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長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『LEGOムービー』

2019-09-24 | 映画レビュー(れ)

毎年誰がノミネートされたかより、“誰がノミネートされなかったか”の方が盛り上がる気がするアカデミー賞。2014年度は本作の落選が驚きを持って伝えられた。他のどの候補作品よりもヒットし、批評家からも大絶賛されながら長編アニメーション賞ノミネートでその名前が呼ばれる事はなかった。子供向けおもちゃを使ったアニメなんて芸術性がない?LEGO動画はYouTubeのネタにすぎない?そんな“既成概念”にケリを入れるのが本作だ。

定番を思わぬやり方でひっくり返すのが監督フィル・ロード、クリス・ミラーの得意技だ。刑事バディアクションの定石を外しに外してセンス・オブ・ワンダーへと昇華させた『21ジャンプストリート』は最高に笑える大快作だった。本作でもギャグとアクションはたっぷりに、終幕で“アニメ”という表現媒体すら取っ払って僕らの度肝を抜く(これがオスカー選外の理由かも)。遊び方は1つじゃない。既成概念に捉われるな。想像力と好奇心で可能性は無限に拡がる。それこそがLEGOというオモチャの魅力そのものじゃないか!

温かいテーマを裏付ける創り手の知性が心地良い。オスカー落選を受けて監督は自身のTwitterに「いいもんね、自分で作ったから」とLEGO製オスカー像をアップした。その数年後、『スパイダーマン:スパイダーバース』でオスカーを受賞した彼らは、LEGO製オスカー像の横に本物を並べて飾っているという。


『LEGOムービー』14・米
監督 フィル・ロード、クリス・ミラー
出演 クリス・プラット、ウィル・フェレル、エリザベス・バンクス、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン

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