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興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

2014年9月17日

2014-09-20 10:53:17 | 代謝

アジア系のアメリカ人は、伝統的な食事によりインスリン抵抗性が下がる
Asian Americans lower insulin resistance on traditional diet



なぜアジア系のアメリカ人は、白色人種のアメリカ人よりも2型糖尿病を発病する危険が高いのか?

そして、なぜ彼らは低い体重でも疾患を発病する傾向があるのか?

この難問の答えの1つは、高線維と低脂肪の伝統的なアジア系の食事から、現在の西洋化された食事への移行である。そしてそれはアジア系の遺伝子を持つ人々のリスクを増すのだと、ジョスリン糖尿病センターのシニア・バイス・プレジデントであるジョージ・キング医学博士は言う。

ジョスリン糖尿病センターによる無作為臨床試験で厳密に管理された伝統的なアジア系の食事は、2型糖尿病の危険性が高いアジア系のアメリカ人と白色人種のアメリカ人のどちらもインスリン抵抗性を下げることを証明した。

さらに、参加者たちが典型的な西洋の食事へ切り替えると、アジア系のアメリカ人は白色人種のアメリカ人よりもインスリン抵抗性が大きく増加した。

その上、伝統的なアジア系の食事を食べた人たちはLDLコレステロールが低下した。

キング博士は言う。

「アジア系の食事で体重を減らないようにするのはほとんど不可能だった。しかもそれは食事がおいしくなかったせいではない!」

学術誌参照:
1.同エネルギーの伝統的な高炭水化物アジア食によるインスリン感受性の改善:
無作為抽出パイロット事前調査(Feasibility Study)。

PLoS ONE、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140917151935.htm

<コメント>
最近「炭水化物は血糖値を上げるので健康に良くない!」などと主張して肉と卵と乳製品しか食べないアホ奇特な人たちがいるようですが、実際は真逆が正解だったようです。

高炭水化物・高繊維・低脂肪の「とてもおいしい」食事は、「体重が減らないようにするのが難しい」というのが今回のジョスリン糖尿病センターの主張です。

合成甘味料は腸内細菌に影響して血糖値を上げるという研究も発表されました。被験者のウンコを無菌マウスに移して確かめるという手法が秀逸です。

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140917131634.htm

>Certain gut bacteria may induce metabolic changes following exposure to artificial sweeteners.

2014年8月26日

2014-09-03 11:26:43 | 代謝

脂肪の蓄積を調節する受容体
Discovery explains how receptor regulates fat accumulation in obesity



スウェーデンのカロリンスカ研究所Karolinska Institutet)の研究によれば、脂肪の分解を増加させるシグナルに対する脂肪細胞の感度は、受容体ALK7との関連がある。



ALK7受容体は、代謝の制御に関与する脂肪細胞と組織で主に見られる。

ALK7に突然変異があるマウスはALK7が機能するマウスより脂肪の蓄積が少ないが、これまでその理由は不明だった。



研究者は脂肪細胞だけがALK7を持たないマウスを作製して、ALK7受容体がない脂肪細胞はアドレナリンとノルアドレナリン・シグナルへの感受性が高まることを明らかにした。

通常、アドレナリンとノルアドレナリンは脂肪の分解を促進する。

しかし栄養分が豊富な時、脂肪細胞はシグナルに抵抗して代わりに脂肪を貯めこむようになる。



研究者は、ALK7を阻害することによって肥満の防止が可能かどうか調査した。

現時点ではALK7の阻害剤は存在しないが、ALK7の特定の突然変異をマウスを生じさせることによってこれを解決した。

この突然変異は化学物質による阻害に対して感受性にするため、いつでもマウスの受容体を妨害することが可能になった。



「このアプローチにより我々は、高脂肪食を与えても化学物質を投与するだけでマウスをより痩せているようにすることができた。これは、ALK7受容体の急性の阻害が成体の動物で肥満を防止できることを示唆する」、神経科学部のTingqing Guoは言う。

研究者はさらに、ヒトの脂肪細胞でも、ALK7受容体がマウスと似たような方法で働くことを示した。

記事供給源:
上記の記事は、カロリンスカ研究所により提供される材料に基づく。

学術誌参照:
1.脂肪細胞のALK7は、肥満において栄養の過負荷とカテコールアミン抵抗性を関連づける。

eLife、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140826085726.htm

<コメント>
脂肪細胞のALK7という受容体をノックアウトすると、高脂肪食でもアドレナリン・ノルアドレナリンに抵抗性が起きず、太りにくくなったという記事です。

具体的には、ノックアウトによりβ-アドレナリン受容体の発現、β-アドレナリンシグナル、ミトコンドリア生合成、脂肪の分解と酸化が促進されたとAbstractにあります。

アドレナリン等のホルモンへの抵抗性の仕組みは、より具体的には高脂肪食によるALK7シグナルを介してβ-アドレナリン受容体(ADRB2ADRB3)やホルモン感受性リパーゼ(HSL)等の発現が減少し、さらにRGS2(Regulator of G protein signaling 2)の発現が上昇して、アデニル酸シクラーゼ(とcAMP/PKA)が阻害されるためであるようです。

http://elifesciences.org/content/3/e03245

>In addition, expression of the negative regulator of adrenergic signaling Rgs2, an inhibitor of adenylate cyclase, was elevated after a high fat diet in the adipose tissue of wild type mice but not in Alk7 knock-out mice (Figure 5G) or fat-specific Alk7 knock-out mice (Figure 5H,I).


