むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何色連歌(巻60、令和2年5月23日満尾) ~猪苗代兼載翁追善、リモート張行~

2020年05月23日 | 作品集

発句 鳥はまづ散らぬ花ふむこずゑかな 兼載
風やはらかにかすむ筑波嶺 直人
第三 あは雪もこれ名残かとむら消えて 南天
第四 櫂の音高き川下す舟
第五 門の岸に長き旅路の果てを見む 路光
第六 いとかぐはしき白菊の里 純一
第七 松にすむくまなき月の影映えて ヒサヨ
第八 露置き初むる野辺の静けさ 和雄
初折裏  
第一 ときは今歌詠み交はす頃なるに 素拙
第二 香のかさねの袖ぞそよめく
第三 乙女らの洩りくる声にときめきて 直人
第四 焦がるる思ひ如何に届けむ 純一
第五 明け暮れにみをしる雨は降りまさり 深峰
第六 流れの末をせくや岩が根 可矢
第七 翡翠の姿うつして水碧し 初瀬
第八 浮世のうさぞ聞かず久しき 和雄
第九 八百万神に捧げし真澄鏡 弓子
第十 野守のまもる飛火野の原 梅豊
第十一 都べも暮れては人の影もなし 路光
第十二 いづち照らさむおぼろなる月 純一
第十三 山裾は桜の雲に覆はれて
第十四 ひばりの声ぞのどやかに聞く 直人
名残折表  
第一 まがごとも四方の祈りにしづまらむ ヒサヨ
第二 舟借り捨てしあとな咎めそ 南天
第三 君待つに心もえやはとめやらで さう美
第四 深き縁は切るることなし 素拙
第五 乱れぬるけふの爪音なにゆゑに 草芳
第六 明日は身に添ふ墨染の袖 可矢
第七 こもりくの初瀬の山に冬の雨 初瀬
第八 円居もとほき味気なの世や 和雄
第九 古里の老いたる母の九十九髪 弓子
第十 逢ひみむことをただ願ひけり 梅豊
第十一 初風の立てる汀に佇みて 路光
第十二 高きみ空に雁のつら 純一
第十三 夕月夜酒のむしろを共にせよ
第十四 更けゆく秋に袖ぞさむけき 直人
名残折裏  
第一 重ね着を旅のまうけに持ちてまし 典子
第二 霙まじりの鄙の駅路 和雄
第三 たなびける雲はしるべよ里近し  初瀬
第四 おだしき風のうらやすの国 純一
第五 若鮎の川の浅瀬に跳ぬる音
第六 畑打つ鍬に土ぞやさしき 可矢
第七 花は根に帰るものとや知りぬらむ 梅豊
挙句 つれなく過ぎし春をしぞ思ふ 素拙