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ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

子どもに教えていると飲み込みの悪さにイライラします~!!

2008-07-20 11:10:18 | 発達障害児に教える基本
LDや発達障害がある場合、
また別の視点からも考えなければならないのですが、

虹色教室通信で
子どもに教えていると飲み込みの悪さにイライラします~!!という記事を
書きました。
よかったら、読んでくださいね。

たくさん言葉があふれてきたグレーゾーン児の☆くん

2008-07-15 17:48:05 | 発達障害児に教える基本
今日は、先月のはじめてのレッスンでは、多動や言葉の遅れなど
たくさん心配なところが目立っていた
2歳6ヶ月の☆くんの親子レッスンでした。

☆くんは、今は診断の予約を待っている状態で、まだ未診断です。
私から見ると、広汎性発達障害の特徴を持っているように感じます。
数ヶ月前までは、多動がとても目立っていたそうです。


それが、今日はおままごとで長い時間遊べ、
おしゃべりがとても上手になっていました。
また、コミュニケーションも先月とは比べ物にならないほど
できるようになっていました。

お母さんの話では、
先月のレッスンの後から、
おもちゃ屋さんでドールハウスを購入し、
いっしょに遊ぶようにこころがけたり、
さまざまな働きかけをしてみたそうです。

☆くんのお母さんの話を聞いて、
ここがこれほど☆くんを進歩させた理由かな?
と思えたのは、次の点です。

遊び始めても、数秒しかもたないので…次は、もう数秒だけ、次はもう少しだけ…と一つの遊びに関わる時間が増えるように、
気をつけたこと。

☆くんに同年代のお友達を求める気持ちがあるので、いつもトラブルになって大変だけどできるだけ連れて行ったこと。

☆くんのやりたいことや、要望にできるだけ応えてあげていること。
(めずらしい電車を見るために、駅のホームで1時間過したりもしたそうです。)

☆くんは、今もグレーゾーンの子の特徴はいろいろ持っていて、
独特の育てにくさがあるお子さんです。
でも、その笑顔は、自分が好き!お母さんが好き!世界が好き!と語っているように明るいです。
☆くんのお母さんの愛情あふれる子育てに、
私も気持ちが癒されました。
 

いつもどうもありがとうございます。 

好奇心を学習に生かすにはどうすれば良いでしょう?

2008-07-12 13:08:45 | 発達障害児に教える基本
ピタゴラスイッチ研究部、今日も活動中です♪

小学生の子は好奇心がいっぱいで、何でも試してみたがります。
特にADHDのある子や、広汎性発達障害の子で、
この分野に能力のある子の情熱はただものではありません。

しかし、こうした遊びや実験もさせっぱなしでは、
「面白かった~」で終わってしまい、
先の学力につながりません。

ですから、こうした活動を一歩進めて「学習」にまで
高めるコツを紹介しますね。


写真では、小5の★くんが、

「お菓子のつつにビー玉を落としていくと、
ある数になったときに、つつが傾いて、
ビー玉がザ~ッとひっくり返る仕組みができるはず…」という
自分のアイデアを試しているところです。

その時、私がした支援は、
ビー玉の数、ひっくり返ったかどうか、の
2点を表にあらわし記録するようにさせたことです。

この表は、実験によって折れ線グラフや、棒グラフなど
工夫するとよいですね。
また、傾きを分度器で測って記録したりすることも大切です。

こうした学習は、中学生になってからの理科分野のほとんどの学習で
役に立ちます。
中学入試の理科問題も、こうした表の意味が読み取れるかを
扱かったものがとても多いです。

実はいったん理解すると、中学の理科学習は、ADHD傾向のある子が
すごく得意な分野です!!
おそらくそれまでいたずらの回数が多いからでしょう。きちんと理解させると、グラフや表を見て、ややこしい計算式をはじきだせるようになります。

ただ、頭のスイッチが学校の学習時にストップする子が多いので、
こうした遊びを通して、学習をマスターすること
がとても大事なのですが…
 

いつもどうもありがとうございます。

視線をそらす子  目があいにくい子

2008-06-11 09:27:34 | 発達障害児に教える基本
このところ何度か、
目があいにくい、視線をそらす、
ダメと言われたことに固執する…などの
親御さんを困惑させる行動の多い2~3歳児の子どもさんの
親子レッスンがありました。

