俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

食用鳥

2012-02-28 15:16:34 | Weblog
 鳥は本来、食用には向いていない動物だ。鳥は飛ぶために特殊な進化を遂げた。前足を羽に変え、体重は極限まで軽量化された。飛ぶという特別な能力を得るためには多くの犠牲を払わざるを得ない。消化器でさえ必要最小限の貧弱なものだ。因みに人類はどれだけ訓練をしても自力で飛ぶことは不可能だろう。体重が重過ぎるからだ。
 鳥の体は骨・皮・筋肉・内蔵だけで殆んど肉の無い体形だ。こんな鳥を食用にするなら内臓を食べることになる。つまり小さな鳥はまるごと食べ、大きな鳥はモツを食べるという昔ながらの焼き鳥が鳥の特性には最も適った食べ方だと思える。
 但し例外がある。飛べない鳥は肉が多い。まだ食べたことは無いがダチョウはかなり美味しいらしい。絶対に食べてはいけないがヤンバルクイナも多分、食材には向いているだろう。かつてニュージーランドにはモアという巨大な鳥がいたが食べ尽されてしまった。現在、鳥肉を代表するのは鶏であり、これも殆んど飛べない鳥だ。
 飛ぶ鳥では鴨の肉が珍重されている。鴨特有の脂身は確かに美味しい。寒冷地に棲むから皮下脂肪が多いのだろうか。

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