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2014年12月17日

2015-01-01 23:28:36 | 免疫

多くのアレルギー反応は、単一のタンパク質に由来する
Multiple allergic reactions traced to single protein



ジョンズ・ホプキンスとアルバータ大学の研究者は、薬剤や他の複数の物質に対して起きる危険で苦痛を伴うアレルギー反応の原因として、単一のタンパク質を特定した。この問題となるタンパク質を標的にする新しい薬が発見されれば、前立腺癌から糖尿病、そしてHIVまで、あらゆる治療の円滑化を助けるかもしれないと研究者は言う。彼らの研究結果は12月17日にネイチャー誌で発表された。



先行研究では、様々な薬の注射部位で起きる痛みとかゆみ、そして発疹のような反応を追跡して、免疫システムの一部である肥満細胞まで行き着いた。本来、肥満細胞の表面上にある特殊な受容体が警告シグナルである抗体を検出すると、細胞は急速に活性化してヒスタミンと他の物質を放出して炎症を誘発し、その領域に他の免疫細胞を引き寄せる。

それらの抗体は細菌やウイルスなどの『脅威』に反応したB細胞やT細胞など他の免疫細胞によって作られるが、しかし「これらの注射部位の反応の多くがアレルギー性反応のように見えるにもかかわらず、奇妙なことに抗体が作られていないのである」、ジョンズホプキンス大学医学部で基礎生医科学研究所の神経科学部の准教授であるXinzhong Dong博士は言う。

その反応の原因を明らかするため、Dongの研究室のポストドクターであるBenjamin McNeil博士はまず初めにマウスではどの肥満細胞の受容体が薬に反応するかを明らかにしようと試みた。先行研究ではアレルギー反応の原因になりそうなヒトの受容体が特定されていたが、McNeilはそのヒトの受容体と同様にマウスの肥満細胞だけに存在する受容体Mrgprb2を発見した。

彼は次にラボで育てた細胞にその受容体を組み入れ、それらは実際に薬剤に反応して肥満細胞の応答を引き起こすことを明らかにした。彼はヒト受容体に関しても同様の結果を先行研究から発見した。先行研究はヒト受容体が原因である可能性を示していた。

「全ての薬が単一の受容体を始動させることがわかったことは幸運である。それはその受容体を魅力的な薬標的にする」、McNeilは言う。

受容体を消去することが本当にアレルギー反応を取り除くかどうかを明らかにするため、研究チームはマウスで疑惑の受容体をコードする遺伝子を無効化した。これらの「ノックアウト」マウスでは、遺伝的に正常なマウスが示したようなどんな薬物アレルギー症状も起きなかった。

研究者は現在、原因となる受容体(ヒトではMRGPRX2)を安全に阻害できる化合物を発見しようと研究に取り組んでいる。その化合物は本当のアレルギー反応、つまり抗体を産生するような反応は阻害せず、MRGPRX2によって引き起こされるアレルギー様反応(pseudoallergic reactions)だけを阻害する。

MRGPRX2を起動させる薬剤は、例えば抗がん剤のcetrorelix、ロイプロリド、オクトレオチド、HIV薬のsermorelin、フルオロキノロン類抗生物質のレボフロキサシン、手術中に筋肉を麻痺させるために用いられる神経筋遮断薬のロクロニウムなどである。

Dongの研究グループは、MRGPRX2が免疫性病態(例えば薬剤使用から生じていない酒さと乾癬)の裏にある可能性も調査している。

記事供給源:
上記の記事は、ジョンズ・ホプキンス・メディシンによって提供される素材に基づく。

学術誌参照:
1.薬のアレルギー様反応にとって重要な、肥満細胞に特異的な受容体の同定。

Nature、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/12/141217141035.htm

<コメント>
マスト細胞は抗体に反応してヒスタミン等を分泌しますが、薬剤アレルギーでは抗体がなくても反応が起きます。そのような薬剤アレルギーの原因がマスト細胞のMRGPRX2というGタンパク質共役受容体(マウスではMrgprb2。ヒトのX2のオルソログ/orthologue)であることが明らかになったという記事です。

Figure3Figure4で様々な薬剤が挙げられていますが、THIQ(Tetrahydroisoquinoline; テトラヒドロイソキノリン)モチーフに類似した構造が共通しているようです。