RGS2はさらにCrtc3(CREB Regulated Transcription Coactivator 3)のような調節因子と協力すると本文にあります。

>possibly by cooperating with intermediate regulators, such as Crtc3.


研究で使われているALK7のリガンドのアクチビンBはインヒビンβBサブユニットのホモダイマーで、構造的にTGF-βに類似しています。

アクチビンBと、もう一つのリガンドGDF-3は、高脂肪食/肥満により脂肪細胞で発現が増加することが明らかになっています。

>A high fat diet and obesity increase adipocyte expression of the two main ALK7 ligands activin B and GDF-3, suggesting enhanced ALK7 signaling in obesity.

最近は高脂肪食でおなかいっぱい食べても痩せるというダイエットが広まっているようですが、今回の記事はそのような珍説に疑いを抱かせるには十分だろうと思います。

アドレナリンは熱の産生も促進するため、高脂肪食により「アドレナリン抵抗性」が褐色脂肪細胞でも起きるとすれば、体温が低下しやすくなるのではと思います。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/b7d30af07b3db4b916c15070e4044793

>褐色脂肪は寒冷やエピネフリンなどのホルモンによってスイッチがオンになり、熱発生遺伝子(thermogenic gene)という遺伝子グループの作用により熱を発生させる。

2014年8月20日

2014-08-27 09:40:56 | 代謝

膵臓の驚くべき再生ポテンシャル
Astonishing regeneration potential of the pancreas



思春期までの膵臓は、以前仮定されたよりも順応性があり、自然治癒の大きなポテンシャルを持つ。

これは国立研究プログラム「幹細胞と再生医療」(NRP 63)を通して資金助成されたマウスの研究によって達する結論である。



1型糖尿病は膵臓のベータ細胞の減少によって引き起こされる。ベータ細胞は再生しないので、科学者はこれらの細胞の減少が不可逆的であると伝統的に仮定してきた。

4年前、ジュネーブ大学のペドロウ・エレーラ(Pedro Herrera)の研究チームはこの仮定に初めて疑いを投げかけた。

遺伝子を修正した糖尿病マウスのアルファ細胞が、少数ながらベータ細胞に変化したことを証明したからである。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20364121



今回、エレーラの研究チームは、思春期前のマウスの膵臓がインスリン産生ベータ細胞の減少を補うことができることを発見した。

「これはこれまで不明なメカニズムによって達成される」、エレーラは言う。

実験の過程でソマトスタチンを生じるデルタ細胞は前駆体様の細胞状態に先祖返り(reversion)した。それらは増殖して、後期にはベータ細胞とデルタ細胞の集団を再形成した。

前回の実験でわずかなアルファ細胞集団が変換したのとは対照的に、今回のデルタ細胞の運命変化を含む新しいメカニズムは、ベータ細胞の減少の相殺と糖尿病を回復するためのより効率的な方法である。

しかし、アルファ細胞の変換は年老いたマウスでもベータ細胞へと再プログラムすることはできたが、デルタ細胞からベータ細胞への再プログラム能力は限定的で、思春期を過ぎて延長はしない。



エレーラたちはマウスで膵臓細胞の融通性(versatility)を調査したが、ヒトの糖尿病患者でのいくつかの観察はヒトの膵臓も転換(transformation)できることを示唆する。

学術誌参照:
1.膵臓δ-細胞の年齢依存的なインスリン産生細胞への変換による糖尿病回復。

Nature、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140820164406.htm

<コメント>
若い時に限って、デルタ細胞はベータ細胞に変換することができるようだという記事です。

少し前にも、1型糖尿病ではアルファ細胞からベータ細胞とデルタ細胞への分化転換(transdifferentiation)が起きているという記事がありました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/82f7c3a7cfab9d357ba28ebd02a421bb

>研究チームは1型糖尿病患者の膵臓組織を調べて、セルレインによってマウスで誘導されるのと同じプロセスが、患者の膵臓でも生じたという強力な証拠を発見した。

>アルファ細胞がベータ細胞に変わるプロセスには、年齢の限界があるようにも見えなかった。それは老人でも若い人でも生じていて、中には何十年も1型糖尿病だった人もいた。


