アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第二十七 話. サングイン気質のおおやさん

2009-02-11 16:29:53 | 出会った人

* ブリストルはコンクリートの都会であるのにもかかわらず、キツネがすんでいます。日曜日の朝、まだ開いていないカフェの前をぷらぷら歩いていたり、なぜか駅の線路の上を走っていたり。
ところで、イギリスの「クロップサークル」(日本ではミステリーサークルと呼ばれている) というのを聞いたことがあるでしょうか? 
広大な麦畑に、一夜にして、大きな幾何学模様が描かれるというやつです。
先日私の庭の芝生がスパイラルを描いて草がなぎたおされていたので、もしやクロップサークル?!と思いきや、その真ん中には猫のフンが!
なにはともあれ、また自分のうちに入っていくスパイラルの季節となりました。

第二十七 話. サングイン気質のおおやさん

町のお店のウインドウに飾ってあるオードリー=ヘップバーンのポスターさえもあまり見たくないので、下宿のおおやさんオードリーとのことは、まだ笑いにできないのではないかと思っていました。あの三年間は、多分お姑さんと一緒に暮らすようなものに近かったでしょう。

彼女は70歳を超えた独身で、いつも電話に出るとき「Miss オードリー=スミス!」と誇らしげに応対していましたが、一人も親戚がなく、ときどき寂しそうでした。彼女の気質はサングイン気質、空気で、蝶々のように色々な所に行ったり、詩を読んだりするのが好き、ラララーと大きな声で歌っている人でした。

ある日わたしが下宿で勉強していると、オードリーのユーリズミー治療家から電話があり「 オードリーがセラピーの時間になっても来ていない、また脳梗塞を起こしてどこかで倒れているかもしれないから探しに行ってほしい」というのです。わたしは自転車で近くのベンチなどを見て回りますが、オードリーは見つからない。クリニックの受付の人も車で探していました。

結局、オードリーは買い物をしていたということで、「みんなで心配して探したんですよ」と言うと、「まぁーみんなでー」と大笑いしてごめんなさいもないので、わたしは、二度とこの人のために何かしたりしないぞ、と決めました。

またあるときは、オードリーが玄関の鍵を失くし、誰かにその鍵を拾われて泥棒に入られる、と考え、その日のうちに人を頼み玄関のロックを変えてしまいました。なずなが学校から戻るとオードリーは留守で、夜わたしが帰宅したときには外でこごえて待っていました。わたしたちはすべがなく、その晩は私の職場に泊まりました。
オードリーはお食事とコンサートに行っていたとのこと。そして失くしたはずの鍵は鞄の隅にあった、とのことでした。

(ほかの気質は、コラリック気質、火、情熱家、怒りやすい人。
フレグマティック気質、水、穏やか、はっきりしない人。
メランコリック気質、岩、凝り性、頑固、くよくよする人。)

 

間美栄子 2008年 1015  http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef



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