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ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

ただ のんびり屋なだけなの? 気がかりな4歳児 1

2008-10-16 18:38:05 | 発達障害児に教える基本
幼稚園で何をするのもゆっくりゆっくりな4歳2ヶ月の☆くん…。
こういう個性と☆くんの母親は言うものの、どうも気にかかります…。

と、☆くんのおばあちゃんから相談を受けたので、
おばあちゃんといっしょに
教室に遊びにきてもらいました。(お母さんの承諾は受けています

☆くんは教室に着くなり、カラフルな積み木を積み始めました。
プラスチックの枠に積み木を詰めて、
積み木の山を作り、それをザ~ッと崩す遊びが気に入って
何度も繰り返しました。
少し幼い印象はあるものの、
それほど心配のない子なのかも…と見守っていました。

その後、じゃんけんの絵がついているウルトラマンカードで
遊んでいる時、とても気にかかることがありました。

「じゃんけんポン」でお互いのカードを出し合って
勝った方がカードを2枚とももらうルールです。

☆くんはじゃんけんが、わからなかったようで
たずねるとどれも自分の勝ちだと言います。
じゃんけんのルールがわからないこと自体はそれほど問題がないものの、
何度、見せても、

「じゃんけんポン」でカードを差し出す私の動作を
真似ることができず、
じゃんけんは手でするもの…と
自分の知っているルール以外受け入れない様子でした。
相手の手もとを見て、学ぶことが苦手な様子でした

常識問題のプリントをしてもらったところ、
「ほうきの仲良しはどれかな?」で、「ちりとり」と答えを選ぶ問題で、
サッカーボールを塗り始め、再度たずねると、選ぶ問題の全てに色を塗ってしまいました。一つ残らず熱心に塗っていたので、肝心の問いに答えることには無関心で、細部に注意が行くようです。

その後、順番に矢印の指示に従って、
りんごを木から収穫したり、かごから取り出したりする単純なゲームをしました。

順番にするというルールがわからず、説明しても、毎回自分のりんごを
取り続けたこと、
「かごからりんごを2つ出して」という指示に、
木からりんごを取り始め、何度も「かごからよ」と指差して
指示しなおしても、ひたすら木からりんごを取っていたのも気になりました。

最後に、ドールハウスを使って、「サリーとアンの課題」に似た
問題に取り組んでもらいました。☆くんは、ストーリーの意味そのものが
理解しにくいようすでした。2度お話を繰り返したところで、
間違った答を選びました。

☆くんは4歳になったばかりですから、
心の理論(他人の意図を理解する能力)がわからないからといって、
アスペルガー症候群を疑うことはできないのかもしれません。
ただ他人の動作を真似る、言葉の意味を理解する能力の弱さは、
まだ4歳だから…と無視するわけにはいかない気がしました。

☆くんは、何の問題もない子なのでしょうか?
個性として、見守っていけばよいのでしょうか?

長くなったので次回に続きますね。

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アスペッ子…集団行動が取れるようになったらいいの?

2008-10-15 18:58:40 | 発達障害児に教える基本
集団の輪を乱しがちだったアスペッ子も
高学年ともなると、
ほとんど目立った問題を起さなくなったり、
勉強やスポーツに熱中し始める子がいます。

こうした外から見て何の問題のない時期が、
私はとても大切な要注意の時期と感じています。

親御さんや周囲の人からすれば、
迷惑行為も悩みもなくなって、
これからは褒めて応援して育てていこう!と
思っている矢先に、「要注意」なんて言われると、
重箱の隅までつっついてお小言もらっているみたいに嫌な気分になるでしょうが…
やはりきちんと意識し言葉にしておいた方が良い気がするのです

先ほど書いたように、親御さんと周囲には…確かにいいんです。
が、本人にとって、良いのか…?
というとそれが問題なのです。

思春期は、周囲の気分や時の移り変わりでコロコロ変らない「しっかりした自分」というものを
作り上げていく時期です。(アイデンティティーの確立ですね)
そうすることで、将来、他人と支配する側や支配される側、
共依存という特殊な関わり方でなく、互いの人格を認め合った良い関係が築けるようになっていきます。

またいろんな人との関係で対人関係のスキルを学び、
自分の気持ちと向き合って感情をコントロールする方法を学んでいきます。

客観的な目で自分を眺めるという…ちょっと痛い体験をする時期です。

しかしアスペッ子が問題行動を起さなくなった場合、
ただ集団のルールに慣れた…規則に愛着を持ち出した…
勉強に熱中することでさまざまな思春期の葛藤に触れなくて良いから
脅迫的に学習する
塾の先生や親がその子をその気にさせるコツが分かってきて、
心をコントロールして勉強に向かわせている

場合がほとんどで、良い状態と見えるものは、
思春期の課題からの逃避であったりするようにも思えるのです。

それのどこが悪いの? と思う方もいますよね。
それまで授業を妨害したり、けんかばかりしていた子が、
勉強に目覚めたんだからそれのどこが悪いの???