腸の細胞様の組織のFoxO1を阻害するだけでベータ細胞に変化させることができるという記事もありました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/4f765cb78fcd84adbb054dab554d05a8

>AcciliとポストドクターのリョウタロウBouchiは、ヒトの多能性幹細胞を使ってヒトの腸組織モデルを作製した。

>次に彼らは遺伝子工学により腸細胞の中であらゆる機能的FOXO1を不活性化した。

>7日後、細胞のいくつかはインスリンを放出し始めた。そして同時に重要なのは、それがブドウ糖にだけ反応したということである。


今回もFoxO1関連です。






2014年8月14日

2014-08-20 16:45:42 | 代謝

糖尿病の発症のために必要な、たった一つの酵素
Single enzyme necessary for development of diabetes



12-LOという酵素は肥満により誘導される膵臓細胞の酸化ストレスを促進し、糖尿病前症と糖尿病につながる。

インディアナ医科大学の研究チームによれば、12-LOの酵素作用は細胞を害する小分子の産生の最後の段階である。

「高脂肪食を多く食べて過体重になると、膵臓のベータ細胞は充分なインスリンを産生する機能が失われると我々は推測した」、主任研究員Raghavendra Mirmiraは言う。



イースタンバージニア医科大学による先行研究では、12-LO(12-リポキシゲナーゼ)が過体重の人々の細胞だけに存在することが示された。

12-LOにより生じる有害な小分子はHETE(hydroxyeicosatetraenoic acid; ヒドロキシエイコサテトラエン酸)として知られる。

HETEはミトコンドリアを障害するため、膵臓細胞がインスリンを製造するための充分なエネルギーを発生するのに失敗する。



研究者は膵臓細胞だけで12-LOをノックアウトしたマウスを遺伝的に設計し、コントロール・マウスと共に低脂肪食と高脂肪食を与えた。

コントロール・マウスと高脂肪食ノックアウト・マウスは肥満とインスリン抵抗性を発病した。

コントロール・マウスの膵β細胞は酸化損傷を示したが、ノックアウト・マウスのβ細胞は完全で健康だった。このことは12-LOとその結果として生じるHETEがβ細胞不全を引き起こしたことを示唆した。



Mirmiraは研究で使われた高脂肪食が西洋型の食事であった点を強調する。それは大部分が飽和脂肪、つまり「悪い」脂肪から成る。

最近の部分的に関連する代謝経路の研究に基づいて、彼は「不飽和脂肪および一価不飽和脂肪では同じことは起きそうにない」という。それらは健康とされる比較的高脂肪な地中海食のほとんどの脂肪を構成する。



「我々は、高脂肪食後に糖尿病前症を発症する原因がβ細胞の12-LOであることを初めて示す」、Mirmiraは言う。

「また、我々の研究はほとんどあらゆる種類の糖尿病と糖尿病前症において最初に障害を受ける細胞はβ細胞であるという概念に、重要な信用を添える。」

学術誌参照:
1.12-リポキシゲナーゼは、膵島で肥満によって誘発された酸化ストレスを促進する。

分子および細胞の生物学、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140814192352.htm

<コメント>
肥満のために12-LOが高発現している人は、高脂肪食によりβ細胞が障害されやすいという記事です。12-LOはアラキドン酸(AA)を酸化してヒドロキシエイコサテトラエン酸(12-HETE)を生じる酵素です。

Abstractを見ると、12-LOノックアウトマウスの膵島ではSod1とグルタチオンペルオキシダーゼ1(Gpx1)の発現が上昇し、さらに核内ではそれら抗酸化酵素の発現を活性化する転写因子Nrf2が増加していました。

そのまま行くと肥満と過剰なAAが良くないという結論になると思うのですが、記事中のMirmira氏は「西洋食の飽和脂肪酸が良くない」と言っています。おそらく、12-LOの発現には過剰な飽和脂肪酸が関連するということなのでしょう。

もちろん過剰な飽和脂肪酸が代謝に悪影響を与えるのは確かだと思います。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/8c466dbe001ed33942069a20e768b43e



ところで、イースタンバージニア医科大学による先行研究はおそらくこれのことでしょう。
BMIが39以上の病的肥満(morbidly obese)で糖尿病の人々とそうでないグループの内臓脂肪(VAT)における12/15-リポキシゲナーゼ(ALOX; arachidonate lipoxygenase)の発現を比較しています。
ALOX 12の発現は、IL-6、IL-12a、CXCL10、リポカリン-2の発現と正の相関が見られたとあります。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24955608

2014年7月31日

2014-08-07 09:40:20 | 代謝

1型糖尿病でインスリン産生細胞を生成する新しい方法



サンフォード・バーナム医学研究所(サンフォード-バーナム)は、セルレイン(caerulein)というペプチドが膵臓の既存の細胞を1型糖尿病で破壊されるインスリン産生ベータ細胞へと変換できることを発見した。

