ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

このさきは

2022-07-08 08:08:11 | 短歌





このさきは 暗闇ばかり ゆけどゆけど 何も見えぬに まだゆく人よ




*相変わらず不調ですが、何日かおきにひとすじほどには詠めています。大火や葡萄様の言葉に刺激されて、なんとか自分の感性を動かすことはできるときがある。でも難しいですね。この妨害活動が一生続くかと思うと、気持ちも暗くなりがちだ。しかし何とかしていきましょう。厳重に抑え込まれてはいるけれど、自分の力は確かにある。光るものを作れる時がある。

さて、表題の歌は、そんな暗闇の中にも希望が見える道ではなく、絶望的に何も見えない暗闇にぶつかって、それ以上一歩も進めないのに、まだ進んでいこうとしている人のことを詠んだものです。

長いこと悪いことばかりしてきて、悪いことのみでこの世を渡ってきたら、とうとう人間の壁にぶつかって、そこを崩してしまった。そうしたら明るかった未来が一気に闇に降りこまれ、何も見えなくなった。要するに神が与えてくださっていた人間の未来をすべて失ってしまったのです。

嘘でばかり生きてきたら、とうとう本当の自分を壊してしまい、自分が馬鹿になってしまった。ここまで来たら、もう嘘を捨てて、元来た道を引き返していくよりないのだが、馬鹿はまだやめられない。嘘を脱ぎ捨てて、本当の自分の姿が出てくるのが怖いからです。

自分はいやらしいことばかりやってきて、本当の自分の姿はあまりにも醜く、馬鹿なものになっているからです。

そんな自分よりは、嘘でも美しい自分の方がいい。そう思って馬鹿は、いまだに嘘をかぶって生きている。そっちの道は暗闇ばかりで、何も見えないのに、まだ行こうとしている。

もうそろそろやめなさい、本当の自分に帰りなさいと、舌がちぎれるほど叫んできたが、馬鹿者は耳を貸さない。どこかに嘘が本当になるような魔法がありはしないかと、暗闇の中をまだ迷っている。

その暗闇は、はてしないかのように見えて、永遠に開かない虚無の壁なのです。何もない。何もない。徹底的に何もない。

馬鹿者はその何もない暗闇を、永遠にさまようかのようです。




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