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nishimino

にしみの鉄道情報局付属ブログ

Blu-rayとHD DVDの両対応の可能性

2005-10-14 | パソコン・周辺機器・携帯電話
何度も書いている次世代大容量光ディスクの規格争いですが、技術的に難しかったBlu-rayとHD DVDの両対応の可能性が出てきました。

ルネサステクノロジからBD/HD DVD対応3波長レーザーダイオードドライバが発表されました。(ニュースリリース9月21日
11月にはサンプル出荷を始めるようですが、場合によっては一気に普及するかもしれません。
これらは従来、1チップにすることが難しかった、次世代光ディスク用の波長405nmの青紫色レーザーと、DVD±R/RW・DVD-RAM用の波長650nmの赤色レーザー、CD-R/RW波長780nmの赤外レーザーをワンチップにまとめた物で、コンピュータ用のドライブには必要不可欠な仕様です。従来次世代光ディスクのうち、一方のBD側はDVD・CDとの下位互換性においていろいろ面倒な点が有ったようで、一部BD専用ドライブも存在するようです。
ニュースリリースをじっくり読んでも、HD DVDとBDの両対応についてはいっさい書かれていませんが、波長405nmの青紫色レーザーの仕様が、どちらかの排他的仕様と言うことは無いでしょう。ただしピックアップ側での対応については何とも言えませんが。
さて、Blu-rayとHD DVDの両対応ドライブをどこか1社が発売して成功を収めると、対抗上全てのドライブメーカが雪崩をうって両対応化する(せざる得ない)かもしれません。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0509/22/news066.html
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050922/renesas.htm

マイクロソフトはHD DVD

2005-10-01 | パソコン・周辺機器・携帯電話

インテルとマイクロソフトがHD DVD支持を表明しました。なお次世代大容量光ディスクの話題は以前にも取り上げたことがあり、「次世代光ディスク交渉決裂」(05/8/25)や「これは無理か・・・」(05/6/10)、「本当に合意出来るの」(05/5/16)、「和解」(05/4/22)を前にも書きました。
これらの記事で詳細は省略しますが、ソニー松下陣営(Blu-ray Disc)と、東芝NEC陣営(HD DVD)の争いとなっています。


ウインテル連合、HD DVD陣営に加勢--一気に形勢傾くか CNET Japan

Windows VistaはHD DVDのみサポート
IntelとMicrosoft、HD DVD支持を表明  IT media

MicrosoftとIntelがHD DVD支持を表明 -東芝やNECなど幹事会社は歓迎のコメント インプレスWatch

さてこのようにマイクロソフトと、インテルはBlu-ray DiscではなくHD DVDを支持しました。インテル支持の理由がいまいちよく分からないのですが、マイクロソフトがHD DVD陣営に参加するのは、パソコン・OS関係以外にもう一つ大きな理由が有るのではと想像しています。

説明するまでもないことですが、マイクロソフトは家庭用ゲーム機Xboxを製造しているハードウェアメーカーでもあります(実際の製造は他社に委託でしょうけど)。このXbox日本国内ではあまりぱっとしませんでしたが、海外特に北米ではプレイステーションと並ぶシェアを得ています。

それでXboxは今年の11月22日(国内は12月10日)に次世代期Xbox360を発売します。当初光学ドライブはDVDを使用しますが、わりと早い時期にこの次世代XboxでHD DVDが採用される可能性が極めて高くなったと思われます。さすがにプレイステーション対抗上DVDのままと言うことは無いと思われますので。

ライバルのソニープレイステーション3がBlu-ray Discを採用しますので、マイクロソフトがHD DVD陣営に加わるのは必然だったのかもしれません。

次世代のOS、Windows VistaではHD DVDのみ標準サーポートと表明しましたが、コンピューターとの親和性の高さはマイクロソフトもHD DVDの方が高いと見ているようです。これについてはノートパソコン用の薄型ドライブが当初Blu-ray Discでは用意されておらず、技術面コスト面で難しいと言う問題が影響したのかもしれません。Blu-ray Discでノートパソコン用の薄型ドライブが本当に用意されないと、今後大きな問題になるのは必然と思われます。


デルとHP、次世代DVD論争でウインテル連合を非難  CNET Japan

「IntelとMSは間違っている」――Blu-ray陣営のDellとHPが反論 IT media

BDA、MS/IntelのHD DVD支持理由が不正確と指摘
-「MSとIntelはコンピュータ業界の考えからズレている」
インプレスWatch

となると必然的にBlu-ray Disc陣営からの反発もまねくわけで、DellとHPが即座に反応しました。まあ当然と言えば当然ですが、両社の主張を読んでいると泥仕合の感を呈してきました。


最後に書いておきますが、これ非常に疑った見方なんですけどXbox360がもしHD DVDを採用するとした場合、ドライブは東芝が供給すると思われますが、東芝がマイクロソフトに対して相当なダンピングをしたのではないかと。ダンピング分が宣伝料と考えれば安い物ですし。
まあこれは全く根拠の無いことで、実際の所、本当にXbox360がHD DVDを採用するのかは、まだ何とも言えません。

10月4日追記
正式コメントこそ無いもののXbox360へのHD DVD搭載は既定方針だったようです。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050915/ms.htm