どの子も、お母さんの手を使って、何かを取らせようとするような
クレーン現象と呼ばれる行動があるわけでなもないし、
感覚過敏もひどくありません。
道順や遊び方に強いこだわりもありません。
お母さんにちゃんとだっこもされています。

しかし親御さん自身が、独特の育てにくさや、
しつけることの困難さを感じています。
また、児童館の職員さんや祖父母から、きちんとしつけをするように
指摘されたり、
「わざと~する。」といった言葉で、子どもの行為を
悪く取られることも多いようです。

その子たちが虹色教室で遊んでいる様子を見ていると、
次々とおもちゃに手を出すので、
お母さんが「お片付けしてからね~」と声をかけるのですが、
全く聞こえてないように見えます。
一瞬、ハッとしたり振り返ったり…がないのです。
視線があわないわけではないのですが、
あう時間が非常に短いのです。


広汎性発達障害の特徴と言える様なものはそれほどないにもかかわらず、
遊び方や人との関わり方が、
広汎性発達障害の子にとても似ているように感じるのです。


まだ2歳ですから…と言えばそれまでなのですが、
平均的なその月齢の子より、
外の情報を取り込む過程で、うまくいっていない部分が
いろいろあるようです。

軽度発達障害があるのか?
ないのか?

親御さんの心は揺れています。
私はそうしたことを診断できる立場ではないので、
親御さんの話をよくうかがって、
子どもの様子をよく観察して、
手助けできる範囲のアドバイスをしています。

ほとんどの場合は、親御さんがもやもやしていた不安を
言葉にしてみて、
私といっしょに子どもの様子を観察するうちに、
少し気持ちが整理できて、
病院で診断を受けてみる決意をされます。

こうした子の場合、
大きくなるにつれて心配なところは
ほとんどなくなってしまうかもしれません。
また、個性の範囲で困った部分を持っている子に、
軽度発達障害という名前を押し付けることは、酷かもしれません。
また、グレーゾーンの部分が多くて診断が正確にくだらないかもしれません。

ただ親御さんが、軽度発達障害についての知識を持っておいて、
集団生活が始まって困ったことが起きた場合に
柔軟に対応できるようにしておくとは、大切だと考えています。
子どもを深く傷つけて2次障害を起す…
という悲しい事態になないですむでしょうから…。

視線をそらす子は、
斜視が原因のケースもけっこうあります。
こちらもきちんと検査しておくと良いですね。

 

いつもどうもありがとうございます。


もっと甘えたい!

2008-05-26 06:42:27 | 発達障害児に教える基本
小5の☆くんは、とにかく地理が苦手で、
日本の県名の学習になると、
「やっても、すぐ忘れるからムダ!」という強い拒絶が
あるというお話でした。

そこで、「ご当地なーさんトランプ」という
マンガのちゃおのふろくで、県名と特産品が
書いてあるトランプで遊んでみました。
すると思いのほかのヒットで、とにかく喜んで、
県の名前を学習してくれるようになりました。

なーさんトランプには、県名と特産品の横に、「ギャグを3つ言え!」
とか、「尻文字で相手の名前を書け」といった、
おふざけの指示が書いてあります。
前回の学習では、白地図でカードの県の位置がしるせたら、
カードの指示に☆くんにしたがってもらう…
というルールで遊びました。

そして今回は、漢字で県名を書けたら(カードをヒントに)
私がそのカードの指示に従う…
というルールでした。
私の場合、「今、テレビで流行っているギャグを言え」と言われても、
エドはるみ?くらいしか知らないんで、途中から、
「だめだな~!」と☆君が、私のかわりに指示を遂行してくれるんですが…。

そんな中で、☆くんが、一番はしゃいで大喜びしていた
「30秒間、相手をくすぐる」というカード。
前回も、今回も、どうしてそんなに楽しいのか???と不思議に思う
ほどのはしゃぎっぷりでした。
くすぐられる側の私が、「もう、おしまい!もう、やめて!」と逃げ回るので、
実際は、たいして くすぐれず、ほとんど無効となるカードなんですが…。