と思うのは本当に自然な気持ちです。

もちろんそれ自体が悪いわけではないのです。
そうした時期に、安心しきって、その時期しかできない大切な仕事を
忘れがちだからいけないのです。

周囲の誰もが、
思春期に問題が少ないと、
この子は自分の感情がきちんとわかっているのかな? とか、
人から誤解されないような最低限の対人関係のスキルを身につけているかな?
とか、
感情をコントロールする方法をいくつか身につけているかな?とか、
認知のゆがみを抱えていないかな?
とかいう疑問を子どもに投げかけることなく、
外からちゃんと見えるか、
成績があがっているか、
ばかりに気を取られがちです。
だから要注意なのです。

社会性の弱さは、集団の輪を乱さなくなったから解決するわけでは
ありません。
次には、自分自身が快適に社会生活を送れるようになる
という課題が待っています。
幸せな人生を作っていく最低限の基盤作りの時期なのです。
親や周囲の人の悩みがなくなったら、それでよいわけでもないのです。

長くなったので、次回に続きます。
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でも…うちの子見ていると、才能なんて見つからないんですけど…。

2008-10-14 07:58:29 | 発達障害児に教える基本
うちの子は、得意なことってない気がします…。
才能が見つけられません…。

というお話を聞きます。
そううかがって子どもに会ってみると、たいてい親御さんが
見飽きていて、何も価値を感じていなかった行動の中に
その子その子の大きな可能性が隠れている気がします。

私がそうしたものに気づく時は、「あれ? この子の好むもの、見方、遊び方、
質問の仕方、こだわり方は、同年代の子のそれとちょっと違うな…」
と気づくところから始まります。
ですから、わが子とそのお友だちくらいしか見る事が少ない親御さんが
「…見つけられません」というのも当然なのです。

算数にLDがあって、理解力も考える力も2年年下の妹さんより
かなりペースが遅くなってしまう3年生の☆ちゃんは、
何をするのも自信がなさそうでした。
が、デュプロブロックを使って、ケーキ屋さんごっこをしはじめた
姉妹を見て、ある事に気づきました。
☆ちゃんと妹さんのケーキを見ると、☆ちゃんの作ったものの方が
見栄えがいいのです。
なぜなのかよく見比べると、妹さんは、色んな色のブロックをばらばらに組んで
ケーキを作っていますが、☆ちゃんは配色良く形もバランスの取れた
作品を作っているのです。

また熱心さという点でも☆ちゃんにはすばらしいものが感じられました。
ていねいで繊細な作業の様子を見て、
ケーキなどのお菓子職人のように、何度も同じ作品を
センス良くていねいに作っていかなければならない仕事に向いている
才能だと思いました。

料理、ビーズ細工、ミニチュア作り、フェルトの小物作りなど、
☆ちゃんが興味を持つようなら、なるべくさせてあげるといいですよね
その後、お家でお母さんといろんなことにチャレンジするようになった☆ちゃんは、自信に満ちてきて、勉強にも意欲的になりました。
以前、得意なことをお家でするようになるまでは、☆ちゃんは自分がない感じ…
空っぽであるような表情をしていました。


落ち着きがなく、気分が高揚すると、寝ている弟のお腹をパチン!と
叩いてしまったりする5歳の☆くんは、
しつこくいたずらをくりかえします。
例えば、小さなボールを手にしたら、高いところから落としたり、物にぶつけたり、カーブを転がしてみたり…です。
とにかくいつまでもしているので、お母さんが呼びかけて何かさせようとしても
聞く耳持ちません。
私は、☆くんが、そうしたいたずらをするときに、
「~なるよ、きっと」と言ったり、思ったとおりの結果にならないと、
「なんでだろう~え~??」とつぶやいたりしているのを
耳にしました。
☆くんは、推測する実験する結果を検証する
という流れを憑き物にでも憑かれたように
いつでもくりかえしているのです。
それが、☆くんの一貫したテーマのようです。
☆くんにさまざまな実験道具を与え、
推測する実験する結果を検証
をより意識的なものになるよう支援すると
☆くんは5歳児とは思えない集中力を見せました。

☆ちゃんの能力も☆くんの能力も、
いつも身近にいる家族が、「これ」っとわかる
外から見えやすいものではありません。
それにどちらも可能性の段階ですから、
十分そうした能力を伸ばす時間を与えてあげることが大事ですね。
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発達障害のある子の才能を伸ばすために~♪ 壁となる問題点2

2008-10-13 20:50:49 | 発達障害児に教える基本
とにかく好きなこと得意なことに熱中して、
子ども時代を通してチャレンジし続けることが、

得意な分野で周囲に一目置かれた上で、
極端な苦手があることを
「人には得手不得手があるわよ~」…と大目に見てもらえるような適職に就く

ための近道でしょう。

でも、そうした仕事に就くには学歴がいるし、
公立の学校はいじめが心配…
子ども時代に夢中になれる事を我慢して、
まず勉強が大事、今は受験に向けてがんばる!忙しい学校生活を何とかこなすのが一番!

