飯守泰次郎指揮東京シティフィル、今年度最後の定期公演。オペラシティにて。
まずは三輪郁の独奏でベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。これは佳演。ピアノもオケも、曲想に応じて情感を丁寧に表現し、それがしっかり伝わってくる。曲本来の良さが十分味わえる正攻法の良さ。
メインはシューベルトのハ長調シンフォニー「ザ・グレート」。
これはもう、凄い演奏。
一気呵成の推進力。煽る煽る、ぐいぐい引っ張る。ただ豪快な演奏というのでなく、曲の髄まで剔り出さんばかりの踏み込みの深さと両立してるところが凄い。没入すればするほど、曲の骨格がはっきり現出し、ドイツ音楽の骨っぽさが露わになっていくのがこの指揮者の特徴だと思っている。陶酔型の恣意的な演奏とは全く違うのだぞ。
これほどフルパワーで飯守節が全開し、なおかつオケが最後までついて来られたことは、思うに久しぶりかも。
今日は飯守泰次郎大当たりの巻でした。興奮。
camera: Ricoh R1s film: Kodak GOLD200