研究者は、脳腫瘍を『動かす』ために、癌移動メカニズムを乗っ取る
グリア芽細胞腫癌の処理を非常に困難にする要因の1つは、腫瘍からの悪性細胞が神経線維と血管の後を追うことによって脳の全体を通じて蔓延し、新しい位置に押し寄せるためである。
今、研究者はこの遊走性の機序を乗っ取ることを学んだ。
そして、ヒトの毛より薄いナノ線維のフィルムを用いて、それに腫瘍細胞を誘い出す。
この技術を使用して、研究者は手術不能位置からより近づきやすい人まで腫瘍を部分的に動かすことができるかもしれない。
「癌細胞は、通常これらの自然の構造に接着して、脳の他の部分に、モノレールの様なそれらに乗る。
我々は代わりの魅力的な線維を提供することによって、選ぶ目的地への異なる道に沿って、腫瘍を効率的に動かすのです。」
腫瘍細胞は浸潤を起こらせる酵素を分泌することによって健康な組織に概して浸潤する。
その活動は、癌細胞からかなりなエネルギー量を必要とする。
「我々の着想は、腫瘍細胞に最少の抵抗(脳の点で自然の構造に似ているが、それがよりこれ以上のエネルギーを費やすことを癌細胞に要求しないので魅力的である1つ)の通り道を与えることになっていた」、彼女は説明した。
研究者は、ポリウレタン・キャリアで囲まれるポリカプロラクトン(PCL)ポリマーからされる線維をつくった。
学術誌参照:
1.皮質内脳腫瘍細胞を整列する重合体ナノ繊維を用いた外部皮質細胞毒性ハイドロゲルへ導くこと。
Nature Materials、2014
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/02/140216151409.htm
<コメント>
転移するような悪性腫瘍を完全に摘出するのが難しいのなら、自分から移動させて外に追い出してしまえ、という発想の転換です。
悪性腫瘍が糖尿病のような「死なない」病気になるかもしれない。
そんなことを考えられる日が来るとは夢にも思いませんでした。
すごい技術と発想だと思います。