となりがちです。
私自身は受験をそれほど悪いものと思ってません。目標に向けてがんばると、
精神力や根気がつくし、がんばった事実が自信につながるからです。

ただ、受験という周囲も含めて一種の特別な精神状態を体験する中で、
本末が転倒してしまって、
得意なことを生かした仕事に就くための勉強が、

自分の核となる得意な分野を軽視する、
後回しにする、
気晴らしのような楽しみにすり替えるきっかけとも、なってしまうのです。
才能あふれる軽度発達障害の子が高学歴を手にした後、ニートとなってしまうことも多いのが残念でなりません。

定型発達の子であれば、受験に熱中するうちに、自分の個としての
特技を伸ばしそびれても、
就職した先で、多数派と同じようなレベルなのですから、
とりたててハンディに悩むこともなく、
好きな事を仕事にできる人なんて一握りだなぁ~
なんて感傷にひたる日があっても、
それなりに元気に楽しみを 見つけながら働いていけることでしょう。

しかし発達障害の子は、いくら偏差値の高い学校を卒業しても、
ある程度、周囲を潤すほどの得意な作業も含む仕事に就かなくては、
周囲から浮いてしまったり、役立たずの烙印を押されたりして、
どんどん自分に対する自信を失っていくことでしょう。

ですから、発達障害の子は、子ども時代~思春期を通じて、
自分の他よりも得意なもの、したいこと、楽しいと思えること、
がんばっても苦にならないこと、興味があることを追い続け、
育て続け、将来を描き続ける必要があると思うのです。

たとえ本気で受験勉強に熱中している時でも、
自分の中身を空っぽにしてしまってはいけない、
一般的な外の価値観に完全に染まってしまってはいけないのではないでしょうか?
周囲の大人は、自分を見失いがちな発達障害の子に、
常にその子が「一貫して持っているテーマ」を
思い出させてあげなくてはならないと思うのです。


それは、そうしたテーマをきちんと見出して認めてあげること
個性を正しく評価すること
で、

見栄えが良いそれっぽいことをさせることではありません。
(習い事やクラブなど…)

発達障害の子の個性的な好奇心や才能とは、ほんの一時も消してはならない炎のようなものです。
どんなに立派な学歴をまとっても、それがなければ、社会人となる一歩は、
とまどうことや不安だらけではないでしょうか?
どこにもつき物の社会性や対人関係に弱さがあるのですから…。

しかし自分がずっと好きであり続けたことや、育て続けた能力がある子は、
それを切り札に失敗を穴埋めしながら、
何とか乗り切っていけるのではないでしょうか?
大成功だって夢ではないはずです。

発達障害の子は客観的に自分を見るのが苦手なので、
周囲の一般論に基づいた価値観に振り回されてしまいます。
どうか、いつも大きな視点から子どもを眺めて、
応援していってあげてくださいね

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発達障害のある子の才能を伸ばすために~♪ 壁となる問題点

2008-10-13 09:20:15 | 発達障害児に教える基本
発達障害のある子の才能というのは、
初めは、既存の価値観では測りにくい漠然としたものです。
何かの技術が長けているとか、
その分野のテストの点が良いとかいったものではありません。

自分の好きな事への執着心だったり、
同年代の子とは一風変った物…鉱石などへの関心だったり、
働きかけるとどう変化するか(実験の基礎となるような)への
飽きることない挑戦だったり、
なぜなのかどうしてなのかを知らずにおれないしつこさだったりします。
それは大人には見えにくく、それぞれが個性的であるため
勘違いも生みやすいように思います。

虹色教室の小5の☆くんは、
休憩時間に積み木でピタゴラスイッチを作ったり、工作をしたりして遊んでいます。そうした遊び方を見ていると、ただ遊んでいるようにしか見えない☆くんの
行動にはある一貫したテーマが隠れていることがわかります。

☆くんは、ビー玉があるものにぶつかって、その力を2方向に分けることや、
1つの力を多くの方向に分散させることに常に取り組んでいるのです。
それは扇形にドミノを倒すことだったり、
ビー玉のレールの先に小さなチップを乗せて、
それをはじくことでビー玉の方向を変えることだったりします。

また☆くんは、輪ゴムを使って、物を回転させることにも、
熱心です。ブロックを使って、からくりのあるおもちゃを作り、
力の方向を転換させることに長けています。

その発想の豊かさと熱心さは研究者通じるものもあるので、
私は☆くんが機械の設計者や映画の世界の特殊撮影を考えるような仕事に
つけないか、それかそれに近い自分の興味を追求していける
仕事に就けないか…?
と考えています。

そうした才能豊かな☆くんですが、能力を伸ばしていくには
いくつも超えなくてはならない障害物があります。

長くなったので次回に続きます。

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欠点を直すだけでいいの? どうすれば長所が伸ばせるの?

2008-10-12 22:48:01 | 発達障害児に教える基本
NHKの病の起源という番組で、読字障害の特集をしていました。
なぜ、読字障害が生まれるのか?
脳の中の電気信号の流れはどうなっているのか?
どうすれば読字障害を克服できるのか?
など、どれもわかりやすく興味深い内容でした。

海外のLDを治療する学校での取り組みや研究には、
日本にないすばらしさがありました。

「日本にないすばらしさ」というのは、読みのLDの子は確かに
読む力が極端に弱いけれど、
平面を空間に直すといった空間を扱う能力が秀でている子が
多いので、それを検証し、
そうした特別な才能を育てているのです。
番組では、日本を代表する建築デザインを作り出している
20代の男性もこの障害を持っていて、
3D映像を自在に扱って、すばらしい作品を作り出していました。

