機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

陰茎癌のプレシジョン・メディシンに向けた最初の一歩

2015-12-29 06:16:10 | 癌の治療法
Researchers take first step in precision medicine for penile cancer

Defining the genomic landscape reveals similarities with other squamous cell cancers

December 15, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151215091352.htm

まれな癌(男性の癌の17%)である陰茎癌では患者の多くが手術を必要とするが、悪性のタイプでは治療オプション、特に分子標的治療がほとんど存在しない

ミシガン大学総合がんセンターの新しい研究は陰茎癌に関する複雑なランドスケープを記述したものである
これは分子標的治療の臨床試験が潜在的に有効である可能性を示唆するが、患者の中には効果が限られる場合もあるとする

「原発腫瘍と転移組織との間の遺伝子の変化と変動性variabilityに基き、
陰茎癌における最適な標的治療の決定は他の癌よりも複雑で厄介であることがわかった」
ミシガン大学メディカルスクールの病理学と泌尿器学の助教授/assistant professorであり研究の首席著者であるScott A. Tomlins, M.D., Ph.D.は言う


研究者は43人の扁平上皮陰茎癌の患者で次世代シーケンシングを実施した
患者はステージ、グレード、サブタイプが異なり、14のサンプルが原発腫瘍と転移した組織を含むように照合された

分析の結果、KRAS、HRAS、NRAS遺伝子変異の共通する組み合わせが見つかり、EGFR遺伝子にも変異が見られた

結腸癌に一般的に用いられるEGFR阻害剤に対してKRASまたはERASが変異した腫瘍は抵抗性を示すが、
重要なことに、陰茎癌でもEGFR阻害剤を使った臨床試験が計画されている
これは臨床現場での応答例を元にした逸話的な/不確かなanecdotal報告に基いてのものだ

※anecdotal: 逸話的な (個々の経験に基づいた臨床経験の報告)

Tomlinsは言う
「結腸癌ではHRAS変異がほとんど存在しないので、EGFR阻害剤への抵抗性を予測するためのHRAS試験は実施されていない
しかしKRAS、HRAS、NRASの生物学的な知識を元に、それらがHRASも含めて実際に抵抗性を引き起こすことを我々は予測している
陰茎癌でHRAS変異は比較的共通して見られるため、これが腫瘍のEGFR阻害剤への応答に影響する可能性がある」

加えて、研究者は原発腫瘍と転移先の骨盤リンパ節pelvic lymph nodeでの違いも発見した
ほとんどの癌で最良の治療標的は原発腫瘍と転移先で同じであり、これは遺伝子の変化が癌の発達の早くに生じることを示唆する
今回の研究結果は悪性の陰茎癌は転移が始まっている時にも変異が起きることを示すもので、
患者に最適な治療標的を同定するために腫瘍の一つ以上の領域を調べる必要がある

「陰茎癌では、一つの変異に一つの薬をマッチさせるというほど単純ではないかもしれない
戦略を決定するために一つ以上の領域から全体的にゲノムプロファイルを得なければならない」


研究では癌のタイプを網羅して最も共通する遺伝子多型を評価する『腫瘍包括パネル/Oncomine Comprehensive Panel』という新たな分析法/アッセイassayを用いたシーケンシングが実施された
このアッセイでは、承認されているか臨床試験で研究中の潜在的な治療法と関連する多型を含むようフィルターされる
アッセイは国立癌研究所のMATCH試験で使われ、ミシガン大学とThermo Fisher Scientificの研究者によって開発され検証された

陰茎癌は男性の全ての癌の17%というまれな疾患だが、
研究では肺癌や頭頸部癌、子宮頸癌など他の扁平上皮癌との重要な類似性も明らかにした

Tomlinsは言う
「これはより優れ、よりインフォームドな陰茎癌の試験をデザインするためのロードマップを提供する
我々の研究は潜在的な治療アプローチを先導するものだ
これは未来のより個別化された臨床の試験と治療へと向けた新たな扉を開くために我々が必要とする基本的な知識である」


http://dx.doi.org/10.1158/0008-5472.CAN-15-1004
Genomic Profiling of Penile Squamous Cell Carcinoma Reveals New Opportunities for Targeted Therapy.



関連記事
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/05/150512103305.htm
May 12, 2015
Neoplasia誌で発表されたTomlinsが首席著者の論文は、新たな分析法である『Oncomine Comprehensive Assay』について記述している



関連サイト
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/nci_bulletin/index.php?page=article&storyid=298
2009年5月5日
ミシガン大学医学部の研究者らは一部の前立腺腫瘍における特定のパターンを示す遺伝子活性を調べるため、Oncomine [オンコマイン]というオンラインデータベース検索のアルゴリズムを開発した。



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/4de8a98f57003cc3904049f1b3072988
脳に転移した56%の患者で原発腫瘍には見られない薬剤の標的となりうる遺伝子の変化が転移先に見つかる



関連サイト
http://www.kegg.jp/dbget-bin/www_bget?ds_ja:H00025
病因遺伝子
H-ras (mutation) [HSA:3265] [KO:K02833]
 


最新の画像もっと見る