☆くんは、去年まで、担任の先生と合わず、
行動がとても荒れていました。
レッスン中も私の指示を無視したり、
暴れまわることもよくありました。
しかし、こうしたスキンシップが含まれた学習を取り入れるようになって、
5年になって担任が変わったこともあって、
とても落ち着いて勉強に取り組むようになりました。

この☆くんの様子に思い出した出来事がありました。
児童館で自由に出入りできる工作教室をしていた頃、
工作をしているのはほとんど3~6歳の子供達なんですが、
その中に、小学5~6年生の暴れん坊のグループが
乱入しては、おもちゃをひっくり返したり、
工作を馬鹿にして、ののしり声をあげたりしていました。

それでそのたびに、いっしょに工作しないか誘うんですが、
「そんなんするか、ばーか!」と言って、どこかへ行ってしまいます。
が、数分すると、戻ってくるんで、
工作が気になる様子なんです。

そこで、工作道具を運んだりする手伝いを何度か頼んでると、
「するか~!!」とわめくわりに、ちょっとすると、
頼んでいたものを取ってきてくれて、
教室に投げ入れてくれます。


ある時、暑すぎる夏の日、(幼児用の行事と重なったらしく)
おちびさんたちは、ほとんどお休みだった日がありました。
ちょうど、その暴れん坊グループが教室に入ってきたので、
工作をしないか誘ったところ、その中のリーダー格の口の悪い子が、
いきなり、おさるさんみたいに、
私の背中に飛びかかってきました。
結局、体格のある高学年男児をおんぶして、
工作を教えるはめになりました。

その日、工作をしていたおちびちゃんは、
途中から児童館の庭で水遊びを始めたのでいなくなりました。
私におんぶしている男の子の暴れん坊仲間は、
用事ができて帰ってしまいました。

そこで、おんぶしていたリーダー格の男の子のために、
紙を丸めてボールを作ってあげ、
画用紙をペンで9分割して、1~9までの数を書いたものを
ぶら下げてあげました。
すると、その子は私の背中から降りて、
紙のボールを剛速球で画用紙の数のボードに向かって投げ始めました。

ほんとにすごいスピード!!

途中から教室に館長先生も見えて、
その子の凄腕ぶりを感激してみていました。
「野球をやっているの?」と聞くと、していないとのこと…。
確かに、ルールがあって集団でするスポーツは難しそうな気がします…。
もったいない…!!
館長先生がニコニコして、もう一度褒めようとすると、
その子は恥ずかしそうに出て行ってしまいました。

なーさんトランプの☆くんも、工作に来た男の子も、
親御さんのスキンシップが足りなかったのか…というと、そうは思いません。
☆くんのお母さんなどは、多数派の親御さんより、愛情深く、
子育てに熱心な方だと知っています。
ただ、幼い頃に、多動があったり、感覚過敏があったりする子は、
抱いてあげようとすると、逃げたり反り返ったりするのです。
そのため、必然的にスキンシップが不足してしまう子もいるんですね。

こうした子は、一見、大人に反発ばかりしているようで、
優しい愛情などバカにしているように見える子が、
幼すぎるほどに、
甘えやスキンシップを
必要としている場合があります。
中学生になって、3分ごとに大騒ぎするような子も、
ある程度、そうした甘えを受け入れていると、
突然、中学生らしい節度のある生徒に急変したりします。

子どもの問題行動に見えるもの…は、
幼児期に足りなかったものを取り返そうとする
一時的な荒れかもしれません。

 
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なぜ 早期の療育が大切なのか?

2008-05-25 14:15:11 | 発達障害児に教える基本
だれもが早期の療育開始が大切!
という話を1度は聞いたことがあると思います。

でも、実際には、
子どもの発達が、
まだ「心配」や「気になる」程度のうちは、
様子をみることにして
終わってしまいがちです。
そのお気持ちはとてもよくわかります。
でも、早期の療育は、後の教育では不可能な
奇跡を起してくれることも多いようです。
気持ちが決まらないうちも、まず情報収集をして、
あとから笑い話になるかもしれないけど念のため…と
お家でできる療育を始めてみるのをおすすめします。

それにしてもなぜ、そんなに早期の療育は大切なのでしょう?