「我々は、1型糖尿病患者がインスリンを産生する能力を回復するための有望な技術を見つけた。我々は膵臓にセルレインを導入することによって、新しいベータ細胞を生成することが可能だった。それは患者の毎日のインスリン投与から解放するかもしれない。」

サンフォード-バーナムのフレッド・レヴァイン医学博士は言う。



セルレインは元々オーストラリアのヤマアマガエル(Blue Mountains tree frog)の皮膚で発見されたペプチドである。それは胃、胆汁、膵臓の分泌を促進し、膵臓病の診断用ツールとしてヒトで使われてきた。

研究ではまず最初に、ほとんどすべてのベータ細胞が破壊されたマウスが、セルレインの注入に対してどのように反応を示すかについて調べた。

そのマウスでは、膵臓の既存のアルファ細胞は、インスリンを産生するベータ細胞へと分化した。



アルファ細胞は、通常、ベータ細胞にならない。

研究チームは次に1型糖尿病患者の膵臓組織を調べて、セルレインによってマウスで誘導されるのと同じプロセスが、彼ら患者の膵臓でも生じたという強力な証拠を発見した。

アルファ細胞がベータ細胞に変わるプロセスには、年齢の限界があるようにも見えなかった。それは老人でも若い人でも生じていて、中には何十年も1型糖尿病だった人もいた。



「セルレインをヒトに投与すると、膵炎を引き起こす可能性がある。我々の次のステップは、セルレインがアルファ細胞のどの分子を標的にしてベータ細胞への形質転換を引き起こしているのかを知ることである」、レヴァインは言う。

記事供給源:
上記の記事は、サンフォード・バーナム医学研究所により提供される材料に基づく。

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140731094441.htm



<コメント>
記事の元になった論文は、α細胞からβ細胞へ、そしてδ細胞へのtransdifferentiation(分化転換)についてです。

http://www.nature.com/cddis/journal/v5/n7/full/cddis2014311a.html

>Pharmacological induction of pancreatic islet cell transdifferentiation: relevance to type I diabetes

EurekaAlertの方にはフレッド・レヴァイン博士のインタビュー動画もありました。



2014年8月1日

2014-08-06 12:13:44 | 代謝

褐色脂肪でカロリーを燃焼する新しいスイッチ



スクリップス研究研究所(TSRI)の生物学者は、褐色の脂肪細胞で強力なカロリー燃焼プロセスのスイッチを入れるシグナル経路を特定した。

低温は褐色の脂肪熱発生プロセスを活性化する。褐色脂肪組織にある神経末端は神経伝達物質のノルエピネフリンをリリースし、褐色脂肪細胞の代謝シフトを引き起こす。

褐色脂肪細胞はミトコンドリアが高密度に詰め込まれており、ミトコンドリアは熱を生じ始める。



褐色脂肪細胞を人工的に活性化する1つの手掛かりが1998年に報告された。

それはノルエピネフリンが褐色脂肪細胞のPGC-1αの発現レベルを高くするよう指示するということだった。

PGC-1αはエネルギー代謝の全般的な増幅器としての機能を果たし、熱発生を活性化する。



Kralli研究所は以前の研究で、PGC-1αがERRαという分子を活性化することによって作用することを示した。

しかし、この経路だけでは説明がつかなかった。なぜなら、脂肪細胞でERRαまたはPGC-1αを欠くマウスは依然として寒さへの通常の熱発生反応のほとんどを示したからである。



今回の新しい研究でガントナーとKralliたちは、PGC-1αとERRαと共に作用する別の活性化経路を発見した。

彼らは元々褐色脂肪の熱発生を調べていたわけではなく、ERRβの機能の手掛かりを探していた。

ERRβはほとんど未知であったが、ERRαと密接な関連があり、褐色脂肪細胞の核内受容体であって、遺伝子活性化の分子スイッチであることは知られていた。

研究チームはERRβを活性化する可能性のある約18,000のタンパク質をスクリーニングした。

その中の一つのGADD45γはマウスの褐色脂肪細胞で産生されていて、特に寒さへの曝露の後で豊富になる。このことからGADD45γとERRβがPGC-1αとERRαのように協力して褐色脂肪の熱発生のスイッチを入れることが示唆された。

チームは経路のシグナル伝達を詳しく調べ、ノルエピネフリン分泌とGADD45γのアップレギュレーションから、ERRβの活性化と、そして別の密接に関連するタンパク質のERRγまでが、褐色脂肪細胞で熱発生に関連することが判明した。