読字障害の子が空間を扱うことが得意なのには、
理由があります。
読字障害の原因となっている左脳の39野と40野の働きが弱くて、
目で見た文字を音声に変換することができないからです。
その部分が弱いため、一般的な人が左脳の39野と40野を活性化する
場面で、右脳が活性化しているのです。
ですから、読みには障害があるものの、
一般的な人にない非常に得意な分野もあるそうです。

私にはADHDやADD、ASの特徴を持った知人がけっこういますが、
弱点がある反面、
得意なことはプロ並み(プロの方も多い)に得意です。
また、教室に来る軽度発達障害の子どもたちも、
得意な分野は、天才的です。

また、そうした子らに共通するのは、定型発達の子らより
強い学問的好奇心といったものです。特に目立つのは、理科分野、
電気やモーターを扱うことに長けているし、気象も好きですね。
物理(運動や働き)、化学(結晶好き)、生物、地学(鉱物好き、洞窟好き)
にこだわりにも似た関心を寄せる子が多いです。

ADHD傾向のある5歳の男の子は、根気よく機械を組み立て、
飽きることなく実験をしたがります。
ASの傾向の強い子は、知識をためるのに貪欲で、
言葉を扱う事が得意です。
ADD傾向のある子は、想像力豊かで、文章が得意だったり、
絵が得意だったりします。

しかし日本では、欠点をなおす…という考えには共感する方も、
才能を伸ばすという面で消極的というか…
そんな考え、ずうずうしいと思っているというか…

お母さん、天才を育てようなんて考えやめましょう。しつけることはしつける、叱る時は叱る、ゆっくりでも追いついていったらいいじゃないですか…

なんて親切そうにおっしゃる方がいます。
それも一理あるのですが、発達障害があって天才にまでなる人は確かにほんの一握りかもしれませんが、
発達障害がある子に、
欠点がある反面、長所があるというのは、単なるなぐさめではなく
事実ではあるのです。
海外では、個を尊重し、平等に扱う視点から、
そうした特別な部分を伸ばす権利も
発達障害の子たちに与えられているのです。

それで子どもにプレッシャーをかけてしまう親御さんもいるのでしょうが…
学校のような場でそうした子の才能を伸ばす
という発想はありません。
また、私が才能を感じて伸ばそうとしていると、
子どもが喜んですることだから「遊び」というくくりで、
捉えられてしまうこともあり、残念に感じています。
テストや受験といった価値観に染まるうちに、
将来を形作る大切なものが見えなくなってしまうのです。
残念です~

新しい発達障害児観が広がっていく事を願っています。

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発達障害児が突然「できる子」になる時の秘密 5

2008-10-03 11:05:41 | 発達障害児に教える基本
発達障害児が突然「できる子」になる時、
それはどんな時なのかというと、
自分のやりたいことや意義が感じられること、
強い願望や好きでたまらないものと、
学びや努力が一致した時なのだと思います。
「天職」を見つけた発達障害の人は、
天才や偉人にまで自分を高めていますよね。

それと学び方が
非常に短いサイクルでの自分の満足感と結びついている
事も大事だと思います。
これは、何のことやらわかりにくいですね。

例えば、私の父は、ADHDの特徴を大いに持っている人で、
学校での勉強はからっきしダメだったようですが、
ギャンブルや遊びに関する才能とそれにかける情熱となると、
周囲を唖然とさせるような部分を持っています

たまに将棋やマージャンの輪に入ると
プロ級の人を負かしてしまったり、続けて一人勝ちして
仲間に嫌がられている様子です。
普段は隅々まで競馬新聞をチェックしたり、パチンコの台の出方を
全て暗記してさまざまな計算をしていたり、
そのため続けざまに勝ったので、パチンコ店での出入りを店側にマークされるようになったり…
自分なりのギャンブル哲学を練っていたり…と、
その才能の無駄使い…時間の無駄使い…
金の無駄使い…
は、日々家族を泣かせて終わっています
もしその熱意と能力が、
ほんの数パーセントでも学習に向かっていたら…
おそらく勉強がからっきしダメとはならなかったのでしょう。

それが父のADHD脳にとって、興味があること以外は、
興味ゼロ。
情熱ゼロ。
努力ゼロなので、
父がギャンブル以外で頭を使うのをあまり見た事がありません。それでも何かのきっかけで、それまで興味のかけらもみせなかったものを喜んでするときもありました。
料理もそのひとつなのですが、父の料理の仕方といったら、ギャンブルそのもので、料理の本にぜったい載っていない様な「何か」を
料理に加えて、
その結果「ものすごく大成功しておいしいか?」
「大失敗してまずいか?」
その結果の見えなさ、わからなさ、ドキドキ感が
父の料理をすることへのエネルギー源となっていた様子…後で食べさせられる私は、もっと無難なふつうのおいしさを追求して欲しかったんですがね…

前置きが長くなったのですが、
「学び方が
非常に短いサイクルでの自分の満足感と結びついている」
ってつまり、ギャンブル好きの父にすれば、
「結果の見えないドキドキ感が、ちょっとの手間で手に入る」というサイクルが
繰り返しあると、何度でも努力するわけです。