新生児から3歳までの脳の重量の増加は、
神経細胞が増えるからではないそうです。
神経細胞の数は減って行くけれど、
神経と神経をつなぐネットワークが網の目状に
張り巡らされていくのです。
そのネットワークは5歳で完成してしまいます。

その後は使用される経路が残り、
使用されない経路は消えていきます。

幼児の脳というのは、1つの神経細胞がダメになっても、
すぐにバイパス形成可能という、
ダメージに対する高い代償性を持っているそうです。

「東海道新幹線が不通になっても、中央線を乗り継げば名古屋から東京に行けるようになるようなもの」という例が、本に載っていました。

このように、幼児の脳では、
成人では起こりえない離れ業が起こるのです。
奇跡が起こるのです。

このような高い代償性は5歳を過ぎると失われるけれど、
思春期までは成人よりは高い能力が保たれるそうです。

ここで、大切になるのは、「専門知識」というものです。
障害が疑われても、問題点を直視することをしないで、
さまざまな幼児に良いとされる働きかけをしても、
問題を大きくしてしまう場合もあります。

植物を育てる時でも、
水と肥料をあげるだけの簡単な世話でも、
知識もなく水を上げすぎたり、肥料をあげすぎたりしては、
枯らせてしまうのがオチですね。

特に、広汎性発達障害のお子さんには、
早期にそれに見合った療育をスタートすることが大切だと言われています。
私は、1歳の頃、非常に発達の遅れが目立ったため
療育をしてきたという親子に何組かお会いしましたが、
4歳の時点では、定型発達の4歳児より
発達が良好だったケースが多かったです。

乳幼児の奇跡を信じて、1日でも早く、療育をスタートさせてくださいね。


引用は 「発達障害の子どもたち」杉山登志郎 講談社現代新書

 
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人間はうそをつくことがある…

2008-05-07 14:31:05 | 発達障害児に教える基本
前々回に紹介したIQ130の4歳の☆くんの
お母さんからコメントをいただきました。
一部を紹介させていただきます。

…帰りに、たこやきを食べながら息子に「博物館と先生とどちらが楽しかった?」と尋ねたところ、「先生、また大阪に行く」と答えていました。「人間はうそをつくことがある」との先生の言葉に、「どうして?」と何度も質問をしてきました。

この「人間はうそをつくことがある」という言葉は、☆くんと
お茶犬の人形セットで遊んでいたときに、
私がお茶犬村の長老役の犬に言わせたせりふです。

はじめ、私は、
お茶犬のおもちゃの湯飲みを隠して、☆くんに
広汎性発達障害の有無を調べるテストにあたる
「サリーとアンの課題」にチャレンジしてもらいました。
この問題に何とか合格した☆くんは、
すっかり「湯飲みを隠す」という遊びが気に入って、
ドールハウスの後ろに湯飲みを隠してニコニコしていました。

そこで、私は、お茶犬たちにいろいろなせりふを言わせて、
寸劇のようなものをすることにしました。

「ねえ、ねえ、お茶がないんだけど知らない?」
と一匹のお茶犬が、他の犬たちに聞いてまわります。
みな口々に「知らない」と言います。
お茶犬たちが顔を見合わせて、困りきっているとき、
中の一匹が「そうだ! 長老の すかいらーくの店長犬 にきこう。
あの方は賢いから、きっといい答をくれるはずだ!」
と言うのです。
さっそく呼ばれてきた すかいらーくの店長犬 は、
「みんな知っているか?このお茶犬の世界の外には、
人間というものが住んでいるんだ。
その人間なら、きっとこの問題を解決してくれるはずだ。」
と言います。

そこまでのお話の展開を見ていた☆くんは、
もううれしくってたまりません。
ニコニコしながら、照れまくっていました。

そして、お茶犬に、
「人間さん、お茶がどこにあるのか知りませんか?」と聞かれると、
「ここですよ~」と教えました。

このお芝居がよほどおもしろかったと見えて、
☆くんは、ふたたびお湯のみを隠しました。
お茶犬村では、また会議です。
こんどは、宝のつぼを人間にプレゼントして、
お湯飲みのありかを教えてもらおうという話になりました。
そして、☆くんに、
「人間さん、この宝のつぼを差し上げますから、
どうかお茶のありかを教えてください。」と頼みました。
すると、☆くんは、
笑いながら、「知りませんよ~」と答えました。
今度は、本当にお茶がなくなってしまったと、
お茶犬たちは大騒ぎ。
そこで長老の すかいらーくの店長犬 が、
騒いでいる犬たちにさとしました。
「みんな、人間というのは、うそをつくことがある。」
「え~!!」
「だから、人間が知りませんよ~と言っても、知っていることがあるのだよ。
さあ、もういちど聞いてみよう。」
そうして、もう一度、お茶のありかをたずねると、
☆くんは正直にお茶の隠し場所を教えてくれました。

