白洲 正子文学逍遥記

故・白洲正子様の執筆された作品を読み、その読後感と併せて能楽と能面、仏像と仏像彫刻、日本人形、日本伝統美術についてご紹介

能楽と能面-016

2012-02-19 | 日本の伝統芸能

 

日本の伝統芸術と芸能 

能楽と能面その16

 

連日、朝晩日本全国は雪と寒波に見舞われておりますそうですが、いかがお暮らしのことでしょうか。ヨーロッパなどは大寒波の襲来で多数の死者が出ているとか。

ここ加計呂麻島もここ数日10~11℃くらいの最低気温で推移しております。それでも海水温は高く、泳ごうと思えば出来ないことは有りません。

毎日のように今日は大島海峡、明日は太平洋と島のあらゆる所に出没しては、左手に貝を入れる袋、ナイフ、右手に熊手を持って海浜をうろついております。

加計呂麻島の風景(* スライド・拡大してご覧ください)

島の駐在所(2件のみ)のお巡りさんも、先刻ご存知でニコニコしながら見送ってくれております。バスの運転手は全てご存知で、内心呆れておりますやら。どこで倒れても安心という訳。 島中の名物爺さんになっているようです。

昨年の犯罪件数0件、交通事故(林道での事故)1件・・・嘘のような、本当のような話。万事がこんな感じでの~ん~び~りムードです。TVなぞ見たことが余りありません(実は有線TVでしか視聴できないところが多いのです)

そのような訳で、ブログも1ッ月も穴が開いてしまいました。4件のブログを持っている関係で全く困った状態です。

さて、言い訳はこの位にして・・・・

先回は脇能(初番目)の翁面をご紹介しました。 狂言で良く出てくる黒式尉(コクシキジョウ)をご覧頂きましたが、翁面と言えば何と言っても<白式尉>が揚げられます。

 

白式尉(ハクシキジョウ) 

                        

上記の写真は<白式尉>の面です。 左から「日光作」、「長澤 氏春作」、「橋岡 一路作」のです。白式尉といえば日光というくらい名作が多いので有名です。後の2作品は現代の能面師の作品となります。大変な作品です。

白式尉は能のシテ方が掛けて演じるのですが、この手の面は伝統のある神社に奉納されて今現在でもご神体として日本の各所に神社の宝として安置されております。

先回ご紹介した黒式尉と比較すると面の造作に格段の相違も無く、切り顎、ひげなどと類似点が多いのが特徴です。一見、打ち手にとっては簡単そうに見えることでしょうが、実はなかなかソウ簡単に打てる代物では有りません。

私のようなヘッポコ能面師では夢のまた夢でございます。手先の熟練度だけではなく、心のレベルの問題が関係するのだと思います。観音像はいかにも造作が難しそうに見えますが、実際のところ阿弥陀像などの方が遥かに難しいのと、同じではないでしょうか。

                     長澤 氏春作<白式尉>

 

黒式尉などは伝統民芸の<黒川能>などでも使用されており、笑い、滑稽味のある雰囲気の中で使用される傾向にありますので、ヘッポコ能面師でも打てるチャンスは有るでしょうが、白式尉は正に論外です。

白式尉などを持ちいる翁猿楽が最初から面と密着してきたこと、そして、能より昔から存在し、白式尉は天下泰平と長寿を称え、尊ばれてきたと云われて居ります。また、黒式尉は五穀豊穣を舞うものとして使用されております。

翁面は「1-白式尉 2-黒式尉 3-延命冠者・父尉(ちちのじょう)」は延命冠者を除いて、切り顎、ぼうぼう眉、髭で造作されております。

                    橋岡 一路作  <白式尉> 

                          延命冠者

父尉については次回の「神の面」でご紹介します。

人間が老いてから、何時も翁の面のような顔立ちをして日々を過ごせれば良いのですが、現実はなかなかそうは参りません。 せめて、好々爺と呼ばれるような顔立ちになりたいと思います。

それでは、最後に林原美術館蔵河内の小面をご覧ください。この小面は備前岡山藩31万石の藩主池田氏の所蔵していた面です。

拡大写真はスライドしてごらんください。

 

 

 

 

如何でございましょうか。何の説明も必要ございません。

「貝の採取」というと、食べる貝の採取と取られ、「貝殻の採取」というと、現実場ばれした人間のような感じに取られるのは、いささか悲しい気もするのですが、加計呂麻島のようなところでも実態はこのようなものです。 貝殻の採取から自然の余りにも複雑で奥深いことをまなばされると、自然に対する敬虔な態度を極自然に学ぶようになります。

                       <スイジガイ

様々な貝を採取している内に、貝の形状のデザイン、貝の表面に浮き出ている模様、色合い・・・実に多種多様で、誰が、何と言う造物主が介在しているのやらと、いつも感心するばかりです。上記の写真の河内の小面と比較するのは、如何なものかとは思いますが、彼らのどの部分でこのような素晴らしい事が行われるのかと思うと、不思議でなりません。

         近くの海岸で下のような熱帯魚が沢山今でも泳いでおります。

貝のみならず、蝶や鳥達、熱帯魚など素晴らしい一期に尽きます。

みなさんも、是非郊外に出られて、自然の美しさを実感していただきたいと思う次第です。

                      ピエール・ロンサール

 

まあその様な訳で、本日はお開きと致します。次回からは有名な能面集の中の掲載能面も引き続いてご紹介致します。

                       加計呂麻島在住   瘋癲老人 

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