ADHDのある子の勉強を見ていると、
この「結果の見えないドキドキ感が、ちょっとの手間で手に入る」が
とにかく好きで、やる気の持続につながる子がいます。

3問ほど問題を解いたら「くじ」を引く
くじが当たりなら「5点」はずれなら「マイナス2点」などを
決めておきます。
得点が貯まると、何か本人が喜ぶご褒美を考えておきます。
物はエスカレートするので、
ゲームをする時間とか、何か本人が喜びそうなものを考えます。(夕飯が本人の大好きなごちそう!など)
そういった、ちょっと頑張れば、結果の見えない何かがある
というのも、退屈な宿題のような作業をスムーズにやらせるコツです。

そうした作業していく上でのゲーム性…
前回の☆くんのようにパズルを完成していこうとするものや
カードをコレクションしていく楽しみなんかは、子ども
それぞれで違いますが、
軽度発達障害の子(人)の場合、ちょっと中毒したように
そうしたものを繰り返してしまうので、
そうした個人の大好きなパターンが勉強と結びついたら最後、
怖いものなしな気もします。

私は、軽度発達障害の子の学習面で大人が支援してあげられるのは、
そうした「その子のやる気を保てるパターン」と「勉強」の間に
橋をかけてあげることじゃないかな? と思っています。
テレビのアニメのことなら何でも暗記できる子を
勉強でも同じ事ができるようになる橋をかけてあげる…
そうしたちょっとしとした工夫は、
全然勉強に興味がなかった発達障害児の子を
突然、勉強好きの子に変化させるかもしれません。

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発達障害児が突然「できる子」になる時の秘密 4

2008-10-02 13:48:01 | 発達障害児に教える基本
今回の記事…前置きが長いです

☆くんは、理科の1分野や数学が得意ですから、ミスが多いといっても、
それらは実戦問題に繰り返していれば、何とかなりそうです。

問題は歴史や地理や理科の2分野といった
暗記教科です!!

初めの頃は、参考書と問題集がセットになった標準レベルの教材を
数ページずつこなしていき、時々、覚えているかを確かめるために
質問する形で学習していました。

が、ここで困った事が…!!

文章を読んで記憶する 問題集を解く

まではスムーズなんですが、
少しして、前に学習した内容を口頭でテストすると…
すっかり忘れているのです

もう、完全に何もしていない状態までリセット!!されているんです。

☆くんのお母さんの話では、
これまで暗記物はいつもこうだった…そうで、
「これでは行ける学校がないのでは…?
いろいろできるように見えて、すべて何もできない気がするんです…」
と悲壮な声でおっしゃいました。

確かに学校の成績はよくない様子…
それでも私には☆くんが能力がとても高い子だという確信があって、
難関とされる高校の赤本を中心に受験勉強を始めることにしました。

それで、ようやく…ここからが、前回の話題の続きです…

つまり☆くんが寝ても覚めてもやっていたいと感じている
電子工作のプラモデル作りによく似たスタイルで
学習に取り組めば、能率が上がり、ミスが減ってくるはず…と、
いうのは、どういった学習法か…?
と言うと、

参考書や教科書を読み
問題集をこなし
最終的に受験用の過去問題にチャレンジしてみる
という正統派の学習法の真逆をいって、

最初に受験用の過去問題を見て、
「こんなの出るんだね~」とか「こういう問題が出来るようになるには、この問題集を仕上げるだけで何とかなるのかな~?」とか、「白河上皇!後白河…!!こういうまぎらわしい名前、受験でキーワードになるよね~」とか、さんざん話をした後で
問題集をこなしてみて
わからないものが
あれば答でなく参考書をよく見て、
「参考書で、見過ごすようなこんな小さな字で書いてあるところが、
受験に出てたね。」とか「この問題集、すみずみまで読んでも、あの受験問題は解けないよ。どこに書いてあるんだろう?もっと分厚い参考書見つけてこなきゃダメかな?」
とか話し合うようにしました。

すると、これまで半分居眠りしているような雰囲気で歴史の問題を解いていた☆くんが、
名探偵コナンのモードで、
「ここは、大事そうだ! これはあとの二つを読めば推測がつくし…」と、
すごく集中して問題にあたるようになりました。
「受験問題の難しさ」に「パズル好き」のスイッチがオンになった模様です。

☆くんが、社会ができない理由は、「社会なんて、暗記して、暗記したところをあとでテストされるだけの勉強だ~それして何になる?どこが面白い?とりあえず、問題集の空白を埋めていく作業じゃないか…」
といった
社会を学ぶことに意義が感じられないことからくる
ぼ~っとした心ここにあらずの姿勢からきていたんですね。


「最終的にどのようなものができるようにならないといけないか」が
きちんとイメージできると、
学んだところを簡単に忘れることはなく、
それより参考書の小さな補足部分にまで目を通す徹底振りで
社会を学ぶようになりました。

それでもまだまだ目の前の山は高い☆くん、
これからもがんばってほしいです。

もう1回だけこの話題、次回に続きます。

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発達障害児が突然「できる子」になる時の秘密 3

2008-10-01 19:23:03 | 発達障害児に教える基本
前々回に紹介したやんばる先生のサイトに、
<運動会は何のためにあるか?、リレーにはどんな意義があるか?、一番になることにどんな意味があるか? 私はぜんぜん意味が分からないままただ言われるままに参加してきたが、もしも事前に私が納得できる意味を説明してくれたら(自分が納得することの重要性にもっと早くに気づき自分で調べるなどしていたら)参加の仕方が全く違ったに違いないと思う…
だから発達障害の学童で宿題をしないという場合には、「宿題と言うものが何であるか?」という説明からするべきであると私は思う。> 
とあります。