「我々はその後ERRγに焦点を合わせた」、ガントナーは言う。

そしてGADD45γにより仲介されるERRγの活性化は、褐色脂肪のミトコンドリアで代謝シフトにつながることが明らかになった。

実験では、GADD45γはPGC-1αと相乗作用で働いて褐色脂肪細胞を活性化した。

学術誌参照:
1.GADD45γは、褐色の脂肪組織の熱発生能力を調整する。

Proceedings of the National Academy of Sciences、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140801091114.htm

<コメント>
Abstractによれば、p38も関与しているようです。

寒さ→ノルエピネフリン→

 →PGC-1α→ERRα
 →GADD45γ→MAPK(p38)→ERRβ→ERRγ

→UCP1→熱発生

経路はともかく、寒さと運動が褐色脂肪細胞を増加させたり活性化するのは間違いないでしょう。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/b7d30af07b3db4b916c15070e4044793

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/562e56c3dd6bb7a2f227dcd655fbdc96


2014年7月28日

2014-07-30 18:14:10 | 代謝

糖尿病にとって重要な脳のブドウ糖『コントロール・スイッチ』



エール医学部の研究者は、血液中のグルコースを感知する脳のメカニズムを特定した。

「我々は、腹内側核という視床下部の一部に存在するプロリルエンドペプチダーゼ酵素が、血液中のグルコースレベルを制御する機構において一連のステップをセットすることを発見した」、エール大学医学部の筆頭著者サブリナDianoは言う。



腹内側核にはブドウ糖センサーの細胞が含まれる。

この部分でのプロリルエンドペプチダーゼの役割を理解するため、研究チームは酵素のレベルが低いマウスを遺伝子工学によって開発した。

その結果、この酵素が存在しないマウスは血液中のブドウ糖のレベルが高く、糖尿病を発病した。

研究チームは、この酵素により腹内側核のニューロンがブドウ糖を感知できるようになることを発見した。

このニューロンはグルコースレベルの増加を感知して、インスリンを放出するよう膵臓に命じる。インスリンは血液でブドウ糖の安定したレベルを維持して糖尿病を予防する。

学術誌参照:
1.視床下部のプロリルエンドペプチダーゼ(PREP)は、マウスにおいて膵臓のインスリンとグルカゴン分泌を調整する。

PNAS、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140728153943.htm

<コメント>
視床下部の腹内側核(ventromedial nucleus of the hypothalamus; VMH)に発現するプロリルエンドペプチダーゼ(prolyl endopeptidase; PREP)が膵臓の機能に重要だという記事です。

Abstractには、PREPをノックダウンすると交感神経の変化により膵臓でのノルエピネフリンが上昇し、インスリンは減少、グルカゴンが増加したとあります。

ラットで腹内側核を両側とも破壊すると、極度の肥満になることがわかっています。


2014年7月25日

2014-07-30 15:18:10 | 代謝

脳でタンパク質を操作して肥満と糖尿病を治療する可能性



スプライシングを受けたX-ボックス結合タンパク質1(Xbp1s)という転写因子は、インスリンとレプチン・シグナルの感受性に影響するようだ。

インスリンとレプチンは食物摂取と糖質処理の調節にとって主要なホルモンである。そして、肥満と糖尿病は人体がそれらの作用に抵抗性を生じる病態である。

高脂肪食を与えられたマウスで遺伝子Xbp1sを過剰発現させると、肥満と糖尿病から保護される。

これらのマウスは、同じ食物を与えたマウスよりも30パーセントやせていた。

遺伝子の作用は、脳の視床下部の領域にあるプロオピオメラノコルチン(Pomc)ニューロンで生じた。

Pomcニューロンの高いXbp1sレベルは「食物を与えられた」シグナルを模倣し、体重と血糖値は低下し、肝臓のインスリン感受性は改善された。

学術誌参照:
1.PomcニューロンのXbp1sは、ERストレスを、エネルギーバランスとブドウ糖ホメオスタシスに接続する。

Cell Metabolism、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140725131600.htm

<コメント>
スプライシングを受けたXbp1sがPomcニューロンによる代謝の調節に重要という記事です(スプライシングされていないのはXbp1u)。

Xbp1は核内ではなく、細胞質でIRE1によってスプライシングを受ける特殊な転写因子です。




2014年7月24日

2014-07-30 12:54:10 | 代謝

遺伝子のスイッチは、マウスで末梢の血管疾患を予防する



米国では数百万人が脚の末梢血管の循環障害に苦しむ。この疾患は痛みを伴い、重度の骨格筋の減少と脚の切断につながる可能性がある。

テキサス大学ヒューストン医学部の健康科学センター(UTHealth)のVihang Narkar博士は血管新生を抑圧する遺伝的なスイッチを特定して、オフにした。

「血管成長を抑制する遺伝子スイッチをオフにすることにより、我々は血管再生の自然なプロセスを起動して加速することができた。それは一連の成長因子と関連する」、彼は言った。

