『好ましい』肥満についての説明
肥満であるとされる人の4分の1は、代謝的に健常で、2型糖尿病を発症する危険が高くない。
肥満は糖尿病の重大なリスク因子だが、2つの条件は必ずしも連鎖していない。
学術誌Cellで7月3日に発表される研究によれば、ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)という分子のレベルが高い肥満の人は代謝性健康が劣っており、2型糖尿病のリスクの増加と関連がある。
肥満でインスリン抵抗性の高い人は、肥満でも代謝的に問題がない人と比較して、肝臓と脂肪組織の生検でHO-1のレベルが高いことを研究者は発見した。
研究者がマウスでマクロファージのHO-1遺伝子を削除すると、炎症の分子の徴候は減少した。このことはHO-1が炎症を促進することを示唆する。
さらに、肝臓またはマクロファージのHO-1遺伝子を欠失させたマウスは、高脂肪食を与えられても肝機能は良好で、インスリン感受性は増大した。
学術誌参照:
1.ヘム・オキシゲナーゼ-1は、マウスと人でMetaflammation(慢性的な代謝性炎症)とインスリン抵抗性を引き起こす。
Cell、2014;
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140703125528.htm
<コメント>
肥満の人でもHO-1が発現していない人はインスリン抵抗性や慢性的な炎症が起きず、代謝的には健康であるという研究です。
逆に言うと、痩せていてもHO-1が発現している人は不健康ということになるのかもしれません。
![](http://www.cell.com/cms/attachment/2015862676/2036785888/fx1.jpg)