goo blog サービス終了のお知らせ 

nishimino

にしみの鉄道情報局付属ブログ

バランタイン4種

2022-01-24 | 


バランタインシリーズはバランタイン12年とバランタインファイネストの間のラインナップについて、色々試行錯誤しているようです。最近ではバランタイン7年とバランタインバレルスムースがあり、いずれもブレンドの傾向は異なります。
一般にバランタインファイネストと同系統の長期熟成がバランタイン17年で、バランタイン12年の長期熟成がバランタイン21年と言われています。

ファイネストと12年は明らかにブレンド傾向が違っていて、ロックやトワイスアップで飲むなら価格が高い12年のほうが当然美味しいのですが、水割りならファイネストのほうが美味しいと思っています。
7年はあまり華やかさがなく甘みが強い味です。バレルスムースは比較的軽い印象があります。

いずもバランタインシリーズのうち12年まではコストパフォマンスが優れたウイスキーなので、かなりの本数を飲んでいます。

アサヒビール3題

2021-09-26 | 

アサヒ生ビール、通称マルエフ、売れすぎて現在出荷停止状態だそうです。この一報が出たときは、店頭に潤沢に在庫があったのですが、ここ数日店頭で売り切れ始めています。
1986年にリニューアル発売された、生ビールでコクがあるのにキレがあるのをキャッチフレーズにしたビールで、当時低迷していたアサヒビールの復活の嚆矢になっています。
翌年発売されたスーパードライに経営資源を集中するため、徐々に販売を縮小して、一部の飲食店向けのみに生産されていました。その後複数回、コンビニ向けなどに限定生産されましたが、今回限定ではなく、正式なラインナップとして発売されています。
ただ、当時経営低迷のアサヒビールを救うフェニックスから開発記号のエフをとってマルエフ(だたフェニックスの頭文字はFではなくPだが)と呼ばれており、今回それを製品名につけたようです。
ただ、当時はコクがあるのにキレがあるから、消費者や販売店から「コクキレ」と呼ばれており、むしろこちらの記憶があります。



アサヒビールはイオン限定で富士山というビールを出しています。広重の浮世絵の富士山の絵が書かれていて、インバウンド向けかと思えます。
ただアサヒビールは2007年まで富士山というプレミアムビールを出していました。どこかで見たことがあるパッケージですが、こちらのほうがプレミアム感があります


味は飲みやすい以外はこれといった特徴がなく、アサヒビールのプレミアムビールは、試行錯誤を繰り返していて、コンビニなどでもスーパードライ以外はあまり見かけません。

ブラックニッカ4兄弟

2021-08-14 | 


ブラックニッカは通常ラインナップで、スペシャル、ディープブレンド、リッチブレンド、クリアの四種類を発売しています。

ブラックニッカは普及価格帯のウイスキーというブランドイメージですが、ブラックニッカが1956年に初めて発売されたときは、特級ウイスキーで、当初からスコッチタイプのブレンデッドウイスキーでした。
その後様々な派生商品が登場し、近年では期間限定商品なども多数ラインアップし、ニッカウヰスキーの主力商品となっています。

通常ラインナップの4種類のうち、クリアは比較的安い価格のウイスキーで、サントリートリスシリーズの対抗的な位置づけとなっています。リッチブレンドとディープブレンドは近年力を入れていて、とくにディープブレンドはコストパフォマンスが高いと言われています。
実際ディープブレンドは、ワンランク上のウイスキーに匹敵するのではないかと思えます。

ところで、影が薄いのがスペシャルで、旧来のブラックニッカの流れを組む製品ですが、ニッカウヰスキーの公式サイトには4兄弟で唯一専用のサイトがありません。
ディープブレンドと互角の品質だと思うのですが、原酒の量の関係で、ニッカウヰスキーが大量に売たくないのか、それとも旧来からの固定ファンがいるので、サイトを作らなくても十分に売れるのかもしれません。
ブラックニッカシリーズは、いわゆるジャパニーズウイスキーを名乗っておらず、噂ではそれ相応の輸入原酒がブレンド(というより主体かも)されているので、昨今のウイスキーブームの原酒不足とは無縁に近い状況ですが、スペシャルだけは国内原酒の割合が高い可能性もあります。

トップバリュウイスキー

2021-06-15 | 


イオンのプライベートブランドのトップバリュには、ウイスキーがあります。他のプライベートブランドでウイスキーがある例はあまり聞いたことがないので、珍しい存在だと思います。
しかも2種類のウイスキーをラインナップしています。そのうちの安いほうが「WHISKY ALC.37%」です。




このウイスキー、何がすごいかというと、「モルト・グレーン10%以上、スピリッツ90%未満」と堂々と書かれていることです。酒税法上は、原酒が10%入っていれば、あとは醸造アルコール(スピリッツ類)であってもウイスキーと認められるのですが、それらを公表する義務はありません。ある意味良心的なウイスキーで、美味しいウイスキーを飲みたい人は買わないでください、ウイスキーっぽい飲み物で安く酔いたい人だけ買ってくださいというウイスキーだと思います。
カラメル色素で着色して、原酒が一滴でも入っていればよかった旧三級ウイスキーよりはマシですが、まあそれに近いものかもしれません。


