むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦薄何連歌(巻100、令和6年2月27日満尾)

2024年02月27日 | 作品集

初折表  
発句 消えはてぬ雪のはざまのみどりかな 直人
霞のうちに鳴くはうぐひす 初瀬
第三 水温む山の裾野を訪ね来て 弓子
第四 いさら小川に光る白波 直人
第五 旅すれば衣の袖もやつれつゝ 初瀬
第六 苫屋に集ひ交はす旨酒 弓子
第七 月ひとりしげる梢に木がくれて 南天
第八 夕立あとのわたる涼風 直人
初折裏  
第一 いつしかと峯のむら雲影もなし 純一
第二 をちへこちへと天彦のこゑ 初瀬
第三 花すゝき招く穂こそはやさしけれ 梅豊
第四 誰がいひ初めぬ秋の七草 南天
第五 かれがれの小夜に露けき袖見えて 直人
第六 虫の音さびし残る枕香 純一
第七 もののふの古河のわたりの物語 初瀬
第八 雲ゐにとほきつくばねの奥 梅豊
第九 敷島の道のかの面もふみわかで 南天
第十 なべておぼろに月のたそかれ 直人
第十一 陽炎のもゆる社に参らばや 純一
第十二 注連縄なづる春のそよ風 初瀬
第十三 はかなしなきのふにかはる花の色 ヒサヨ
第十四 まがきに遊ぶてふもいつまで 梅豊
名残折表  
第一 駒とめてこよひの宿に休らはむ
第二 狩場も寒き雪暗れの空 深峰
第三 君思ひ越すや越路のしらね山 路光
第四 恋の煙ぞ嶺にたなびく
第五 かの海の荒磯波やいかばかり
第六 沖へと運べ辛き哀しみ 弓子
第七 卯の花の香を遣る風も立つものを 南天
第八 ほととぎす待つ里のしづけさ 直人
第九 暑き日は汗もしとどに袖ぬれて 純一
第十 頼む御法の雨も降れかし 初瀬
第十一 露ぞ頃知るも小萩の嵯峨なれや ヒサヨ
第十二 虫の鈴振る千代の古道 梅豊
第十三 池水の月は昔を返すめり 和雄
第十四 宮居の庭も夜寒なるらむ
名残折裏  
第一 霜まよふ嵐に火さへたきかねて 深峰
第二 戸さし籠るや冬の山里 路光
第三 中空に遠ざかり行く鳥の声 
第四 霞とともに旅に立たなむ 
第五 長閑なる船津賑はふ日ぞ永き 弓子
第六 ひざ交へむと敷くも若草  南天
第七 めがれせぬ花よこずゑをなほともせ 初瀬
挙句 ひかりみちたる武蔵野の春 純一