こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

牛伏川階段工

2012-10-29 22:04:26 | 脱原発・危機管理
 
松本市内田地籍にある「牛伏川階段工」が重要文化財の指定を受けました。砂防施設では全国でも2例目、土木施設でも県内では南木曽町にある桃介橋について2例目となります。この牛伏川階段工は現役の防災施設であること、石積みなど優れた技術遺産であること、守り伝えられている地域の貴重な資産であることが指定の理由である。案内をしてくれたのは長野高専非常勤講師の山浦直人さんと、牛伏鉢伏友の会の加藤和輝さん(写真右)です。

 
牛伏川はわかっているだけでも1690年から1896(明治29)年にかけて14回の洪水に襲われています。それ以前の1390年の大地震では東西400メートル南北450メートルの大崩壊が発生し、土砂は山津波となって田川を超え笹賀村二子まで到達したという記録もあるほど大規模な土砂災害を引き起こしてきた場所です。ちなみに明治29年は牛伏川だけではなく全国各地で大災害が発生していて、6月15日午後8時半、三陸地方に大津波(死者2万7122人、流出・破壊1万390戸)、7月7日富山県下の大水害(流失3000戸)、8月30日関西各地に大暴風雨被害甚大、8月31日東北地方大地震(死者200名)、9月には琵琶湖で大洪水が起きています。そこで明治31年から大正7年にかけて石積堰堤、張石水路など当時の技術の粋を結集した大規模工事が行われた。写真右は階段工の平らな部分でも小段差が付けられているもの。写真右は山腹の張石水路。

 
牛伏川の砂防工事は今回重文指定された階段工だけではなく、その奥深くのすべてが石積みなどの技術が高く今ではその技術を継承する者はいないそうだ。

 
今回は市民見学講座として開催されたが、11月11日にも牛伏川から高ボッチにのぼるトレッキングや12日にはシンポジウムも開催されます。これからが紅葉が見ごろを迎える牛伏川にぜひお出かけください。


10月29日信濃毎日新聞


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 10月28日 夜汽車のトラ... | トップ | 今週の日程 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

脱原発・危機管理」カテゴリの最新記事