雨とパチンコ

　昨夜は、大雨でけっこうな量が一晩で降ったようだ。そのせいか、変な夢を見た。
　パチンコの夢である。雨音がそのようなシチュエーションを与えたのであろう。
　私は、パチンコの趣味はなく、どちらかというともったいない娯楽だなあ、ぐらいの意識をもっているので、まったくやらない。
　今まで生きてきた中で、パチンコをやったのは、五回ぐらいではないか。
（ギャンブルは、麻雀と競馬をあきるほどやったが。そのおかげで、今は賭け事から遠ざかった。やるのは、年に二三回の競馬のＧ１レースを二、三千で買うぐらいだ。）
　さてそのパチンコを夢の中でやっているわけである。
　夢の中でもケチな私は、三千円ぐらいの資金でパチンコをしているわけである。なんせパチンコで三千円というと、一分も保たない。（三十秒か？　やらないのでよくわからない）
　球が減ってきたころに、なんだか,台の方がもりあがってきたようである。だが、手持ちの資金がなく、キャッシュコーナーに行くのもばからしいなあなどと、のんきに考えている。
　その時である、店員が近寄ってきて、何故か千円札を渡してくれるのである。（現実ではまったく考えられないことだが、そこが夢の面白さである。）私は、遠慮しながらも、最後にはその千円を借りて球を出し、パチンコを続行する。そして、また球がなくなったころに、また店員が千円札を貸してくれるのである。
　三千円ぐらい、店員の差し出す千円札を使っただろうか、その頃になると、私は、ははあ、こうやって、パチンコの味を覚えさせるのだな、と妙に冷静に思った。
　それにしても入らない。
　半分夢を意識しているようで、夢なんだから、もっと豪勢にじゃんじゃん入って、球があふれ出してもいいじゃないか、と思ったが、どうにもならないのであった。
　朝起きると、一晩の雨は相当な量であったらしく、町は靄がかかっているようだった。ああ、これだけ、パチンコ球を打ったんだなあ、と思ったものである。