっての自民党とは違い、変質してしまったと述べています。かっての自民党の強みは安定性だったのですが、ここ数年、小泉内閣を除いて総理大臣がコロコロ変わり、閣僚に至っては一ヶ月持たない例もあります。
あと特別会計の多さというものも、同氏は指摘しています。
話題になった道路特定財源もその一つですが、これ以外にも多数の特別会計が存在します。国の一般会計は約80兆円ですが、特別会計はそれを上回る140兆円と言われています。特別会計の実態はいまいちはっきりしない面もあり、その多くが族議員や官僚の天下り先などの利権に結びついていると言われています。民主党はこれらを一掃して、一般会計化を行うとしています。
しかもこの使われ方はかなり無茶苦茶といえる状況で、本の中にはこんな一節がありました。
かって「塩爺」こと塩川正十郎元財務大臣が「母屋(一般会計)でおかゆをすすりながら、離れ(特別会計)ではすき焼きを喰っている」と表現したことがありますが、言いえて妙です。
(中略 民主党で特別会計を調査した結果)、数々の無駄遣いは、とてもすき焼きレベルではありませんでした。すき焼きは無論食べ放題、しゃぶしゃぶ、ステーキもあって、ビールから焼酎から、ドンペリまで飲み放題といったぐらいのお金の使い方をしていました。
同氏の挙げている一例ですが、「電源開発特別会計」から計上される経済産業省資源エネルギー庁の広報予算のうち、資源エネルギー庁のwebサイトの年間制作費が3億円であるとのことです。経済産業省本体のwebサイトの年間制作費が120万円なので、いかに無駄遣いが多いかと指摘しています。
この本では、問題になった偽メール問題も取り上げていて、当事者として反省すべき点もあり、自身の甘さも痛感していると書いています。これについては深くは触れませんが、これが民主党の未熟さだったと述べています。
またこれから先、民主党が政権を取れるかは分かりませんが、この本の後書きで、日本が政権交代が出来る普通の国になるべきだと述べています。