こんな風に、☆くんとわたしのごっこ遊びは展開しました。

☆くんは、この日、お茶犬の
「人間はうそをつくことがある…。」と言ったせりふが、
よほど印象に残ったらしく、
「どうして?」という質問を繰り返していたそうです。

 
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発達障害がある子に 自分で学ぶ方法を教えるには?(中学生)

2008-05-04 20:13:32 | 発達障害児に教える基本
発達障害を持っている中学生の子は、
定期テストで、
目も当てられないような点を取ってくる…という子は多いです。
そこで、
塾に行かせたり、家庭教師をつけたりしたものの、
少しも点数が上がらなかった…というお話を、
よく耳にします。
学校の補習に出ても、できるようになる気配がないし…
もうどうすればよいのかわからない
と お困りの親御さんがいらっしゃることと思います。

どうすればよいのでしょう…?

まず盲点になっている「悪い点の原因」をチェックします。

テストの点がすごく悪い子は、
勉強がわからないから点数が悪いにちがいない…と考えがちです。

でも実際は、

テスト範囲を書いてある紙をなくす。
その紙をテスト前日まで、かばんに入れっぱなしである。
定期テストの70~80パーセントがそこから出題される
はずの白いプリントなどをなくす。
↑プリントを提出日まで、かばんにつっこんでいて、答を丸写ししたため、大事なプリントの問題に目も通せなかった。
テストの中心的なテーマから離れた、
計算練習や漢字練習を学習だと考えている。


といった、知能とは別の問題が、
原因であるケースが多いのです。

長くなったので、続きは次回に書きますね。


 
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本当に発達障碍なのでしょうか?病気を作りすぎているのではないでしょうか? 2

2008-04-26 17:38:30 | 発達障害児に教える基本
かつて、
今なら発達障がいと判断される子がいた場合、
心の病気のように誤解されていました。
それで、子どもを叱らず全てを受け入れる…よう親は指導されました。

もちろん、発達障がいは、脳の機能障害とわかってきているので、
当時の治療法で改善されなかった例は、
たくさんあったことと思います。
しかし、そう信じられ、実行してきたからには、
それで改善した事例も結構あったはずなんです。

つまり虐待による後遺症や親の不適切な育て方など、
本当に心の問題であった場合は、
それでうまくいっていたはずなんです。

しかし現在、発達障がいについての知識が広まるにつれ、
今度は、過去とは逆に、心の問題まで、
脳の問題として決め付けてしまうケースも多々あるように思います。

そして問題が心にあっても、脳にあっても、
愛情深く受け入れてもらえて、自分にとって心地いい環境が、
どの子にも必要なのに、
そちらを忘れて、
子供の問題行動をやめさせることばかりに
気を使ってしまう場合もあるかもしれません。

最近では、軽度発達障がいの中でも、
「アスペルガー症候群」について話題に上ることが多いです。
アスペルガー症候群は、心の働き方が、
定型発達の子と異なっていることが原因の発達障がいのひとつです。
記憶力はあるのに推察力が働かなかったり、
相手の気持ちを推し量ることができなかったりするため、
学校で問題が起こったとき、単にわがままな性格なのか、
脳の機能障害によるものなのか、迷うところだと思います。
それに、発達障害という病気のような名前を押し付けることに、
ためらう方もいるでしょう。

しかし、もし親や教師にアスペルガー症候群という知識がなかったら、
言葉が達者で知的な印象を受ける子が、
いっこうに指示に従えなかったり、
友達に激しい攻撃を加えるときに、
その子の抱える大変さが分からずに、
ただただ叱ったり罰を与えて矯正しようとしがちになります。


しかし実際には、アスペルガー症候群の子は、
反抗心やひねくれた性格からそうしているのではなく、
自然に生きながら、
友達とうまく遊べない苦しさと、
それを大人たちに非難される辛さを
同時に抱えています。

