むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦夕何連歌(巻77、令和3年11月12日満尾)

2021年11月12日 | 作品集

初折表    
発句 しぐれ待つもみぢむらごの梢かな 初瀬  
露置く里に鹿の鳴く声 弓子  
第三 雲の隙いざよふ月の影ふけて 路光  
第四 水馴れ棹さし瀬を渡る舟 みなれさを
第五 いかばかり谷に木枯らし吹きぬらむ 純一  
第六 峰もこなたも雪もよの空 梅豊  
第七 いつしかに冬咲く梅の香こそすれ 典子  
第八 おりたつ庭に聞くは琴の音 直人  
初折裏    
第一 九重は篝の影もほのかにて 可矢  
第二 染めし衣の色も見分かず 和雄  
第三 いとせめて恋しき君が名を告げよ 弓子  
第四 待乳の山にかけしくやしさ 初瀬  
第五 離るるとも思ひ変はらで契りけり  
第六 ともに手を取り遠の道行き 路光  
第七 白雲のいづこに鳴くやほととぎす 梅豊  
第八 身をうらむるも涙なそへそ 純一  
第九 小夜ふけぬ誓ひの舟を頼むるに 直人  
第十 春もおぼろの月ぞやさしき 典子  
第十一 ほのと吹く風に胡蝶の漂ひて 和雄  
第十二 空ものどかにたどる東路 可矢  
第十三 見渡せばをちの山々花盛り 初瀬  
第十四 草を摘みつつ遊ぶわらはべ 弓子  
名残折表    
第一 かのころも若紫に染めまほし 路光  
第二 袖漬つほどの雨の武蔵野 ひつ
第三 つらしとて逢ふご難みの夏の日に 純一  
第四 うらなきものとただ願ふのみ 梅豊  
第五 面影をしばし忘れよ夢だにも 典子  
第六 ほだしを捨てて道に入らばや 直人  
第七 放れ駒馳せゆく原ははるかなり 可矢  
第八 流れてはやき尾根の風雲 和雄  
第九 島を指し荒波の中船出せむ 弓子  
第十 浮きぬ沈みぬ老いが身の秋 初瀬  
第十一 宿の端に命限りに虫ぞなく  
第十二 更けて夜寒のいつき大忌 路光  
第十三 月影に黒き鳥居もなほ映えて 梅豊  
第十四 尾花が袖は神さびにけり 純一  
名残折裏    
第一 岡の辺の道をやさしく吹く風に 直人  
第二 さ渡る雲のゆくへをぞ見る 典子  
第三 田鶴の声さゆる水沼に響きつつ 和雄  
第四 たたむとはらふ笠の朝霜 可矢  
第五 しるべなく分けし曠野も里遠み 南天 あらの
第六 このもかのもに春やどるころ 初瀬  
第七 歌連ね集ふ都の花の宮 弓子  
挙句 古き社をくくむこちかぜ 路光