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2015年2月12日

2015-02-15 22:28:27 | 感染症

腺ペストのボトルネック: 科学者はペストに関する定説をひっくり返す
Bubonic bottleneck: Scientists overturn dogma on the plague



科学者たちは何十年もの間、腺ペスト(bubonic plague)を引き起こす細菌は蚤に食われた跡(fleabite)で宿主の細胞をハイジャックして、そこからリンパ節に向かうと考えてきた(ペスト菌はリンパ節で増殖して重い疾患を引き起こす)。しかし、ノースカロライナ大学医学部研究者は、この広く認められた理論が勘違い(off base)であることを発見した。

細菌は宿主の細胞を使わない; 細菌は独力で、そして少数だけがリンパ節に移動する。実際には、ペストを引き起こす細菌であるペスト菌(Yersinia pestis)の大部分 は、ボトルネックとなる皮膚やリンパ節への途中、またはリンパ節それ自体のいずれかで捕らえられる。ほんの少数のペスト菌だけは逃げ出して、リンパ節を感染させて疾患を引き起こす。



標準治療の抗生物質は十分に早く服用すればペスト菌に対して有効である。しかし感染は何日も気付かれずに進行することが可能であり、それが診断を難しくする。抗生物質は効きにくくなり、細菌の感染は長期化する。

ペスト菌は3種類のペストを引き起こす:
腺ペスト(bubonic plague; 蚤に食われた跡から感染する);
肺ペスト(pneumonic plague; 細菌を吸い込むことによって感染する);
敗血性ペスト(septicemic plague; 重い血液の感染症)。

微生物学と免疫学の教授であり論文のシニア著者のヴァージニア・ミラー博士たちの研究チームは、肺ペストと腺ペストを調査している。

3年前、当時UNC大学院生だったRodrigo Gonzalez博士(現在はハーバードのポストドクター)は文献を検索し、ペスト菌は蚤に食われた跡からリンパ節まで食細胞(phagocyte)によって移動するという一般に認められている概念を確認した。培養した食細胞にペスト菌を加えると食細胞は細菌を取り込むので、科学者はこの考えを容易に受け入れた。食細胞は基本的に有害な微生物を食べてリンパ系からリンパ節まで移動するので、科学者は必然的に食細胞がペスト菌をリンパ節へ連れて行くという結論に至った。

しかし、注射とは異なり、蚤に食われた跡は皮膚のすべての層を貫通しないということをGonzalezとミラーは知っていた。ノミと蚊の噛み傷は皮内(intradermal)であり、それらは皮膚の層の中で生じる。Gonzalesとミラーは、この長い間保たれてきた理論をテストすることは価値あるプロジェクトであることに同意した。

Gonzalezは、正確な量の細菌がマウスの皮膚から移動するように蚤の咬傷を研究室で模倣するための適切な方法を数ヵ月かけて作り出した。続いてミラーの研究チームは10種類の特別なDNA配列を作成して、それらをペスト菌の染色体に加えることで10種類の異なる菌株を作製した。この配列は細菌の毒性には影響を及ぼさないが、微生物にタグ(標識)を付けて、どの細菌が「噛み傷」からリンパ節まで移動したのか特定できるようにする。

「10系統の内、リンパ節にたどり着くのは一つか二つだけだと判明した」、ミラーは言う。

「しかしそれらの菌の到着は早く、細菌が注入されて5分から10分以内だった。もし細菌が宿主の細胞の中で一緒に移動するなら、素早く移動することはないだろう。宿主の細胞の動きは遅いからである。細菌は液体の中を流れるように移動できるが、細胞はどちらかと言えばリンパ系の中を這って動く。」



ミラーの研究チームは現在、感染できない大部分のペスト菌はどのようにリンパ節への感染を阻害されているのか知るための実験を実施している。

「我々は、脆弱性の1つを発見したかもしれない」、ミラーは言う。

「その脆弱性の利用は、ペスト菌と他の昆虫媒介性の病原体を打ち破る新しい方法につながる可能性がある。」

記事出典:
上記の記事は、ノースカロライナ大学医学部によって提供される素材に基づく。

学術誌参照:
1.高度に有毒な病原体の伝播: 感染を特徴づける早期の事象を追跡する。

PLOS Pathogens、2015;

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/01/150129125459.htm



<コメント>
ペスト菌(Yersinia pestis)の感染経路は従来考えられていたものとは異なるかもしれないという記事です。

関連記事にもありますが、ほんの数ヶ月前にペスト菌が樹状細胞(dendritic cells)と単球(monocytes)に感染したまま鼠径(groin)等のリンパ節に移動する(その後S1Pアゴニストで刺激するとリンパ節に留まり生存が改善する)というImmunityの研究記事が掲載されたばかりでした。



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