今日も「平成中村座」へ。
「假名手本忠臣蔵」Cプロ。このCプロの構成は少々変わっていて、大序、二段目、三段目、八段目、九段目と出す。つまり桃井家、加古川本蔵とその家族のドラマとしての“忠臣蔵”を見せる。こういう試みは大賛成だ。
二段目は大変珍しい。1986年に国立劇場で全段通し上演がなされた際、二段目は改変されたヴァージョンの「建長寺書院」で出たので、今回の原作に沿った「桃井館」は私も初めて見る(34年ぶりの上演らしい)。これが見られただけでも今回の観劇の意義あり、だ。二段目を知ることで九段目の味わいもまた深まるというもの。
仁左衛門の本蔵の素晴らしさは今更言うまでもなく、勘三郎の戸無瀬もまずは神妙な役作りで手堅い。大曲九段目にて、この大物2人に伍して全くひけをとらず立派だった橋之助(由良之助)と孝太郎(お石)を大いに賞賛したいと思う。
※写真は平成中村座を睨む九代目團十郎の像。
camera: Minolta TC-1 film: Kodak MAX beauty400