発達障害のある子…ADHDやASの脳のタイプの子が、意義や目的を感じれないと、いかにがんばれないか、私にもよーくわかります。

けれど、だからといって、
安易に大人が思っている意義や目的を押し付けても
あまり効果がない気もします。

テストの点や友達との競争、
先生に認められるか否か、
親に褒められるか否か、
なにかできるようになるとかっこいい!偏差値のいい学校に行けば一目置かれる…
とにかくみんなと同じ事をして普通でいたい…

そうした多数派の子供たちが魅力を感じ、
自然に受け入れている勉強に大人がくっつけた意義や目的に、
軽度発達障害の子はまったく無関心だったりするのです。

効果がある「意義や目的」というのは、
あくまでも、本人にとっての「意義と目的」で、

限りなく「個人的」なものです。

とにかく、本人の脳が「これは学びたい!これは覚えておこう!」と納得するものじゃなくちゃならないからです。

わざわざ「本人の脳」なんて、妙な言葉を使ったのは、
軽度発達障害の子(人)は、自分の意志で「これを覚えておこう」「これはどうでもいいから忘れてもいい」
「これは先のばしせずにさっさとやろう」「これはやりたくない」
「集中してこれを仕上げよう」「これは適当でいいや」
と判断したり決めてしているのではなくて、

自分の脳の好き嫌いや無秩序さに

常にへとへとになるまで振り回されている感じがあるのです。

話がわき道にそれてしまいましたが、前回紹介した☆くんの場合、
☆くんの脳が納得する「目的や意義」は何か…?
というと、

☆くんが集中する遊びは、
ちょっと苦労して完成形に向かう「頭脳パズル」や「ロボット作り」「クロスワードパズル」のように

答を出すのに手こずりながら、出来る部分から取り掛かって、
空いている穴を埋めていく。

穴埋め中、「うーん」と考え込んで、「あーでもない、こーでもない」と
答を入れ替えたり、論理をひっくり返したりする…
そうした苦しい作業中も、
とにかく簡単には完成しない「ある完成形」をイメージして
がんばっていく…というタイプのものです。

こうした遊びの最中に、☆くんの集中力はとぎれることはありません。慎重でミスもありません。

つまり☆くんが寝ても覚めてもやっていたいと感じている
電子工作のプラモデル作りによく似たスタイルで
学習に取り組めば、能率が上がり、ミスが減ってくるはず…と、
考えたわけです。
それで、
それまでしていた学習の順序とスタイルを大きく変えました。


長くなったので次回に続きます。

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発達障害児が突然「できる子」になる時の秘密 2

2008-10-01 12:55:21 | 発達障害児に教える基本
最近になって虹色教室に通いはじめた中学2年生の☆くんは、
理数が得意で理解力もあるのですが、
学校の成績がふるいません。
得意な理数までが、点数が悪い原因は、
書き写しのまちがいや計算ミスが大変多い上に、
わからない問題にぶつかると全体の時間配分を考えずに、
のんびりまったりそれをやり続けているからです。
そうした点に本人が気づいていないからとか、
指導や注意を受けたことがないから
そうしているのではなくて、
一度わからない問題にぶつかると、こだわりとも思える態度で
それをし始め、時間の感覚が抜け落ちてしまうのです。

この時間の感覚がない…という点は、学校生活やテストをする上では
大きな欠点なのですが、
将来の仕事につながるような「すばらしさ」も生み出しています。
☆くんは電子工作が得意で、
それは器用にすばやく機械類を組み立てたり、作りあげたりするのです。
創造性も高く、デザインのセンスもすばらしいのです。

☆くんは、疲れ知らずで、何時間でもそうしたことに没頭できる集中力を持っています。それは、「時間の感覚が弱い…」ことと関係が深いのだろうと思われます。
☆くんを何とか理数のレベルの高い進学校に進ませて、
大学の工学部で本格的な勉強をさせてあげたい…

と私が望むのは、☆くんの情熱と才能を強く感じてのことなのです。

2年生の今から、高い目標をかかげて、受験の準備を始めているのですが、
問題は山積みです。
☆くんは、社会や理科の暗記物が苦手で、覚えても少しするとすっかり忘れてしまうのです。また、時間配分が出来ないのもミスが多いのも
脳の機能によるので
簡単に直せるものではありません。
国語は抽象概念が極端に苦手です。
古典は暗記が苦手なので、全滅しています。
そんな☆くんといっしょに、受験勉強をスタートさせて、

☆くんがどういう形なら記憶が定着するのか、
学びやすいのか、
モチベーションが保てるのか、模索するうち

ようやく☆くんが学びやすいパターンがつかめてきました。

長くなったので続きは次回に書きますね。

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発達障害児が突然「できる子」になる時の秘密 1

2008-10-01 09:13:39 | 発達障害児に教える基本
私のお友達や知人には、小学校の間、壊滅的に算数や国語ができなかった…
小学校の間、周囲のレベルにまったくついていけなかった…とおっしゃる方がかなりいます。それが大学に入る頃には、「短大ならどこでも自由に選べますよ~」と先生からお墨付きをもらったり、有名大学に進んだり、社会人になって知的な職業に就いていたりします。
その方々に軽度発達障害があるのかどうかは
私のあずかり知るところではありません。
ただ、どの方も、長く交流していると、私ととても似かよった1点があることに
気づきます。

