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2015年1月7日

2015-01-13 23:45:55 | 癌の治療法

驚愕: 高用量テストステロン治療は、前立腺癌が進行した患者を救う
Surprise: High-dose testosterone therapy helps some men with advanced prostate cancer



男性ホルモンであるテストステロンは、概して前立腺癌の供給装置(feeder)であると考えられてきた。しかし逆説的だが、テストステロンは進行した前立腺癌を抑制することが明らかになった。さらに、テストステロンは前立腺癌の治療に用いられるテストステロン遮断薬に対する抵抗性も覆すかもしれない。このジョンズ・ホプキンス・キンメルがんセンターの科学者による発見は、Science Translational Medicineの1月7日号で報告される。

16例の転移性前立腺癌患者の小規模な試験を指揮した医学腫瘍学者Samuel Denmeade博士は、次のように警告する。テストステロン投与のタイミングは決定するのが非常に困難であるため、薬局で買えるテストステロン・サプリメントでの勝手な治療を試みるべきでないと言う。先行研究では、特に活動性の進行がんの患者が間違った時にテストステロンを服用し、そしてテストステロン遮断治療を受けていない場合、疾患が悪化する可能性が示されている。



前立腺癌が転移する患者に対して、医師は概してテストステロン産生を阻害する薬を処方するが、がん細胞はこのホルモンを低下させる手段に最終的に抵抗性になる。すると医師は、前立腺癌のテストステロン受容体を阻害する薬(例えばエンザルタミド)へと切り替える。

しかし、このアンドロゲン遮断治療(androgen deprivation therapy)と呼ばれるテストステロン産生とテストステロン受容体を阻害する薬の併用は、時間とともに前立腺癌をより悪性化させるかもしれない。前立腺癌は、テストステロン受容体を多く作ることにより阻害療法をくつがえすことができるようになるからである。

このような背景のもと、研究者は前立腺癌細胞にテストステロンを殺到させるとホルモン・ショックによって死ぬ可能性があるという考えに基づくアプローチを検証した(supraphysiologic testosterone; 超生理学的テストステロン)。癌細胞はテストステロン受容体を作らなくなることで反応するかもしれないが、それにより再び前立腺腫瘍細胞はアンドロゲン遮断療法に対して脆弱になるかもしれない。



Denmeadeたちは、ジョンズ・ホプキンスで転移性前立腺癌のテストステロン低下治療を受けていた16人の人間を登録した。全員が以前アンドロゲン遮断療法の少なくとも1つのタイプで治療されていた。彼らは前立腺特異抗原(PSA)レベルが増加し、前立腺癌の血液マーカーならびに抵抗性を生じたというx線写真によるエビデンスがあった。

彼らはテストステロンの筋肉注射の28日サイクルを3回と、化学療法薬エトポシドを2週間受けた。3サイクル後にPSA値が減少を示した患者は、テストステロン注射だけを継続した。

16人のうち、2人は研究を完了しなかった:1つはエトポシドに起因する肺炎と敗血症で死亡した。もう1人はテストステロンの副作用である遷延性勃起(prolonged erection)を経験した。

試験で残った14人のうち、7人はPSA値が30%から99%低下し、癌の徴候は安定するか、もしくは重症度が低下した。7人はPSAが減少を示さなかった。7人のうちの4人は、12~24ヵ月の間、より低いPSA値のままテストステロン治療を継続した。

転移癌を画像化スキャンで評価された10人のうち、5人は半分以上の腫瘍収縮を経験し、1人は腫瘍が完全に消えた。

「驚くべきことに、我々は合計で10人のPSA減少を観察した。そのうち4人は、試験の間PSAが変化しなかった。彼らはテストステロン治療後にテストステロン遮断薬を与えられていた」、Denmeadeは言う。

科学者はこれらの結果が、エンザルタミドのようなテストステロン遮断薬に対して最終的に生ずるテストステロン抵抗性を、テストステロン治療が覆す可能性があることを示唆するという。

研究が2010年から始まってから参加者の3人が死亡したが、残りは今もなお生存している。エトポシドのサイクルの間、その多くは化学療法の通常の副作用を経験した(悪心、疲労、毛髪喪失、腫脹、血球の減少)。しかし、テストステロン注射だけを受けた参加者の副作用はまれであり、常に低グレードだった。

Denmeadeは、より多くの研究がジョンズ・ホプキンスと他の病院で計画されていると言う。

記事ソース:
上記の記事は、ジョンズ・ホプキンス・メディシンによって提供される素材に基づく。

学術誌参照:
1.去勢抵抗性の前立腺癌の無症候性の人間に対する、双極性の男性ホルモン療法の影響:
パイロット臨床研究からの結果。

Science Translational Medicine、2015;

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/01/150107204449.htm

<コメント>
テストステロンを欠乏させる療法に抵抗する前立腺癌に対して、テストステロンを大量に投与する療法が効いたという記事です。

癌細胞の不安定さとそれによる脆弱性について言及した記事がつい最近もありました。

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/12/141202093630.htm
癌細胞に化学療法が効かなくなるのは、染色体が不安定で、増殖のたびに増えたり減ったりしているためである(染色体不安定性chromosomal instability)。そのため癌細胞には「ストレス」があり、ほんのわずかな代謝的の変化で癌細胞は死ぬ。

癌細胞を殺すために必要なのは、代謝的なひと押しだけである(it only takes a small metabolic push to kill them)。
今の化学療法は、癌細胞だけでなく、分裂する細胞すべてに毒である。


http://www.adelaide.edu.au/news/news75102.html
これは「極端な食事を続ける」ような代替療法に正当性を与えるものだろうとGregory博士は言う。

「化学療法に反応しないような進行がんの患者は、しばしば極端な食事療法のような様々な代替療法に救いを求める。」

「ある状況では、それは実際にうまくいくかもしれない。しかし我々は、より標的を絞ったアプローチ(more targeted approach)の方向を指し示すことができればと思う。最良の結果を生むであろう代謝的プロセスにおける介入への、最も適した行程を見つけたい。」