このスイッチはペルオキシゾーム増殖因子活性化受容体γ活性化補助因子1ベータ(PGC1beta)という。

これは心筋症、癌、網膜症の治療の鍵になる可能性がある。

学術誌参照:
1.PGC1βは抗・血管新生プログラムを活性化して、筋肉の虚血において新血管新生を抑制する。

Cell Reports、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140724123643.htm

<コメント>
PGC-1βは筋肉と上皮で血管新生を抑制し、反対に低酸素や虚血はHIFを誘導することによりPGC-1βを抑制して血管新生を促進するという記事です。

有酸素運動よりも無酸素運動の方が、血管新生にはより効果的ということかもしれません。



2011年8月1日

2014-07-27 14:32:18 | 代謝

脳のブドウ糖感知により肥満を治療する



アルバート・アインシュタイン医科大学のDongsheng Cai博士と彼の研究チームは、体のブドウ糖ダイナミクスを脳に感知させる経路を発見した。

このブドウ糖検知プロセスの障害は肥満と関連する疾患発症の一因となる。

さらに重要なことに、この障害を修正することで全身エネルギーバランスを正常化して、肥満を治療することができると判明した。



脳の視床下部はエネルギーと体重バランスの制御において重要な役割を果たす。

エネルギーの摂取と消費のバランスを維持するために、視床下部は常に全身のエネルギーレベルを測定している。

その方法は、循環血中のホルモン(例えばインスリンとレプチン)ならびに栄養分(例えばブドウ糖)をサンプリングすることによる。

しかし、視床下部の栄養感知のメカニズムはそれほど明らかではない。



Cai博士の研究チームは、マウスの視床下部のブドウ糖感知と全身エネルギーバランスにおける、低酸素誘導因子(HIF)の新しい役割を発見した。

HIFは低酸素への反応を誘発する核転写因子である。

驚くべきことに、視床下部におけるHIFはブドウ糖によって活性化され、その調節はマウスにおいて食欲のコントロールと関連することが判明した。

HIFはブドウ糖に反応してPOMC遺伝子の発現を誘発する。POMCは視床下部が摂食と体重をコントロールする際に重要な役割を果たすことが知られていた遺伝子である。



研究チームはさらに、肥満をコントロールするために視床下部HIFを標的とする治療的な可能性を実証した。

遺伝子デリバリーを通じて視床下部のHIF活性を増強することによって、マウスは栄養過剰にもかかわらず肥満に対して抵抗する。

学術誌参照:
1.低酸素誘導因子HIFは、POMC遺伝子を指揮して視床下部のブドウ糖感知とエネルギーバランス調節を仲介させる。

PLoS生物学、2011;

http://www.sciencedaily.com/releases/2011/07/110726190057.htm

<コメント>
前回の関連記事です。
視床下部ではグルコースがTCA回路/mTORC1を通じてHIFを活性化させ、POMCの転写を促進するという内容です。



HIFはレプチン(STAT3)よりもPOMCに近い箇所に結合するようです。

>the HIF-binding DNA element (5′-GCGTG-3′) is located immediately upstream of the transcriptional initiation site (TATA box) in the POMC promoter (Figure 1A).
>In contrast, the DNA elements for STAT3, the most established nuclear transcription factor for POMC gene in leptin signaling [37]–[39], are located further upstream.

2014年7月25日

2014-07-26 15:54:18 | 代謝

2型糖尿病と肥満を理解するための新しい脳経路



テキサス大学(UT)南西メディカル・センターの研究者は、脳がどのように体重とエネルギー消費、そして血糖値を調節するかについての理解につながる神経の伝達経路を特定した。

自律神経系を制御するニューロンは、メラノコルチン4受容体(MC4R)を発現することが明らかになった。このことはグルコース代謝とエネルギー消費の調節において重要である、とジョエルElmquist博士は言う。

「多くの先行研究は、MC4Rがエネルギー消費とブドウ糖ホメオスタシスの重要な調節因子であることを証明した。しかし、これらの反応の調整に必要とされる鍵ニューロンは不明だった」

「今回の研究で、我々はニューロンによるこれらの受容体の発現を発見した。このニューロンは交感神経系を制御し、代謝の重要な調節因子であるようだ。

特に、これらの細胞は血糖値を調整し、白色脂肪が『褐色またはベージュの』脂肪細胞になる能力にも関与する。」



研究チームは、マウスモデルで交感神経系を制御するニューロンのMC4Rを削除した。

この操作はエネルギー消費を低下させ、その後マウスは肥満と糖尿病になった。

この発見は、MC4Rがグルコース代謝、エネルギー消費、そして体重の調整に必要であることを示す。この調節には、食事と寒さへの曝露による熱発生反応が含まれる。



2006年、Elmquist博士はハーバード医科大学院のブラッド・ローウェル博士のチームと協力して、脳の他の領域のMC4Rがエネルギー消費でなく食物摂取を制御することを発見した。