何をするにも、みんながしているというだけで、
意義も説明されないままに無批判に従えない   

というところです。
「ささいなことにも、意義や意味が感じられないと
取り組めない」という性質は、
ご自身もADHDである精神科医のやんばる先生のサイトでも
発達障害の特徴として取り上げられています。
「多数派でない脳の特徴」は、
みんながいい!というからと、簡単に流行に乗れないのです。
長蛇の列があるから、並ぶという気持ちにもなれません。


虹色教室の軽度発達障害を持った子たちを見ていても、
この性質は顕著です。

自分の興味を持ったことと結びついていれば、
恐ろしいほどの記憶力や持続して学ぶ力を持っている子が、
漢字5問を覚えたくないからと、何時間もお家でストをおこす。

難解な本をどんどん読み、知識がとても豊富な子が、学校でする100マス計算の速度を上げる意欲がまったくなくて、
何度してもミスがあリ、宿題もいい加減なので、
放課後残されている。

電車の知識は何でも知ってるおちびちゃんが、いぬとねこのちがいもあいまい

など呆れるほどの落差が同じひとりの子に共存しているのです。
発達障害というのは、発達に障害があるという意味ではなくて、

発達にでこぼこがある
発達の道筋に乱れがある(順序が多数派とちがったりする)

という意味なのですから、多数派より苦手なこともあるけれど、得意もあるわけですから…
それはそれで納得できるのです。

今回の話は、そうした軽度発達障害の子が「できるようになる」ことと
「できない」を分けている境界線について
お話しようと思います。

ある学習の課題があって、
軽度発達障害の子が「できる」か「できない」かを分けている理由は、
知的障害の子が「できる」か「できないか」を分けている理由と
ずいぶん違うように思います。
知的障害の子の場合、文字通り、本人の知能のレベルに合わせて
「できる」「できない」が決まってくるのでしょう。

しかし、軽度発達障害の子の出来不出来は、本人の知能のレベルと
あまり関係がないようです。
それよりも本人がそれを知りたいかどうか、学ぶことに意味を感じているか、
子どもの心が求める興味と学んでいることが合っているか
が「ものすごくできる」と「まったくできない」の
大きな差を生んでいるのです。

軽度発達障害を持つお子さんを育てている方は、感覚的に、
そのことに気づいているのですが、
いざ勉強させるとなると、
その子が、「学習はつまらなくて、意味のないことで、しんどい思いをしても
将来算数なんて使うことはないし、そうだけど大人がしろって言うからするものなんだ」と思い込むように、
最悪のアプローチをしてしまいがちです。

長くなったので続きは次回に書きますね。
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軽度発達障がいの子へのアルファベットの教え方

2008-09-17 14:18:46 | 発達障害児に教える基本
コメント欄で、小学生の英語に関する質問をいただきました。

なおみ先生こんにちは

今小3のわが子はひらがなの読み書きが
できるようになったと言えるようになったのが
小2の夏休みで、かなり文字というものに対する
能力が低い子です。英語も幼児期3年ほどCDを
聞かせたりしましたが、全く聞き取りできません。
アルファベットさえ読めません。
そういう状態ですが、急にPCへのローマ字入力に
興味を持ち、ローマ字表を見ながら一生懸命練習
しています。ですが入力している文字の名前を知らないまま(いならI(アイ)とか)キーボードの場所と形でおぼえようとしています。
英語に関しては、虹色教室の方で2回ほど記載されて
おられるだけなので、発達障害児の小学生の子の導き方のお考えをお聞かせくださると大変嬉しいです。

ご質問のお子さんは、読み書きのLDをお持ちなのかも知れません。

文字の形をとらえるのがとても困難なのだと思います。
それでもPCに入力したいという意欲をお持ちということなので、
きっと急速に伸びるチャンスかもしれませんね。

まず今回はアルファベットの教え方を紹介します。

教えるときに、いっぺんにたくさんの文字を教えていくのではなく、
もっとも覚えやすそうなものを数個しっかり教えると、
それを土台に他の文字も覚えやすくなります。

「M」はマクドナルドのマークをイメージさせてくれるので
覚えやすいと思います。
折り紙に大きく1文字書いてあげます。
「O」は「おー!!」と言う時の口の形に似ているので
覚えやすいです。

「T」を書いてから、両手を広げて、身体でTの文字を作ります。

最初はその3文字を、「あ~マクドナルドといっしょだ~!!Mだね。」
といった具合に、印象が残りやすいように教えます。

その後、本人にとって易しいと思えるものから、「Mはどれかな?」と言う具合に
選ばせます。
こうして3つくらいを覚えたら
とても褒めてあげます。

次に覚えやすいのは「A」「B」「C」です。
これも大きく書いてあげ、ABCの順に手で押さえていく遊びをします。

次に教えやすいのは「X」「S」「P」です。
X「ブッブー!!」と手でバツの形を作って、「エックス!」と教えます。
Sは「くねくねへびのエスくん。」と言いながら身体をくねらせると
覚えやすいです。
Pは「パーキングのピーです。」