で、肝心の味ですが、はっきり言って美味しくありません。レモンなどのフレーバーを入れたハイボールであれば許容範囲かもしれませんが、あと数百円出してトリスやブラックニッカクリアあたりでハイボールを造ったほうが、よっぽど美味しいと思います。

グレーンウイスキー作れるか

2021-04-06 | 
すでにいくつかの報道がなされ、色々なサイトで取り上げられていますが、2021年2月12日に日本洋酒酒造組合ジャパニーズウイスキーの定義を公表しました。

1 原材料は、麦芽、穀類、日本国内で採水された水に限ること。なお、麦芽は必ず使用しなければならない。
2 製造において糖化、発酵、蒸留は、日本国内の蒸留所で行うこと。なお、蒸留の際の留出時のアルコール分は95度未満とする。
3 貯蔵は内容量700リットル以下の木製樽に詰め、当該詰めた日の翌日から起算して3年以上日本国内において貯蔵すること。
4 日本国内において容器詰めし、充填時のアルコール分は40度以上であること。
5 色調の微調整のためのカラメルの使用を認める。
6 日本を想起させる人名・都市名や山岳名等の地名・日本国の国旗及び元号等も、上記の品質基準を満たしていないものに使用してはいけない(品質基準を満たしていないことを明示している場合を除く)。

これらの基準は3年の猶予期間の後適用されるとの事です。この条件では大手3社の高級価格帯のウイスキー(サントリーだと響や山崎など)と、中小メーカーのシングルモルトウイスキーのみがジャパニーズウイスキーに該当することになります。一部の報道では、普及価格帯のサントリーオールドもジャパニーズウイスキーに該当するようです。

普及価格帯のウイスキー(700mlで3000円以下)は、ほぼ100%ブレンデットウイスキーで、数年前まで見られた安価なピュアモルトウイスキーは、原酒不足からいずれも終売しています。現在国内ではサントリー、ニッカ、キリンの大手3社のみが、グレーンウイスキーを製造しており、中小蒸留所のグレーンウイスキーはすべてスコットランドなどからの輸入と思われます。
良心的な中小メーカーのブレンディッドウイスキーの製品でも、モルトは自社蒸留でも、グレーンウイスキーは輸入原酒を国内貯蔵してブレンドしていると思われます。さらに大手中小メーカーとも原酒不足や、そもそも蒸留所を持たないなど、様々な事情から、安価なウイスキーは海外からの輸入原酒がそれ相応の割合でブレンドされているようで、

現在、中小メーカーから蒸留所所在地の地域の名称が書かれたウイスキーが多く発売されていますが、その多くは3年の猶予期間の後、ラベルに輸入原酒が入っていることを記入する事で対処すると思われます。
例えば、ラベルに「原材料:モルト(国産)グレーン(輸入)」や、「一部輸入原酒を使用しています」など書かれると思われます。

樽についてはかなり基準がゆるく、現実的に熟成できるかは別ですが、700リットル以下であれば日本酒や醤油、味噌など向けに作られた木桶や杉樽でも良いということになります。



上の写真の国産ウイスキーのうち、左の江井ヶ島酒造のあかしはモルトグレーンのブレンドのため、少なくともグレーンウイスキー分は間違いなく海外原酒が入っています。
右のイチローズモルトはジャパニーズウイスキーの代表のようなイメージですが、ブレンデッドでグレーンウイスキーがは入っているので、こちらもジャパニーズウイスキーには該当しません。手持ちのボトルは初期の製品のため記入されていませんが、現在出荷されているボトルにはワールドブレンディッドという記入があります。
中央のニッカのノンエイジ余市(現在終売)のみが、新基準ではジャパニーズウイスキーを名乗れます。


グレーンウイスキーのついては、中小の蒸留所は資金的生産規模的に単独では持てないため、大手3社以外は前述の通り、すべてスコットランドからの輸入となっています。
モラセス原料の醸造アルコール(アルコール度35%以下になるように加水すると甲類焼酎)添加については、今回の基準で当然のごとく排除されていますので、甲類焼酎を樽に詰めて熟成させるわけには行きません。
現在、日本の酒税法では麦焼酎などの麹発酵の穀類由来の乙類焼酎を木樽で熟成させると、ウイスキーでも焼酎でもない得体のしれない酒になってしまう問題があり(あえていうとリキュールやスピリッツ類)、このあたりは国と団体で協議してほしいところです。国によっては、穀類由来の原料で発酵させ、蒸留して樽で熟成させれば、ウイスキーになる場合もあるそうです。

由緒正しいグレーンウイスキーは、パテントスチルとも呼ばれるカフェ式連続蒸留器を用いるとされていますが、本場スコットランドでは様々な連続蒸留器があるようです。
個人的には甲類焼酎用の連続蒸留器でかつ穀類が原料であれば、発酵工程を麹から出芽酵母に変更すればグレーンウイスキーは作れるのではないかと考えていますが、ウイスキー製造を行う中小メーカーで、甲類焼酎を製造している会社は少ないので現実にグレーンウイスキーの自社製造は難しいと考えています。

まあ、グレーンウイスキーに限り輸入原酒を使用しても、国産ウイスキーだとは思いますし、リーズナブルな価格で国産モルトを使った品質が高いブレンデッドウイスキーを飲めるのが一番だと思います。