ですから、子供にレッテルを貼る意味ではなく、
周囲が発達障がいについての知識を持つことで、
子どもによりよい環境を与えるヒントを得るために、
教育現場にそうした知識は必要だと感じています。

発達障がい児が教室で困った存在になるのは、
まだそうした子への配慮が整っていないからです。
予算の問題もあるでしょうが、
たとえ予算を使わなくても、
海外のように、親が場合によっては小学校の入学を1年ずらすことができる権利を
持っているだけでも、
子どもの学校での適応力はずいぶん変わってくるように思います。
また有料ボランティアに、学習以外の面だけのフォローを、
頼めるようにすることもできるでしょう。
もっと考えて、もっと改善しなければならない時期である今、
あの子は発達障がいではないか?
と決め付けあう関係から、
より学びやすい環境を作っていくにはどうすればいいのか?と
意見を出し合う関係へ、変わっていく努力が
ひとりひとりに求められていると思います。


(発達障害の害の文字を、書くことにためらいがあります。そこで、発達障碍としたり、発達障がいとしたりしてみました。しかし検索で来られる方のほとんどが、発達障害という形で調べておられるので、今後はやはり、気が乗らないものの、発達障害という表し方にさせていただきます。すいません。


 
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本当に発達障碍なのでしょうか?病気を作りすぎているのではないでしょうか? 1

2008-04-25 18:26:50 | 発達障害児に教える基本
ブログのコメント欄でとても貴重な質問をいただきました。
そこで、記事の中で私の考えを書かせていただきます。これは私の考えなので、さまざまなちがう意見の方もコメントをくださいね。

このような質問です。
ある教室の困ったくんについて…
彼は他のお母さんが言うように障碍があるのでしょうか。
私はみんな病気を作りすぎだと思います。子供はもっていきようなんじゃないでしょうか?


この質問には、本当に大切な問題が隠れていると思いいます。
まず、発達障碍について発達障害と言われることもあるせいで、
生まれつきの脳の障害や病気として見ている方がほとんどです。
しかし、発達障碍とは、脳に欠陥があるわけではなく、
脳の仕組みが他人とちがっているということなのだそうです。
発達障害とは、「発達における成長の偏り」という意味です。

アインシュタインも、普通の学校で苦労した後、
暗記力ではなく思考力を
重視する学校で才能を開花させたのだとか…。
私自身、作業記憶と呼ばれる
短期記憶は極端に弱くて、家族からも「鳥頭」と呼ばれています。
そして、単純作業に集中する力や、運動能力は、
これまで何度か他人を唖然とさせたことがあるほどダメダメ
です。
しかし長期記憶は平均より良いようですし、
考えることや表現することは得意な方です。
ですから、学校という枠の中ではとても苦労しましたが、
現在は、これといった支障もなく暮らしています。

こうしたことは、パソコンの機種なんかでも例えられると思います。
パソコンの中にはデザイン性や薄さ、グラフィックの扱いやすさを
主とするタイプのものもあります。
そうしたパソコンと、
シンプルで機能性の良いパソコンを、
会計の事務仕事に使うとします。
まあ、まず、デザイン性や薄さ、グラフィックの扱いやすさを
主とするタイプのパソコンは、
ポンコツ扱いを受けることでしょう。

発達障碍の子についても、同じようなことが言えます。
日本の今の学校システムの中で、
障害として大きく目立つことも、
他の学校システムの中では、個性として花開くこともあります。

しかしだからといって、
発達障碍とは個性とイコールであるとは言いにくい一面もあります。
明らかにある部分にハンディーがあるからです。

健康な若者と
足の不自由な学者では、人間としての価値には変わりないはずです。
でも、足を使って移動する環境では、足の不自由な学者は迷惑な存在です。
補助具や支援がなければ、本来の力が発揮できないでしょう。
それにもかかわらず、彼の不自由な足は個性だから…と
何の支援もしないのはどうなのでしょうか?

