花の下法楽連歌 耕閑軒兼載翁追善 於古河満福寺 まくらが座 (巻27と名残折表第六までは同じです) |
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初折表 | ||
発句 | 花さかり雪もまことのみ山かな | 兼載 |
脇 | 筑波嶺わたるうららなる風 | 鑑 |
第三 | のどけしなけふは霞とつどひきて | 初瀬 |
第四 | 深きゆかりに歌のさ筵 | 路光 |
第五 | 高き名をしたひ詠みつぐ村里に | 直人 |
第六 | 遠方かけてきぬた打つ音 | 純一 |
第七 | 宵の池いづくに月や浮かむらむ | 和雄 |
第八 | あくまですめるこれ秋の水 | 南天 |
初折裏 | ||
第一 | もみぢ葉と流れに添ひて行かばやな | 可矢 |
第二 | 鹿鳴く道の旅ぞさびしき | 梅豊 |
第三 | 夕されば明かき灯しの宿もがな | 素拙 |
第四 | 忘れがたきは残る袖の香 | 純一 |
第五 | 忍ぶれど我が名立つ世のうらめしや | 鑑 |
第六 | 色に出でぬと伝へしは誰 | 梅豊 |
第七 | 山並はしぐれの雲にかくされて | 和雄 |
第八 | 雪のもよひに急ぐはは鳥 | 路光 |
第九 | 風さわぐ小笹の外は音もなし | 直人 |
第十 | ささ波ひかるおぼろ夜の月 | 素拙 |
第十一 | やうやうに洲浜の水もぬるみけり | 南天 |
第十二 | あなたこなたの春のおとづれ | 深峰 |
第十三 | いとざくら嵯峨の御寺は色映えて | 純一 |
第十四 | 法説く声の絶えぬ永き日 | 鑑 |
名残折表 | ||
第一 | いにしへを偲ぶよすがも何せむに | 路光 |
第二 | 涙ばかりの老いの行末 | 和雄 |
第三 | 杖のみやかたへの友となりぬらむ | 南天 |
第四 | 百夜通へる人もありしを | 梅豊 |
第五 | もの言ふも涼しき風に誘はれて | 純一 |
第六 | 木の下闇にふるる指先 | 直人 |
第七 | しるべなき深山の旅も楽しまむ | 鑑 |
第八 | 詠むはここぞと歌ふうぐひす | 南天 |
第九 | 畠打つ農夫の姿ちらほらと | 義夫 |
第十 | 常在不滅のどかなる空 | 深峰 |
第十一 | うらやまじ心まかせの春の雲 | ヒサヨ |
第十二 | 天の河行く星合ひの舟 | 裕雄 |
第十三 | 白綾の袖月影に匂ひけり | 初瀬 |
第十四 | 露に濡れつつしのび逢ふ恋 | 鑑 |
名残折裏 | ||
第一 | 波寄する浦にのぼれるうすけぶり | 素拙 |
第二 | 遠く近くに島美しく | 義夫 |
第三 | いづかたか見まくほしくは冬の蝶 | 深峰 |
第四 | もたれし窓にかかる粉雪 | ヒサヨ |
第五 | つれづれは硯もうとくなりゆきて | 南天 |
第六 | 東風にたくして便りとどけむ | 初瀬 |
第七 | 渡良瀬の川面に花の満ち満つる | 裕雄 |
挙句 | 宴に酔へる佐保姫の舞 | 素拙 |
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