マイクロソフトがHD DVD搭載パソコンに対してはキャッシュパックするという。具体的にはWindowsのライセンス料を値引く形にするようで、次期WindowsであるVistaではHD DVDのサポートは無償で提供される一方、Blu-rayのサポートには30ドルの追加料金が必要になって来るという。
Hewlett-PackardがBlu-ray支持からHD DVD支持に変わった背景には、このようなことがあったようである。
何故そこまでと思うほど、マイクロソフトは相当HD DVDに肩入れしている。いろいろ理由があるようだが、マイクロソフト独自の技術である「iHD」をどうしても家電の分野に浸透させたいという意志が有るようである。これは裏を返せば、Blu-rayが採用するBD-Javaに対して抵抗感があると言うことである。マイクロソフトにとってJavaは相当な鬼門で、サン・マイクロシステムズと裁判で争い負けたことがトラウマになっているようである。
また、家庭内ネット内での再生については、HD DVDが原則として全タイトルで可能となっているのに対して、Blu-rayはそれぞれのタイトルが任意で再生の可否を選択できるようになっている。この点もマイクロソフトがHD DVDに肩入れする一因と言われている。
またXbox360が外付け拡張機器としてHD DVDの採用を発表した(
記事)。とりあえずは外付け拡張だが、現行DVDに対して上位互換性があるためいずれは内蔵されると思われる。
PS3けん制と言う面からもマイクロソフトはHD DVD支持であると言われる一因である。
さて今後の展開であるが、ますます先が読めなくなったのは言うまでもない。パソコンメーカーは1円でもコストダウンしたい現状で30ドルのライセンス料割引は、喉から手が出るほど欲しい金額で、全世界的に出荷し台数の多いメーカーほどこの提案に飛びついたのではないかと思う。
Blu-rayの方向性が家電に向きすぎている間違いないが、これが今後どういう影響を及ぼすのかが注目である。
http://japanese.engadget.com/2005/12/30/ms-hd-dvd/