Elmquist博士のチームは将来、メラノコルチン受容体がどのように白色脂肪組織の「ベージュ化(beiging)」につながる可能性があるかを研究する予定だ。

ベージュ化は、白色脂肪をエネルギー燃焼する褐色脂肪組織に変換するプロセスである。

学術誌参照:
1.自律神経ニューロンのメラノコルチン4受容体は、熱発生と血糖を調整する。

Nature Neuroscience、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140725163500.htm

<コメント>
Melanocortin 4 receptor(MC4R)のリガンドはPOMCの産物の1つα-MSHですが、そのMC4Rが自律神経を制御するニューロンに発現して血糖値や発熱を調節しているという記事です。

α-MSHの元となるPOMCは、レプチンによって刺激されFoxO1によって抑制されることが知られています

2014年7月22日

2014-07-24 06:53:43 | 代謝

細菌による治療はマウスで肥満を防止する



「我々のマウスは高脂肪食を食べていてさえ、肥満のネガティブな結果のほとんどを予防した」、ヴァンダービルト大学の薬理学の助教授、ショーン・デーヴィス博士は言う。

デーヴィスは、ヨーグルトにいるような「親しみやすい」細菌を使って腸に薬を届けることに長い間関心を持っている。

研究チームは安全な菌株であるE. coli Nissle 1917を使い、NAPE(N-acylphosphatidylethanolamine; N-アシルホスファチジルエタノールアミン)という脂質化合物を産生するように遺伝的に修飾した。

通常、NAPEは食事に反応して小腸で合成され、速やかにNAE(N-acylethanolamide; N-アシルエタノールアミン)という化合物に変わる。NAEは食事の頻度と体重の増加を両方とも低下させる。

いくつかの証拠は、NAPEの産生は高脂肪食を食べている人で低下する可能性を示唆する。



研究者は、NAPEを産生する細菌を8週間、高脂肪食を食べさせているマウスの飲料水に加えた。

修飾された細菌を投与されたマウスは、コントロールマウスと比較して、食物摂取、体脂肪、インスリン抵抗性、脂肪肝が劇的に低かった。

NAPE産生細菌が飲料水から取り除かれた後も、保護的な作用は少なくとも4週間持続した。

細菌が取り除かれた12週間後でさえ、投与されたマウスは体重と体脂肪が非常に低いままだった。

活性がある細菌は、約6週間後にはもはや持続しなかった。

学術誌参照:
1.腸微生物叢への治療的に修飾された細菌の取り込みは、肥満を阻害する。

JCI、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140722142521.htm

<コメント>
普通の人の腸では食事の脂肪からNAPE(N-アシルホスファチジルエタノールアミン)という種類の物質が作られていて、NAPEから変化したNAE(N-アシルエタノールアミン)はPPARαやGPRのリガンドとして食欲やインスリン抵抗性を抑制します。

そのNAPEを合成する細菌を水に混ぜて飲ませたマウスでも同様に食欲や体重が抑制されたという記事です。



ラットに高脂肪食を1ヶ月続けるとNAPEの産生は抑制されたとあります。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19041747

>Chronic High Fat Feeding Eliminates Postprandial NAPE Secretion but Not Sensitivity to Exogenous NAPE

>Surprisingly, animals fed with HFD for 35 days prior to the experiment, while exhibiting high-normal NAPE concentrations at baseline, were unable to induce secretion postprandially, and even showed a significant reduction in circulating NAPE during the post-meal interval (Figure 1G).

2014年7月21日

2014-07-23 12:09:37 | 代謝

脂肪で心臓を癒やす?
18-HEPEはそれを助けるかもしれない




あまりに多くの食事脂肪は心臓にとって良くないが、Journal of Experimental Medicineで発表される論文によると、脂肪の適切な種類は心臓を健康に保つ。

例えばエイコサペンタエン酸(EPA)は心血管疾患から保護することが知られている。

しかし、この保護のメカニズムは知られていなかった。



日本の科学者は、EPAを自分自身で産生するよう設計されたマウスが心疾患から保護され、心機能を改善したことを示す。

EPAの代謝産物、18-ヒドロキシエイコサペンタエン酸酸(18-HEPE)は、この保護のために必要とされた。

18-HEPEはマクロファージによって産生され、それは心臓において炎症と線維症を低下させた。

学術誌参照:
1.マクロファージによってリリースされるn-3脂肪酸代謝産物18-HEPEは、圧負荷によって誘発される不適応な心臓リモデリングを予防する。

Journal of Experimental Medicine、2014

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140721095951.htm

<コメント>
やっぱりという感じです。

日本語での発表はこちら



2014年7月9日

2014-07-16 06:35:57 | 代謝

腐敗した卵のガスがヘルスケア療法の鍵



硫化水素はきわめて有毒であるとされているが、適切な量で使用すれば一定の範囲で(例えば糖尿病、脳卒中、心発作、痴呆で)健康的な効果を提供することが判明している。

Exeter大学で設計された新しい化合物のAP39はごくわずかな量の硫化水素を細胞内の適切な場所を標的にして届けることにより、未来の治療の鍵を握る可能性がある。

Exeter大学の科学者は、この化合物が血管の細胞でミトコンドリアを保護することを既に発見している。


Exeter Medical School大学のMatt Whiteman教授は、以下のように述べた:

