(沖縄編21)
小高い丘のホテルの一室には、小さなベランダがついていて、見晴らしがいいのでした。
遠くに光るあの灯台は、わたしが登った灯台でしょうか。光をまわして舟を誘う。向うの少し固まった光はちゅら海水族館のあたりでしょうか。小さな光が点々と、点々と、どこまでもどこまでも、空はあいにく雲が出てて、でも雲間から月が綺麗にほぼ満月。ほのかに温かい潮風。ふいにほんの少し切なくなります。いや、たまらなく切なくなるのです。センチメンタル過剰。半ば必然的にね。
この旅も、いつかは終わってしまうのかな。そりゃそうだろう。でも、大切なものを見つけたような気がするし。閉じ込めた想いみたいだ。ふらふらと回っている灯台の守も眠る。暴走族が走る。けたたましいエンジン音をたてながら。風が思い出させる。そうだ、あの時確かにわたしは聞いた、ひめゆりの塔で、透明少女の声が聞こえたんだよ。笑っていた。楽しそうに笑っていたわたしたちと何ひとつ変わらない笑い声だった。透き通って見えるのだ。狂った街角きらきら、憂いてる俺は夏だった風景、早足で染まっていく。
なんだかずっとこうしてたいや。
ベランダの隅にうずくまって石みたいにじっと固まってしまいたいわあ。
とか言いつつ風邪ひくからすぐにひっこみましたけど。
大人やから。
小高い丘のホテルの一室には、小さなベランダがついていて、見晴らしがいいのでした。
遠くに光るあの灯台は、わたしが登った灯台でしょうか。光をまわして舟を誘う。向うの少し固まった光はちゅら海水族館のあたりでしょうか。小さな光が点々と、点々と、どこまでもどこまでも、空はあいにく雲が出てて、でも雲間から月が綺麗にほぼ満月。ほのかに温かい潮風。ふいにほんの少し切なくなります。いや、たまらなく切なくなるのです。センチメンタル過剰。半ば必然的にね。
この旅も、いつかは終わってしまうのかな。そりゃそうだろう。でも、大切なものを見つけたような気がするし。閉じ込めた想いみたいだ。ふらふらと回っている灯台の守も眠る。暴走族が走る。けたたましいエンジン音をたてながら。風が思い出させる。そうだ、あの時確かにわたしは聞いた、ひめゆりの塔で、透明少女の声が聞こえたんだよ。笑っていた。楽しそうに笑っていたわたしたちと何ひとつ変わらない笑い声だった。透き通って見えるのだ。狂った街角きらきら、憂いてる俺は夏だった風景、早足で染まっていく。
なんだかずっとこうしてたいや。
ベランダの隅にうずくまって石みたいにじっと固まってしまいたいわあ。
とか言いつつ風邪ひくからすぐにひっこみましたけど。
大人やから。