LDの一種の読字障害のように、明らかなハンディーがあっても、
俳優のトム・クルーズやアトランタ五輪の十種競技で筋メダルを獲得した
ダン・オブライエンなど、
ひのき舞台で活躍している人物はたくさんいます。
こうしたことは、障害として支援を必要とする一部分があっても、
その人の才能や人としての価値は、
ハンディーのない多くの方と何らかわりがない、ということだと
思います。


少し長くなったので、次回に続きを書きますね。
 
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発達障害児のための高校受験

2008-04-24 22:08:58 | 発達障害児に教える基本
発達障害のある子の高校受験の準備をするときに
いったい何から学習させたらよいのか
戸惑ってしまうときがあります。

そんなときは、まず、実際の入試問題に近い模擬テスト(本屋さんで売っています)などを先にさせてみて、何から手をつけていったらよいのか、
計画を立てると良いです。

なぜかというと、
こうしたタイプの子は、非常に漢字が苦手だったりするので、
基礎から学ぶワークで学習させ始めると、
いつまでも書き取りの部分で時間を取られ、その割に漢字を覚えていない…
ということになりやすいです。
そこで、先に入試問題にあたってみて、
「漢字の読み」の方でも点数を落としているようなら、
読みばかりを集中的にする!!
という学習に切り替えた方が、
短期間に確実に成績を上げることができるんです。

そんな風に、まず全体のテストの中で、
どの問題なら、できるようになれそうか?
確実に点が取れそうか?
能力や効率に照らして、
それらを見極めてから、
学習したことができるだけ入試のときの点数に直結するように
してあげること…
が心に余裕を生み、
最初には苦手だった「漢字の書き」のようなものも、
少しずつ取り組めるようになっていきます。

発達障害のある子は、
自分が、今、どの学習にエネルギーを注げば、
学力を上げることができるか…を判断する力の弱い子が
多いです。
それで、能率の悪い勉強を長時間続けた結果、
嫌気がさして、勉強をあきらめてしまう子がいるんですね

それで、学習そのものは、子どもが努力しなくてはならないところですが、
能率よく学んでいくための
時間の配分や学習計画、
小さな目標を立てる作業は、
その都度、少し手助けしてあげるといいと思います。
 
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発達障害のある子のための高校受験♪ 化学反応式の教え方

2008-03-31 22:43:55 | 発達障害児に教える基本
勉強がどうしてもわからない…
全然ついていけない…
という子も
ひとつひとつの単元を理解しながら学んでいくと
1問1問できる問題が増えてきます。

理科の「化学反応式」の計算の仕方は
ぜひともマスターしたいもののひとつです。

写真はブロックを使って
マグネシウム+酸素=酸化マグネシウム
となる様子を説明しているところです。

こうした目で見る教材を用意すると
2+1=2になるという
発達障害の子には理解しにくい概念もわかるようになりますね
 
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言葉のかけ方に注意するだけで 成績がアップ♪

2008-03-07 20:47:50 | 発達障害児に教える基本
中学生たちの期末テストが終わりました。
半月前に入塾したばかりの中2の☆くんが
笑顔でやってきました。
数学の成績が40点も上がったらしいのです。
英語も20点ほど上がったそうです。
といっても どちらも以前の成績が悪すぎたので
ようやく平均点に近づいただけなんですが
うれしいです。

☆くんの数学の勉強を教える上で
一番効果があったのは
シンプルで簡単な方法です。

まず ☆くんに問題を解かせる前に
1問1問解き方を説明します。
解き始めて
☆くんがつまずきそうなところにさしかかったら
「そこは難しいよ。みんなが つまずくところだよ。」
と教えます。
やはりつまずいてしまったら
たくさんヒントを与えるんです。

なぜ「そこは難しいよ。」と言うのかというと
勉強でかなり遅れが出ている子は

みんなにとっては 簡単なのに 自分だけわからない できない…

という気持ちに呑まれて
頭がフリーズしちゃう子が 多いんです。
それで「難しいよ。」と一言かけることで
注意深く問題をながめたり
安心して解き方の説明に耳を傾けたりできるように
なるんです。

子どもが易しい問題でつまずくと 
「こんな問題もできないの?」とたずねる人がいますが
それは絶対タブーだと思います。

易しい問題が解けない理由は
本人が「こんな問題もできない!」と自分を
攻めることに忙しくて
きちんと問題を見ていないからです。
ですから 「こんな問題もできないの?」とたずねることは
<問題がわからなくなる方法>を教えている
ようなものですね。