そうしてある程度覚えてきたところで、
紛らわしい文字の学習に入ります。
MとN
UとV
JとIなどです。
2つずつ並べて、
「Mはどっち?」と言って、カルタのように取ってあそびます。

発達障害の子に教えるポイントは、
子どもが続けたくなるように、たくさんヒントを与えて、
いつも子どもに簡単だ、自分はこれができるんだ、
と実感させることです。
繰り返したがれば、必ず覚えていきます。
遠回りでも、できることを中心にさせます。
教えるときに子どもをテストして失敗体験を積ませる!!
のは、しない方がマシな、勉強法です。

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「IQ144の軽度発達障害の4歳の子」

2008-08-22 09:21:48 | 発達障害児に教える基本
IQの高い軽度発達障害児についての検索が何度かありましたので、過去記事を
整理しました。

脳の研究の発達で、幼児期に発達のゆっくりな子が必ずしもそのまま能力が遅れたまま成長するのではないことがわかってきています。

あまり感心しない例えですが…(わかりやすいので書かせてください)
貯金で言うと、毎月、1万円ずつ3年間貯めるのと、5000円ずつ8年間貯めるのと、最終的にはどちらがたくさん貯まるのか…最初の数年は、絶対1万ずつ貯める方がたくさん貯まるように思えますよね。
でも、いずれどんでん返しが起こります。
普通より脳がゆっくり成熟していく子は、
脳科学が可塑性が生きている期間としている「感受性期」とか「敏感期」と
呼ばれる期間がとても長い子がいるのです。
全ての子に当てはまるわけではありませんが、
そうしたことはめずらしくないようです。

子どもの一時期の発達の差を比べて、
子どもの自信をくじき、心を傷つけることだけは避けてくださいね

☆ IQ144の軽度発達障害の4歳の子 1


☆IQ144の軽度発達障害の4歳の子 2

☆人間はうそをつくことがある

☆ 発達に遅れのある子が高い能力をしるすようになる秘密


<関連記事>
NPO京都ハートネットワークの臨床発達心理士 のブログにこんな記事がありました。
☆アスペルガーがうらやましいと思う人もいる~障害が能力として見えている

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ありのままを認める 成長の願いを抱く

2008-08-06 09:10:01 | 発達障害児に教える基本
小学生ママの「しんぱい百科」学校編 小学館
のなかで、NPO法人フリースペースたまりば理事長・子ども夢パーク所長の
西野博之氏が

学校的「良い子」観にしばられているうちは、いじめはなくなりません

という内容で文章を書いておられ、うなずきながら読ませていただきました。

今の日本は、あらゆる場面で「正常」を求める社会です。
その正常は何によって定義されるかといったら、「異常」でないことです。
異常を見つけて、ここがおかしい、あそこがおかしい、という社会は、
いじめを生む社会だと思います。
ぼくは、「ダメでいい、弱くていい、変なヤツでいい」といえる学校をつくらなくてはいけないと思います。
みんなが健全に、正常に、力強く元気に、という標語のもとでは、
いじめはなくなりません。私達が手に入れていきたいのは、ちょっと弱い、
ちょっと変、ちょっと人と違う部分を誰しもひとつはもっているだ、という
多様な価値観ではないでしょうか。
大人が「これもありだよね」という価値観を手に入れることができれば、
そのゆとりのなかで子どもも大人もともに育ちあう
ことができるのだと思います。


私も子どもたちと接していて日々感じるのは、
大人がこうした心のゆとりを持ってはじめて
子どもが本来の輝きを発揮しはじめるんだな…ということです。
どの子にも能力や才能やすばらしさがあって、
そうした潜在的なものは、多様性を認める環境のもとで
引き出されるんですね。

それと、「受容」の次に大切なもの…

いつもお邪魔させていただいているtoshi先生のブログから
引用させていただきますが、

指導する側に、『あるがまま』を受け入れる姿勢があれば、子どもは『あるがまま』を存分に発揮するようになるだろう。そのなかには、さまざまな問題性も含まれているに違いない。

 そうしたら、そこに指導者としての願いをもつ。…子どもの内発的動機付けによる変容をねらう。

内気な子は、活発になるように、自己主張ができるように、
活発な子は、落ち着きを見せるように、自制の心をもつように、
短気な子は、辛抱強くなるように、
見栄っぱりな子は、人知れず努力する姿勢が身につくように、
自己中心的な子は、他人の心をおもんばかれるように、
それらは一足とびにというわけにはいかないが、じわじわじわっと、にじみ出るように、豊かな人間性を発揮するようになる。


子どもが内側から成長してゆくように、
「育む」心が大切なんですね。

最近、↑のtoshi先生のブログにお邪魔させていただくことが増えてから、
「学校の中の発達障害児」ということを
考える機会が多くなりました。
中でも考えることが多いのは、「問題解決授業」について。
くわしい内容はまた別の機会に書きますが、
この学習法は、同じ軽度発達障害のなかでもADHD・ADDの子には
能力を発揮する場を提供し、学校で学ぶ意味が高まるように思っています。
LDの子とっても、楽しい授業かもしれません。
しかし、広汎性発達障害の子には、混乱させたり、不安を抱かせたり
する原因にもなるように感じています。
難しい問題だな…と思案中です

 

いつもどうもありがとうございます。