次世代光ディスク交渉決裂

2005-08-25 | パソコン・周辺機器・携帯電話

次世代光ディスクの統一交渉が事実上決裂しました。以前にも書きましたが、結局時間切れとなってしまいました。

Blu-rayはPS3での採用が決まっていますし、こちらの方が有利なのは間違いないのですが、相変わらず安価なメディアの製造が問題になっています。HD側は事実上マイクロソフトがバックにつき、次世代Xbox(Xbox 360)での採用の可能性も十分にあり得ます。

このまま行くとノートPCへのBlu-ray搭載が相当難しいという問題も絡んで、デフォルトスタンダードがゲーム機とパソコン、ハードディスク付きレコーダーで異なるという最悪の展開になり、2種類もしくは現行のDVDを入れた3種類のビデオパッケージが店頭に並ぶという状態が長く続くかもしれません。
こうなってくると消費者利益も何もあった物ではありませんが。

もっともDVD MULTIドライブよろしくBlu-rayとHDの両対応が標準化するかもしれません。技術的に無理と言われていても、読むだけなら無理矢理対応するかも。コストは・・・、量産してしまえばあまり関係ないでしょう。

CNET Japan 次世代DVD規格統一の交渉が決裂--「VHS対ベータ戦争」の再来か

ITmedia MS&東芝、タッグを組んでBDに揺さぶり!?


これは無理か・・・

2005-06-10 | パソコン・周辺機器・携帯電話

次世代DVDの規格統合は絶望的になってきた。以前にも書いたが次世代大容量光ディスクは松下ソニー陣営のBlu-ray Discと東芝陣営のHD DVDの2つの規格がある。詳細は前回書いたので省略するが、0.1mmと0.6mmの争いである。これら2つの争いは、企業間の規格争い、勢力争いを通り越して、次世代光ディスクの使い方をめぐる思想の違いを表しているように感じる。まあパレスチナとイスラエルが何百年何千年争っているのを見るまでもなく、こういった思想、文化の違いはそんなに簡単に溝が埋まるわけがない。
東芝のメディアの使い方に対する考え方はパッケージソフトと最終的な保存メディアとして考え、一時的な保存はHDDに任せるという方針で、松下ソニーはどちらかというと直接メディアに放送やデータを記録するという方針のである。さらに東芝は近年めざましい進歩を遂げたH.264(MPEG-4 AVC)やVC-1(Windows Media Video 9)といったような映像圧縮技術を用いて再圧縮することにより長時間録画を実現し、ソニー松下は放映された映像を極力そのまま記録する事に重きを置いている。余談だがHDD内蔵型DVDレコーダーを初めて発売したのは東芝で、再編集して記録するというのは同社の基本的な方針の様である。
これだけ思想が異なると、先ほどのイスラエルとパレスチナではないが、そう簡単に和解出来るはずがない。

こうなってくるとBlu-ray DiscとHD DVDの両対応が一番良いのだが、DVDの+と-の両対応のようには行かず、技術的には一番難しい。ただROMメディアのみの互換性を確保するとなると話はややこしくなりそうである。これも技術的には二番目に難しそうである。

さてこれから先の展開だが、前回にも書いたがBlu-ray Discの安価なROMメディアは絶望的と言われている。一説では歩留まりが50%を切るとも言われている。このまま行くと、パッケージソフトはHD DVDとなりそうである。Blu-ray Discは記録メディア向けといわれているが、球面収差補正が必須という関係上、ノートパソコン用の薄型ドライブの開発が難しく、パソコン用として普及するかは疑問が残る。しかしレコーダー分野ではBlu-ray Discは普及するのではと思う。

参考:CNET japan 次世代DVD、規格統一交渉を中断 2陣営の争いも


本当に合意出来るの

2005-05-16 | パソコン・周辺機器・携帯電話

少し前、次世代光ディスクのBlu-ray Disc(BD)陣営とHD DVD陣営の和解の話題を書いたが、正直本当に和解出来るのというのが感想だった。

言うまでもなく保護層の0.1mmか0.6mmかの争いだが、両陣営とも今まで投資してきた技術を今更変更するのは、経営的にも不可能な時期に近づいている。0.1mmディスクの歩留まりが現在でも低く(一説では50%を切ると言われている)、安価なROMメディアの提供は絶望的と言われているし、0.6mmディスクでは大容量化が難しいのも事実である。0.1mmと0.6mmの両対応が一番良いのだが、これが一番技術的に難しいらしい。
比較的メディアを作りやすいと言われているHD DVD側も、HD DVD-RとHD DVD-RWの開発には相当苦労しており、こちらも一筋縄ではいかない。

容量面ではHD DVD側は3層45GBのメディアを規格化しており、当初言われていたBlu-rayに対する容量面での不利はない。

事を複雑にしているのは、東芝と松下、ソニーの3社で物事を簡単に決められないという事情もある。それぞれパートナー企業が何社もついており、それらの会社への説明や説得、補償などの問題もある。東芝と松下、ソニーの交渉は統一規格への歩み寄りはデットラインを過ぎてしまったのかもしれない。

参考 次世代DVD、遠ざかりつつある“規格統一への道” ITmedia