ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

鏡花的

2006年07月15日 | TC-1

七月歌舞伎座。玉三郎+おもだか系の若手による座組に海老蔵を加え、ちょっと変わった趣向。
昼夜すべて泉鏡花の作品。これはもう、玉三郎でしか考えられない画期的挑戦的な企画。
昼の部:「夜叉ヶ池」「海神別荘」/ 夜の部:「山吹」「天守物語」
で、今日はまず夜の部を観た。
例によって百八記に良い感想文が出ているので、興味ある方はそちらをどうぞ。

「山吹」は初めて観た。というかこれは本でも読んだことがなかったと思う。おもしろいテーマだ。化け物を出さずに「あっちの世界」の入り口をぽっかり開けてみせる。歌舞伎座でやるにはかなりの異色作だが。笑三郎、段治郎、歌六いずれもしっかり演じていた。もっと深く、濃く表現できうる戯曲だと思うが、歌舞伎座で行う歌舞伎役者の仕事としては、この程度で十分なのかも。
「天守物語」の富姫は玉三郎屈指の当り役。実に堂々としたもの。7年前の前回上演時よりさらに細かく練り上げられていて、非の打ち所なし。海老蔵(図書之助)はまあ良し。春猿(亀姫)はちょっとものたりない。前回は羽左衛門、左團次、吉之丞だった役をそれぞれ猿弥、右近、門之助が勤めたが、大健闘上出来。
昼の部は後日観に行く予定。

芝居とは関係ないが、鏡花といえば、久しぶりに読み返してみたいものがいくつかある。『国貞ゑがく』とか『縷紅新草』とか・・・・。


camera: Minolta TC-1  film: Fuji NATURA1600