特に
内気な子 不安が強い子 
先の見通しがたたないと前に進めなくなるタイプの子は
こうした言葉のかけ方を注意するだけで 成績が伸びていきます。


 
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全然授業についていけなかった中学生君 成績が上がりました♪4

2008-02-24 20:45:20 | 発達障害児に教える基本
前回の続きです。
内容をシンプルにする
方法を紹介します。
学力が一向に伸びない子…
特にアスペっ子
同時に2つのことをしたり
柔軟に考える
紛らわしいものを整理する
ことが すごーく苦手です。

ですから 証明問題を教えるのでしたら
図から合同な三角形を見つけ
それが 3辺が同じ
なのか 2辺とその間の角が同じ
なのか 1辺とその両端の角が同じ

を指で指して 判断させる作業だけを練習させます。

それとは別に 証明問題の言葉の扱い方を
段階別にていねいに教えていきます。
これは 言葉を暗誦して丸暗記する要領で練習します。

どうしてこんな教え方をするかというと
2つの作業を同時にしようとすると
頭がフリーズして まったくできなくなってしまう!!
からなんです。
でもそうした原因で出来ない子は
「問題の解き方を発見して口で説明するだけの作業」と
「解き方の手順に沿って 実際といていく作業」に
分けて練習すると
それなりにできるようになってくるんです。

証明問題だけでなく 数学の他の分野や
英語の学習でも同じことが言えます。

英語教科書のまま学習するのは
ごちゃごちゃしすぎてわからない!!
という子には
まず教科書の英単語をいくつか書き出させて
主語と動詞だけのシンプルな英文をくりかえし練習させると
少しずつ英語をマスターし始めます。

学習中になるべく変化するものを除いてあげることが
上達のコツです。

変化するもの?
…???

「変化するもの」とは つまり 英語の教科書のようにストーリーになっていると
疑問文も命令文も
簡単なものも難しいものも いっしょになって並んでいますよね。
それだと簡単なものもマスターできなくなる子がいるんです。

いったん 単語 英文疑問文に変える
という同じ繰り返しの流れを作って教えると
理解し始めるんです。

シンプルにすること! それが教えるコツです。


 
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全然授業についていけなかった中学生君 成績が上がりました♪3

2008-02-23 11:57:19 | 発達障害児に教える基本
まったく授業についていけなかった中2のAくんの成績が
あがりだしたのには2つのきっかけがあります。

ひとつは 思い切って
未診断のAくんに 「どうしても学力が伸びないのには
Aくんの努力とは別なところに原因があるのかもしれないので
自分で一度チェックして見る?」
とアスペルガー症候群のチェックリストを渡してみたことです。
私の目から見ると どの項目も引っかかるA くんですが
自己診断では「通常の範囲でした。」という報告をくれました。

私は この件はそのままそっとしておいたのですが
その日以来 1分ごとに しゃべったり 動き回ったり
「暑い~」「寒い~」「のどが渇いた~」「何か音がした~」
と集中したためしのなかったAくんが
必死で自己コントロールをしはじめました。
客観的に自分を眺めることが苦手なAくんが
どういう行動に問題があるのか
言葉で目にしたことが その後の勉強の大きなプラスとなったようです。


もうひとつのきっかけは 図形の証明問題や確率など
記号を扱うより 言葉を扱う部分が多く
広汎性発達障害があっても
さほど困難でない分野の学習で
自信をつけさせたことです。

定型発達の子は方程式はできても 図形の証明は苦手だったりします。
言い方がまどろっこしさや堅苦しさ
嫌がる子が多いからです。
けれど広汎性発達障害の子の多くは
変化に富む計算ルールはいつまでも覚えられないのに
証明問題の長い言い回しは
しっかり記憶できたりします。
そうした部分に得意を持つ子が多いんですね。

しかし 通常 中学では
それまで
0点近い点ばかり取ってきた子は 
できないという思い込みから 本当はできる分野に入っても
できないままのことが多いようです。
それに発達障害の子にとって
学校の教科書は 混乱しやすい構成で
自分で読んで理解に至ることは難しいようです。

周囲の大人がその子の出来ることに気づき
内容をシンプルにして
支援してあげることが大事です。

内容をシンプルに…??

わかりにくいですね。
次回はそれをもう少し具体的に書きますね。

 
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