むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦三字中略連歌(巻46、令和元年5月11日満尾)

2019年05月11日 | 作品集

発句 散りまがふ花は霞にとけにけり 路光  
をちに消えゆく春の旅人 可矢  
第三 海ちかみ初音も潮香はこぶらむ 和雄  
第四 よせてはかへす岩くだく波 初瀬  
第五 空高くひとひらの雲ただよひて 梅豊  
第六 分け入る野辺に露ぞ光れる 素拙  
第七 栖に戻る虫にやさしき月の影  
第八 里の庵を訪ねてもみよ 初瀬  
初折裏    
第一 口遊ぶ糸繰り歌のつれづれに 和雄  
第二 暑き日中に干せる白妙 梅豊  
第三 卯の花の匂ひは衣のごとくにて 南天  
第四 ひたぶる心尽くることなし  
第五 外つ国の我が夫の帰り待ちわびぬ  純一  
第六 たより間遠にさていかがせむ さう美  
第七 降る雪に橋も山路も埋もれて 可矢  
第八 明けゆく空に残る凍て月 素拙  
第九 朽野の田鶴なく方へ歩み入る 路光 くだらの
第十 思ひ出づるはなつかしき友 梅豊  
第十一 世をなげく身にもうららの風ふきて 直人  
第十二 なにはの宮は陽炎の中 純一  
第十三 訪はばやな桜もふるき社あと さう美  
第十四 民の祝ぐ新しき御代  
名残折表    
第一 四方の海波静かなれ末永く 可矢  
第二 漕ぎゆく船の帆や高からむ 梅豊  
第三 羽衣の天つ乙女の舞ひ出でて 直人  
第四 東遊びの歌のひとふし 路光  
第五 かいま見るうしろ姿ぞうるはしき 梅豊  
第六 おくる玉章いらへだになし 直人  
第七 埋火のくゆる思ひにたへかねて 路光  
第八 縁たのみて聞く法の声 可矢  
第九 まつ虫も早すだきけりわが庭に 梅豊  
第十 そよ吹く風になびく萩原  
第十一 遠山は棚田に数多月浮かび 素拙  
第十二 折ふし光る青き稲妻 直人  
第十三 都にはかぐろき鬼も出でぬべし 路光  
第十四 おののく子らをいつくしむ母  
名残折裏    
第一 朝に日に機織る音のをやみなく 可矢 あさにけに
第二 軒端に咲けるしるき夕顔 梅豊  
第三 とりどりの団扇の揺るる川涼み 素拙  
第四 降りみ降らずみ過ぎる横雲 路光 よぎる
第五 牧に追う若駒の髪なびきけり 可矢  
第六 こてふ飛び交ふ暖かき野辺 素拙  
第七 五つ衣ほころぶ花のあでやかに ヒサヨ いつつぎぬ
挙句 暮れゆく宵に青柳の糸 直人