むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何世連歌 月の前(巻85、令和4年8月25日満尾)

2022年08月25日 | 作品集

発句 千草みな月をあるじのゆかりかな 梅豊  
色さまざまの露のむさし野 和雄  
第三 雁わたる空に誘はれ旅立ちて  
第四 やや寒なれど浦を漕ぎ廻む 弓子  
第五 藻塩焼く小屋の薫りぞなつかしき 路光  
第六 こゑはそことも知らぬ松風 南天  
第七 山もとはしぐるるままにさ夜ふけて 純一  
第八 をちかた峰に早も初雪 直人  
初折裏    
第一 急がばや歌会に襟をただしつつ 和雄 うたゑ
第二 うす匂ひするけふの装ひ 梅豊  
第三 雲間より彼の世の光洩れ出でて 弓子  
第四 契りし人をえやは忘るる  
第五 なれ初めはそもいつぞやの若楓 南天  
第六 さればふりたる雨の帚木 路光  
第七 ながめつつ消ゆるうき身とわびぬれぬ 直人  
第八 糺の神にかくる行く末 純一  
第九 賀茂の山籠むるばかりに霞して 梅豊  
第十 暮れ遅き野は弓張の月 和雄  
第十一 川水の色ものどけき朝ぼらけ  
第十二 青き草喰む牧の若駒 弓子  
第十三 ひともとの花は生ひさき寿くや 路光  
第十四 離るゝものとはかねて知る知る 南天 かるゝ
名残折表    
第一 領巾振りし松浦佐用姫忘られじ 純一 ひれ、まつらさよひめ
第二 思ひあまるをいかにつたへむ 直人  
第三 白雲の棚引く峯の静けさに 和雄  
第四 おちくる瀧の音のみぞする 梅豊  
第五 御簾掲げ見やる西方手をあはせ 弓子  
第六 法の勤めに通ふ古寺  
第七 苔路にも冬ぞと枯れ葉となへゐて 南天  
第八 袖も凍てしや偲ぶそのかみ 路光  
第九 しはぶきて語りを終へる老人に 直人  
第十 露こぼるるか風ぞ身にしむ 純一  
第十一 秋霧のそことしもなく立田山 梅豊  
第十二 色鳥あそぶ行合ひの谷 和雄  
第十三 月の待つ川辺の宿をたづねばや  
第十四 漁る舟に揺るるかがり火 弓子  
名残折裏    
第一 しき寄する波の音こそ聞きよけれ 路光  
第二 返すたもとも蝉の羽衣 南天  
第三 ちひろある呉竹の影凉しきに 純一  
第四 たどる小径の夕暮れの空 直人  
第五 とめこかし薫物の香ぞ標なる 和雄  
第六 吹くともみえぬ庭の春風 梅豊  
第七 花の下歌詠み集ふ古河の寺 弓子  
挙句 霞も晴るる旅の帰るさ