ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

ぷろこぷろ

2007年01月12日 | Pentax K-mount

NHKホールへ。N響定期公演。
シャルル・デュトワ指揮によるオール・プロコフィエフ・プログラム。

セルゲイ・プロコフィエフ作曲:
1.古典交響曲ニ長調 Op.25
2.ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16(p独奏:ユジャ・ワン)
3.カンタータ「アレクサンダー・ネフスキー」Op.78
(Ms:イリーナ・チスチャコヴァ、合唱:東京混声合唱団)

やはりデュトワが振ると音が良くなりますね。
まずは「古典」の面白さ。爽快にスタイリッシュに通す感じではなく、あの手この手で多彩な表現を繰り出してきて音の玉手箱状態。例えば第1楽章第2主題、不意に速度に対する感覚をずらされたかのような奇妙なしかし絶妙な減速、そこへとろとろにやわらかい弱音による主題旋律が「配置」されていくかのような趣。実に面白い。所々にオケの反応の鈍さ、ある意味N響らしい野暮ったさもあったが、まぁまだ1曲目だし。
続いてコンチェルト。5曲あるプロコのP協では3番ばかりが有名で他はどうも人気がない。が、私ゃこの2番が好きなのですよ。とっても美しい曲だと思うのですよ。ナマで聞けるというだけで嬉しい。ピアニストは北京生まれの二十歳の才媛。なかなかの技巧派と見た。明るく硬く、やや細身の音でもってオケとの調和を志向した感じ。大胆不敵さみたいなものは全く感じず。申し分なく充実したオケと相俟って、抒情的な面がきらきら光った安定感のある好演。
「アレクサンダー・ネフスキー」、この曲の実演では02年4月に読響定期で聞いたロジェストヴェンスキー指揮の逞しい演奏が強く印象に残っている。比較して今回のデュトワがクールなネフスキーとなったのは、まあ予想どおりか。「氷の上の戦い」における、実に整然とした、俊敏な描写。これはこれで何やら現代感覚の空恐ろしさが醸し出されて面白い。全般的には、細部までくっきりと指揮者の意図を表現し得た、見通しの良い名演であった。合唱も良かった。
今回もお得なE席1500円なり。


camera: Pentax MZ-3 + FA24-90mmF3.5-4.5  film: Fuji SUPERIA Venus400