セゾン・ド・ユー

時々更新フォトダイアリー、北の四季とエトセトラ

ユー地区のフクジュソウ

2011-04-24 21:57:04 | 野の草や花

フクジュソウを求めて、近くの山の斜面、小川を越えた山裾、遠隔地の廃校跡と、

ここ「ユー地区」内を半日近く歩き回った。

個人的な好みだが、フクジュソウの花は枯れ葉を割って地面から直接咲くような

状況がいちばん画になる。

この日は、どこも茎を伸ばしており花も風雨に晒された様子があった。

一週間前の雪と、それから続いている低温の日々にすっかり初動?が遅くなって

しまった。

 

 

 

お日様も出ていないこんな日に、フクジュソウを訪ねたのにはワケがある。

見慣れていた道内のフクジュソウに種類があることを、最近知ったからだ。

ひとつは一般的なフクジュソウ(Adonis ramosa)であり、もう一つが

キタミフクジュソウ(Adonis amurensis)である。

 

この地にあるのはどちらの種類か、それを調べるのがこの日の目的だ。

 

 

 

フクジュソウと比較した、キタミフクジュソウの外見上の特徴は、

①葉の裏に軟毛が多く生えている ②花弁よりもがく片が長い

③一つの茎に一つの花を咲かせる(一茎多花ではない)などなど。

そのあたりを念頭に置き、幾つかの生育地を巡った。

 

 

 

【第一地点】

いつもの斜面には、咲き始めたエゾエンゴサクと堅い蕾のニリンソウ。

そこから笹藪を少し登ると黄色く花が開いていた。

 

葉の裏の軟毛 → (画像でははっきりしないが)あり

 

 

 

【第二地点】 

川を渡った斜面を目指す。

 

河畔に並ぶギョウジャニンニクと、南向きの斜面の行者様。

生育場所で育ち方もずいぶん違う。

 

株立ちしているが → 一つの茎に花は一つ

 

 

 

【第三地点】

花弁とがく片の関係は?

 

花びらよりもがく片 → 長い 

葉の裏の軟毛は、こちら(右画像)が明らかだ。

 

 

三地点を巡っての観察結果は、何れもキタミフクジュソウの特徴をよく留めて

いるように見えた。

ユー地区全体がそうなのか、もっと調査を広げなければ判断できないが、

これまで何となく「フクジュソウ」と呼んでいたものが、突然主張を始めたように

思えてきた。

 

 

ネット知識だが、本州以南ではこの二種の他、東北・中部・九州に分布し、

1989年に新種とされたミチノクフクジュソウ(Adonis multifola)、四国の一部に

分布し2001年に新種とされたシコクフクジュソウ(Adonis shikokunensis)

があるという。

日本全体では、四種のフクジュソウが分布域を分けていることになる。 

 

 

今年の初動日は、フクジュソウが他人でなくなった半日となった。