ハグハグの日々 Ⅳ  ~ 南日本海人、ライダー変身

ご訪問有難うございます。南日本海人、夏山裕のブログです。家族を愛し、人生に感謝して、日々をハグしながら送っています。

南日本海人、脳内映像の旅

2008年03月28日 | 夢と妄想、時々まぼろし
 昔、暇だった頃、よく脳内映像の旅というのをやった。それは何かと言うと、頭の中で映像を思い浮かべる単純な遊びである。これだけでは何のことかわからないと思うので説明する。
 私の場合、よくやったのは脳内カー(自転車のこともある)ナビとでも言おうか、道路の映像を思い浮かべるのである。自分がよく通って覚えているルートの道路の状態や風景を頭の中でグーグルアースのように思い描くのである。
 中学校の頃、夏休みに部活の終わった後、毎日八キロから一〇キロ離れた海水浴場まで自転車で通っていたことがある。そのルートを思い浮かべることが多い。さすがに、中学生の明晰な感受性の頭で自転車で毎日通っただけあって、その道のりはよく覚えており、ほとんど切れ目なしに脳内の映像でたどることが出来る。学校から波打ち際まで! 特に最後近くの長い上り坂は克明に思い浮かべることが出来た。
 もうひとつ、難しいルートの方がある。難しいといっても、単に距離が長いだけであるが。しかし、少々の長さではない。約一六〇キロである。これは、私が学生時代、自分の出身の町から、進学した学校のある町までの距離なのである。その間を、五〇CCのバイクでよく帰省した。ほとんど南日本海沿いの国道を一六〇キロ、原付で走るのである。バイクで平均四時間半ぐらいかかる。
 列車の運賃よりもバイクのガソリン代のほうが断然安かったため、ほとんど帰省はバイクであった。その結果、この一六〇キロという距離の道のりをずいぶん記憶してしまったものである。
 だが、一六〇キロは長い。印象の強い場所もあれば、印象の薄いところもある。脳内映像の旅は、道の印象が切れるとそこでゲーム終了である。だいたい四、五〇キロを過ぎたぐらいのところで印象の薄い場所があり、クリヤーするのに骨が折れた。しかし、印象の薄い道の部分をスピードアップして走り過ぎて、一六〇キロの道のりをすべて頭の中で思い浮かべることが出来た(少しずるい)。
 それでも全行程の映像を思い浮かべるのには、時間にして一〇分か一五分ぐらいかかったと思う。思う、というのは時計など見ることは出来ないからである。道が途切れないためにはたいへんな集中力を要するのである。このルート探索は夜寝床で暗くしてでないと出来ない。(そんなに真剣にする必要もないのであるが。)今までに三回ぐらいしか成功していない。(三回もしたのか!)
 でも、この距離はさすがにこれは頭が疲れる。将棋の棋士というのはたぶん対局でこういうことを(似たような)頭の中でやっているのだろうなと思ったりする。
 棋士は一つの対局で何キロもやせるという。それはそれですごいことであるが、寝ながら一六〇キロの道のりを思い浮かべてやせても、誰もすごいとは言ってくれないだろう。少し悲しい。
 しかしながら、こんなことをやっていたなんて、我ながら本当に暇であったのだなあと呆れるものである。今は五キロで挫折だ。
 思い出した。そう言えば映画『ショーシャンクの空に』で主人公が、刑務所の独房で自分の頭の中でクラシックの音楽を流し続けるというのがあったが、これによく似ているではないか。こちらは映像版、あちらは音楽版である。
 考えると人間の脳はやはり凄い。将来、脳をもっと明晰にする方法が見つかったら、DVDの変わりに映像や音楽を脳に記憶するということが出来るかもしれない。…いや、しかし、それは考えただけで疲れるなあ。そんなこと考えまい。アホだ。

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