アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第112話  わたしのボスのこと

2012-06-09 22:49:05 | 出会った人

                             

                            石楠花の木の大きさがわかるように、わたしの帽子を写真に入れました。

 

*ナショナルトラストのガーデンのひとつ、シェフィールドパークにいってきました。高さ15mもある巨大な石楠花の大木群に、人間の頭ほどの花がびっしりと、これでもか、これでもか、と咲き誇り、いやいや、130年も経っているガーデンとは見事なものです。人間はちっぽけなものだなと、謙虚な気持ちになりました。

 

第112話  わたしのボスのこと

 人は、お互いに切磋琢磨するために、パートナーがいるとか、鏡のような役割をする、向き合う人が夫婦だ、といいますが、わたしの場合、ボス、病院の創始者(ダイレクター)が、まさしくこれで、いつもいつもわたしに、怒りや心配などのネガティブな感情を乗り越え転換させるチャレンジをあたえてくれます。

 つまり、彼はいつも不機嫌で、コントロールフリークなので、運が悪いと、廊下をすれ違っただけでも、「MIEKO!足拭きマットが曲がっていても直さないで通り過ぎるのは、お前だけだ!戻って直してこい!」と怒鳴りつけられるしだいで、ここで、プライドとか、恨みの感情とかが起こって不愉快になっては、ますます、彼を見る目つきが悪くなるので、今度はそれだけで、さらに怒鳴られるはめになります。

なので、「そうですね、わたしは究極の怠け者です」、「いつも余裕がありません」と自省し「素直に聞く」ということがどういうことなのか、学んでいるんだなと、思いなおします。

 この背が高く、体の大きいドイツ人は、もとは、旅先で、シュタイナー教育を受けて育った今の奥さんと知り合い、「わたしと結婚したいなら、イギリスに来なさい」といわれて、移住し、二人で、シュタイナーの人間観にもとづく、ホリスティックなケアーの仕事をしてきたわけですが、強い信念と実行力で、施設を拡大、充実させてきているすごいひとで、毎晩のように、患者さんのことを話し合うミーティングで、鋭くポイントを突いてくるという面もあります。

じつは、わたしはこのボスとは10年も前に出会っていて、彼のエリザベスキューボラロスの「死の受容の五段階」を含めた講演を聴いたとき、感動したわたしは、ぜひあなたの病院で働きたい、と手紙を書いて送ったということがありました(もちろん無視されました)。

 その後、大学院でアートサイコセラピーの勉強をして資格をとって、念願かない、未来を予知していたかのように、彼の病院で働くようになったわけですが、なんとか認められたい、と思いつつ、ひどく扱われると、恨みに思うという、愛憎まじった感情は、緊張を生み、どんな顔をして、廊下をすれ違ったらいいのか、もうわからない。

 これを人は、ストレスと呼ぶのか?

花粉症もひどくなっていて、胃は痛いし、わたしもそろそろ休暇が必要になっているようです。いいタイミングに7月に友達がヨーロッパに来るというので、わたしも便乗してローマにいってきます。では、また、ローマのことなどお便りしますね。

 (間美栄子 2012年 6月1日  http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef

 

シェフィールドパーク in Sussex in UK



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2 Comments

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サレンダー (リュウ)
2012-06-11 10:29:51
アイちゃん
そうなんだね、ドイツ人のボスの話は時々聞いていたけど、こんな風だとはね!と感じたよ。
日本にいれば、友達とお茶しておしゃべりして、話を聞いてもらって解消できるかもしれない仕事上のストレスでも、海外暮らしだとなかなかそうもいかないかもだね。
マットのズレをを直しに行く時の気持ちを察すると、こっちもつらくなったよ。
でも、そこでサレンダーを選択しているのは素晴らしいことだね!
目の前に出現している現実に「イエス」と言うこと。
バカボンのパパ風に「これでいいのだ!」、あるいはアイリーン風に「All is very very well」も同じだよね。

マットをこのままにしているのはダレンダー?
サレンダー!、と言う感じで乗り切ろう!

でも、あまりにうるいときは、感情的にではなく、正当にノーを言うのもいいことだよね。

こちらはそろそろ梅雨入り。
だけど、花が色とりどりで愉しいよ。
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サレンダー (miekoaida)
2012-06-25 06:56:00
りゅうさん、暖かいお言葉ありがとうございます。そうでしたね、「サレンダー」のエンジェルカード思い出しました。
ボスのことを書くときりがないのですが、あの人がいつも足拭きマットを自分でなおしているのみてるんですよねー。週一日しか休んでいないし、200人いる従業員すべてを、一人ひとりコントロールしているんだから、まあ、まじめな、熱心な人ですね。
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