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2015年1月2日

2015-01-04 23:21:46 | 代謝

すべての太った人が過剰な体重と関連する代謝的な問題を生じるわけではない
Not all obese people develop metabolic problems linked to excess weight



ワシントン大学医学部のSamuel Klein医学博士たちの新しい研究によれば、肥満は必ずしも糖尿病や心疾患、脳卒中などにつながるような体内の代謝性変化と関連するわけではない。肥満者の中には肥満と関連する代謝的な異常がない人たちがいる。異常とは例えば、インスリン抵抗性、血中脂質の異常(高トリグリセリドと低HDLコレステロール)、高血圧、肝臓脂肪の過剰などである。

加えて、研究が開始したときにこれらの代謝的な問題がなかった人々は、体重がさらに増加したあとでさえ問題は発生しなかった。この研究結果は1月2日にJCIで発表される。



研究には20人の肥満者(BMI35前後、体重約100キロ)が参加し、数ヵ月間で体重を約15ポンド(6.8キログラム)増やすように求められた。余分な体重がどのように代謝機能に影響するかを確かめるためである。

「我々の目的は、参加者が毎日1,000キロカロリー余分なカロリーを消費してそれぞれの体重が6パーセント増えるまで研究することだった」、筆頭著者のElisa Fabbrini医学博士は言う。

「これは容易ではなかった。体重を減らすのと同じくらい、増やすのも困難である。」

被験者は全員、栄養士の管理下でファストフード店で食べることによって体重を増やした。研究者は、厳密に調節された一人前のサイズと栄養の情報を提供するファーストフード・チェーン・レストランを選択した。研究者は、被験者の体重増加の前後にそれぞれの体組成、インスリン感受性、血糖を調節する能力、肝臓の脂肪などの代謝的な健康状態を慎重に調べた。

その結果、研究が開始したとき正常範囲だった肥満被験者は、体重が増えた後も代謝性プロファイルは正常なままだった。しかし、研究が進む中で代謝性プロファイルがすでに異常だった肥満の被験者は、体重が増えた後の代謝性プロファイルが著しく悪化した。

「肥満の人々の中には中程度の体重増加による有害な代謝的影響から保護される人たちがいる一方で、それらの影響を受けやすい人もいることを我々の研究は証明する」、ワシントン大学ヒト栄養学センターのディレクターであるSamuel Klein医学博士は言う。

「この観察は臨床的に重要である。なぜなら肥満の人の約25パーセントには代謝性合併症(metabolic complications)が存在しないからだ」、彼は付け加えた。

「我々のデータは、彼らは体重が増えた後でさえ代謝的に正常なままであることを示す」、老人病医学部と栄養学部、そしてアトキンス肥満医学一流センター(Atkins Center of Excellence in Obesity Medicine)を管理するKleinは言う。

研究者は、代謝的に問題を持つ肥満者と正常な被験者を識別するためのいくつかの重要な測定値を特定した。1つは、肝臓内の脂肪(intrahepatic triglyceride)の存在である。異常代謝を持つ人々の肝臓には脂肪が多く蓄積した。

もう一つの違いには、脂肪組織の遺伝子の機能が含まれる。太っているにもかかわらず正常な代謝の人々は、脂肪の産生と蓄積を調節する遺伝子をより多く発現した。そして代謝的に正常な人々は、体重が増えたときでさえそれらの遺伝子の活性は増加した。それは代謝異常のある被験者には当てはまらなかった。

「これらの結果が示唆しているのは、健康なやり方で体脂肪が拡張して増加できれば、肥満と体重増加に関する代謝的な問題から保護されるという可能性である」、Kleinは言う。



研究が進む中、HBOのドキュメンタリー「国の重さ」で特集された。研究にフォーカスした10分間の特集は、以下のHBOビデオ中の42:10から始まる:

https://www.youtube.com/watch?v=-pEkCbqN4uo

記事出典:
上記の記事は、ワシントン大学医学部によって提供される素材に基づく。


学術誌参照:
1.代謝的に正常な肥満の人々は、体重増加の後でも有害な影響から保護される。

JCI、2015;

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/01/150102172716.htm

<コメント>
太っている人の中には、血液検査などで異常が見られない代謝的に正常な人がいます。その正常な人と異常な人との違いは、皮下(subcutaneous)脂肪組織での脂肪生成(lipogenesis)に関する生物学的経路と遺伝子発現が増加するかどうかによるという記事です。

代謝的に問題がない人は、腹部などの皮下脂肪組織(abdominal adipose tissue)での脂肪生成やグルコース取り込みが増加して肥満による影響から守られますが、そうでない人は肝臓内の中性脂肪(intrahepatic triglyceride; IHTG)が蓄積して、インスリン抵抗性などの数字が悪化しました。

具体的な数字はというと、正常群では平均2.4%だったIHTGが体重増加後は3.9%になり、異常群では15.2%から22.8%に増大しました。肝臓の重量/体重比を3.0%程度とすると、被験者たちの体重は約100kgなので、肝臓内の中性脂肪の量は研究開始時で70g対450gと6倍以上も異なっていたことになります。

以前にも、肥満ながら代謝が正常な群と異常な群についての記事がCellに掲載されていました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/0944228ce81312199f7a259264b435d8
>肥満であるとされる人の4分の1は代謝的に健常で、2型糖尿病を発症する危険が高くない。肥満は糖尿病の重大なリスク因子だが、2つの条件は必ずしも連鎖していない。
>Cellで7月3日に発表される研究によれば、ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)という分子のレベルが高い肥満の人は代謝性健康が劣っており、2型糖尿病のリスクの増加と関連がある。