今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第6話~

2023年12月04日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
前回(第5話)の話はショッキングであると同時に、いろいろ考えさせられる話でした。自分の命に代えてでも子供たちを守る(人に託す)という母猫の決断。それは人間であっても野生動物であっても同じで、子に対する母親の思い(愛情)は命よりも重く深いものなんだと。思いを馳せるのは易し。でも実際にそういった行動に触れると、ある種の衝撃を受けてしまう。

そしてもうひとつ。ノラ猫の子育てが命がけであるということ。ただ、それは人に見護られているかいないかで天と地ほどの差がある。そして、人に見護られているノラはほんの一握りなのだということ。前回も述べましたが、洪水などの自然災害で真っ先に犠牲になるのがこういった親子なんです。こんな不幸を作り出してはならない。今いるノラたちを救うこともさることながら、ノラを生み出し続ける人間の蛮行(猫捨て)を止めさせることが先決なのだと思います。

いつもスタッフやお客さんに見守られていたレオとココ(棚下)

さて今回の話は、不幸なノラたちに手を差し伸べたおじさんのドキュメンタリーです。
それは「おじさんと河原猫」という本になりました。ご存知の方も多いと思いますが、この話は太田康介さんという写真家が多摩川に捨てられたのら猫たち、そしてそのノラたちの世話を続ける2人のおじさんと出会うことから始まります。近所で暮らす病弱のおじさんと多摩川で暮らすホームレスのおじさん。太田さんは2人のおじさんとノラたちの里親探しをする一方で、自身もノラの一匹「シロ」の里親に。

しかしそのノラたちとホームレスのおじさんに、先に述べた自然災害の悲劇が訪れる。2019年の台風19号で多摩川が氾濫。あの時、多摩川が氾濫したニュースを見て自分が真っ先に案じたのはこういった悲劇でした。それは事実となった。猫たちも、その猫たちを救おうとしたおじさんも濁流に呑み込まれそのまま行方不明に。社会的弱者の人が命を賭してまで不幸なノラたちを救おうとする。都合よく猫たちを捨てていく人間の蛮行に怒りを覚えながら、こういった人間愛に触れると、救われたような気持になるのではないでしょうか。

写真は本文とは関係ありません

今回はこの本を紹介しながら太田さんに伺った話を書き留めたsippoの記事(藤村かおり氏)の他、amazonの同本販売サイトもリンクしました。amazonのサイトには本の要約があります。(買ってほしいという意味ではありません。) また両サイトには下の関連記事(本)欄になかなか興味をそそるものがあるのも見どころ。


(いずれもクリックしてポップアップ)

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保護部屋の君たちへ

2023年12月02日 | 大家族の日常
君たちはつい最近まで店の周辺を思うままに闊歩し
店で(他でも?)ご飯を食べて、自由気ままな暮らしを謳歌していた
それがある日突然人家の一室、しかも檻(ケージ)の中に
自分に何が起こったのかすらわからなかっただろう

人間なら嘆き悲しみ、将来を憂いて絶望に苛まれてしまうかもしれない
でも君たちはすごいな、こんなときでも前しか向かない
身の不幸を嘆くよりもこの境遇をどう切り開くか
まずは鳴き喚いて保護者にすがってみる
かつて知ったる保護者だからね

モドキ:ケージの中にいてもボス猫の迫力は変わらない

モドキはもうすぐ3ヶ月、ヒョウとダイフクは2ヶ月、レオとココは1ヶ月
君たちのケージ暮らしはこれまでになく長くなった
ただ、今では交互にケージを開けて部屋の中で過ごせるように
ヒョウとダイフクが出てこないのは、保護者との信頼関係がまだ薄いからかな

モドキはもう保護部屋にもすっかり慣れて
2度ほど家の中に出て来たことがあったね(敷居の閉め忘れ)
最初は無難に探検して先住猫たちと遠目に挨拶
でも2回目はリンと軽く勃発してしまった
慌てて保護部屋に逃げ込んだのは君の方だった
今では保護者付だけど、少しづつ先住猫たちとも慣れていかないとね

保護者が近くで作業してても動じません

保護部屋のケージ暮らしにも少しづつ慣れて来たレオとココ
ココは相変わらずレオを拠り所にして、何とか落ち着きを取り戻した
そして店でおやつをねだりに行くときの、あの感覚を思い出したのかな
シャーもあるけど、あのときの表情で見つめてきたり

店に来た時のように、レオの後追いになったココ(奥)

レオは立ち直るのが早かったね
翌日には保護者の足にスリスリ目鼻の先でゴロンゴロン
人間大好きの君は、保護者がいれば場所を選ばないようだ
看板猫時代から人見知りをしないし、君を欲しいというお客さんも多かった
でもココのために、もう少しいてもらうことにしたんだよ
君の課題は先住猫たちとの親和性、モドキ同様に少しづつ慣れていかないとね

食べ物さへあればいい? ダイフクはまったく落ち着いてます

初めから悠然としていたダイフク
やっと安全な場所を見つけたと思ったのか、落ち着きすら感じた
かつての強者は、5年ぶり再来するまでに何があったのか
周囲を気にして逃げ回る弱気な猫になっていた
でも家の中なら大丈夫、シロキを見習えばいいんだよ

まだまだ怖くて近づけないヒョウが、時折見せる柔和な表情

ダイフク同様ケージを開けても出ようとしないヒョウ
出ないのは人間に対する警戒心と他猫への警戒心のせいか
一方ケージ暮らしなのに、大食漢ぶりが衰えないのは驚くばかりだ
何かというと口開けてサイレントシャーッ、人の手が近づけばバンッと攻撃
身を護るための本能だから仕方ないけど、保護者に要求することも早く覚えないとね

保護者への攻撃性がなくなってほしいモドキ、ココにヒョウ
他猫との相性テストを受けなければならないレオとダイフク
それぞれ段階は違うけど、それが君たちの家猫修行だ
君たちはもう、新たな猫生への第一歩を踏みだしているんだからね

外のニャーを見つめるレオ(左)とココ
ニャーのレベルが2匹の、いやすべての家猫の最終目標だ

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