「細胞はストレスに曝されると、ごくわずかな量の硫化水素を生み出す酵素を引き込む。それによりミトコンドリアは機能を失わず、細胞は生き延びる。これが起こらないと細胞は死んでしまい、生存を調整して炎症を制御する能力を失う。」

「我々はAP39という化合物によってこの自然なプロセスを利用する。AP39はゆっくりと、非常に少ない量の硫化水素ガスをミトコンドリアに供給する。」



研究は疾患のいくつかのモデルで行われていて、前臨床試験の結果は有望である。

例えば心血管疾患のモデルにおいて、AP39を投与された発電所ミトコンドリア細胞(powerhouse mitochondria cells)の80パーセント以上が、きわめて破壊的な状態でも生き残った。

テキサス大学医学部による追跡調査では、AP39がミトコンドリアDNAを選択的に予防することも明らかになった。

ミトコンドリアDNAが一旦損傷を受けると修復することができず、疾患の症状に対して脆弱にする。

学術誌参照:
1.ミトコンドリアを目標とする硫化水素供与体、(10-オキソ-10-(4-(3-チオキソ-3H-1,2-ジチオール-5-イル)フェノキシ)デシル)トリフェニルホスホニウム臭化物)(AP39)の合成と機能的評価。

MedChemComm、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140709115455.htm

<コメント>
硫化水素はミトコンドリアのシトクロム酸化酵素と結合して電子伝達系を阻害するとされていますが、ごく少量では逆にミトコンドリアのDNAを保護することを利用した新しい化合物についての記事です。



2014年7月10日

2014-07-15 11:45:30 | 代謝

あなたが食べるものは、体内の生物学的なクロックに影響を及ぼすかもしれない



体内に存在する生物学的な時計、つまり『概日時計』は、好ましい睡眠時間や敏捷性がピークを迎える時間の調節、そしてある種の生理的プロセスのタイミングにおいて重要な役割を果たす。

この時計は一日の適切な時間に遺伝子を最大に発現させ、有機体が地球の自転に適応することを可能にする。

「生理的および環境的リズムの間の慢性的な『脱同期化(desynchronization)』は、ただ単に生理的能力を減少させるだけでなく、多様な疾患(例えば糖尿病、心血管疾患、睡眠障害、そして癌)の重要なリスクにもなる」、日本の山口大学のMakoto Akashi博士は言う。



概日時計には2つの主要な経路が関与する。

第1の経路は光に反応を示す。これはよく知られている。

第2の経路は食物に反応を示すが、これはあまり理解されていない。

Akashi博士と彼の同僚は細胞の培養とマウスの実験を通して、摂食に反応して分泌されるインスリンが概日時計をリセットする際に関与するかもしれないことを発見した。

「摂食関連した組織におけるインスリンによって媒介される時計のフェーズ調整は、食事時間と組織機能の間の同期を可能にする。それは効果的な消化と吸収につながる」、彼は言う。

「要するに、インスリンは胃時計が食事時間と同期するのを助けるかもしれない。」



今回の発見は、食事の操作を通して概日時計を調整する方法に関する有益な情報を提供する。

「例えば、時差ボケの人の夕食はインスリン分泌を促進する成分を豊富にするべきである。それは概日時計の位相の変化を促進させる(phase advance of the circadian clock)可能性がある。そして朝食は正反対である」、Akashi博士は言う。



今回の発見は、摂食を通しての時計調整がインスリン抵抗性のある人で十分に作用しない可能性を示唆する。

また、患者をインスリンで治療するときに概日時計に関連した副作用があるかもしれない。

学術誌参照:
1.栄養補給によって誘発される組織特異的概日同調(Circadian Entrainment)における内分泌系の役割。

Cell Reports、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140710130852.htm



<コメント>
末梢臓器のサーカディアンリズム(概日周期)の同調と移行にはインスリンが関与するという研究です。

AbstractにはインスリンがPer2を活性化させる経路に関与すると書かれていますが、Per2の構造には亜鉛イオンが含まれるという記事も少し前にありました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/5eebb309bd832c86ca2003621dfb22bd