
2015年のアカデミー賞で物議を醸した白人優位主義“ホワイト・オスカー”問題は大筋の見方ではN.W.Aの盛衰を描いた「ストレイト・アウタ・コンプトン」の落選が引き金のように言われているが、心情的にはノーマークの中、年末に公開された本作の落選によるものが大きいのではないだろうか。それほどまでにこの「クリード」は予想外の完成度であり、初代「ロッキー」の感動を甦らせる事に成功している。
ロッキーの好敵手アポロに隠し子がいて、ロッキーの教えを乞うてチャンピオンを目指す…というプロットを聞いた時は誰もが鼻白んだはずだ。これを長編2作目となるライアン・クーグラー監督はヒップホップ×ビル・コンティの発想でリブート。孤児として不遇の少年時代を送り、アポロの正妻に養子として迎えられながらもその裕福さに自身を見出せなかったアドニス・クリードのリアルでシリアスな青春モノに仕上げている。随所にシリーズへのオマージュを捧げ、観客のアドレナリンと涙腺を刺激しまくるその手法は、第一作のファイナルラウンドを完コピしたクライマックスでついにピークに到達し、観客を感動で呼吸困難寸前に陥らせる。
このあまりにハリウッドライクな巧さを買われてクーグラーはマーヴェル初のブラックスプロイテーション映画「ブラックパンサー」へ大抜擢。ファイトシーンを長回し一発で撮らえる根性も大いに買いたい期待の新鋭だ。
見所は本作で40年ぶりにアカデミー賞候補となったシルベスター・スタローンであろう。老いも弱さも臆する事なく晒した老境ロッキーは彼にしか成し得ない味わいであり、オスカーも期待されたが惜しくも受賞には至らなかった。
授賞式直後の直後のスタローンのコメントがいい。
「あきらめない、へこたれない、やり続ける!」
試合に負けても勝負に勝つ。それこそ我らがスタローンじゃないか!
ロッキーの好敵手アポロに隠し子がいて、ロッキーの教えを乞うてチャンピオンを目指す…というプロットを聞いた時は誰もが鼻白んだはずだ。これを長編2作目となるライアン・クーグラー監督はヒップホップ×ビル・コンティの発想でリブート。孤児として不遇の少年時代を送り、アポロの正妻に養子として迎えられながらもその裕福さに自身を見出せなかったアドニス・クリードのリアルでシリアスな青春モノに仕上げている。随所にシリーズへのオマージュを捧げ、観客のアドレナリンと涙腺を刺激しまくるその手法は、第一作のファイナルラウンドを完コピしたクライマックスでついにピークに到達し、観客を感動で呼吸困難寸前に陥らせる。
このあまりにハリウッドライクな巧さを買われてクーグラーはマーヴェル初のブラックスプロイテーション映画「ブラックパンサー」へ大抜擢。ファイトシーンを長回し一発で撮らえる根性も大いに買いたい期待の新鋭だ。
見所は本作で40年ぶりにアカデミー賞候補となったシルベスター・スタローンであろう。老いも弱さも臆する事なく晒した老境ロッキーは彼にしか成し得ない味わいであり、オスカーも期待されたが惜しくも受賞には至らなかった。
授賞式直後の直後のスタローンのコメントがいい。
「あきらめない、へこたれない、やり続ける!」
試合に負けても勝負に勝つ。それこそ我らがスタローンじゃないか!
「クリード チャンプを継ぐ男」15・米
監督 ライアン・クーグラー
出演 マイケル・B・ジョーダン、シルベスター・スタローン、テッサ・トンプソン