ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

演舞場・夜の部

2007年05月12日 | T-PROOF

昨年同様5月の大歌舞伎は、歌舞伎座での「団菊祭」、新橋演舞場での吉右衛門歌舞伎、と、晴海通りをはさんで二座が競演。帝都の歌舞伎、大いに活況を呈す。
で、今日は新橋演舞場の夜の部を観た。

「妹背山・御殿」と「法界坊」。
吉右衛門の鱶七はまことに立派。しかし今回は前段の鱶七の入りがカットされていて、とても物足りなかった(蘇我入鹿も出ないから話がわかりにくくなる)。なので今回は福助のお三輪を観るための一幕ということで。その福助は細かいところまでよく考えられていて、巧い。但しちょっと活発すぎて哀れなたたずまいみたいなものがあまり感じられない。
吉右衛門の法界坊は、十分につっこんで演っていながら、悪ノリまではいかない程の良さがいい。今回は甚三に富十郎が起用されたことで芝居が引き締まった。吉右衛門&富十郎コンビによる決めるべきところをきちっと決めた、歌舞伎の魅力の根本である形と動きの面白さが、この芝居の内容のコミカルな面白さにプラスアルファされた感じ。
「双面」は通常と違って、合体霊を法界坊役の吉右衛門ではなく野分姫役の染五郎が踊る。この舞踊劇はかなり難易度が高いのであろう、染五郎ではまだまだ隙が目立つ。今日の染五郎は、妹背山の求女とあわせてどこか精彩を欠いた感じ。来月の歌舞伎座でも大役につくわけだから、ここはひとつ大事にいってほしい。
他、芝雀のおくみが良かったなぁ。


camera: Kyocera T-PROOF  film: Polaroid HighDefinition plus400